2021年5月13日 (木)

競馬場でワクチンを

昨日の朝のこと、仕事場に着くなり部下から「セールスフォースが死んだ」と聞かされた。

セールスフォースと言えば大井所属の競走馬。たしかカネヒキリの産駒で、条件ばかりとはいえ10勝くらいしていたはず。そうか、死んでしまったのか。それで「事故? それとも病気?」と聞いたら、「病気?」と聞き返されてしまった。そりゃあ、病死ってことだってあるでしょうよ。んで、あらためてよくよく聞いたら、この話だった。

Salesforce

思わず「なんだ、紛らわしい」と言ったら、そんなことを思うのは私だけらしい。いまどきクラウドサービスの Salesforce を知らない人なんていませんよ。口には出さないが、そういう顔をされた。実際それは正しいのであろう。その証拠に全国紙でも一面トップで扱っている。その記事によれば、世界中の企業や行政機関などで利用されていて、日本でも厚生労働省の新型コロナワクチンの管理システムや自治体の予約システムなどで不具合が出るなどの影響が出たという。ふーん。そうなんですか。それで話題は新型コロナの話へと流れる。

今月30日から大井競馬場がワクチンの集団接種会場として利用開始されることになった。具体的には4号スタンド5階。つまりダイヤモンドターンの上階にあるゴンドラ席フロアが会場として使われる。非出走の馬主席としても使われていたから私にとっても馴染み深いエリア。建物自体が独立棟で、フロアにはふんだんに椅子も設置されており、むろんトイレも完備。細長いフロア構造なども接種業務に向いているかもしれない。ほかにも南関東では浦和競馬場も接種会場に使われるそうだ。一方でJRAの競馬場からはそういった話は聞こえてこない。

競馬場でのワクチン集団接種の先鞭をつけたのは英国である。今年の1月にはエプソム競馬場がワクチン接種会場となった。オフシーズンだったこともあろうが、さすが競馬だけでなくワクチン接種でも世界をリードせんとするお国柄。おかげで今では国民の約半数が1回目の接種を終えて、市民はマスクなしで外出を楽しんでいる。

大井競馬場も今は無観客開催が続いているのでスタンドや駐車場の利用に支障はなかろう。このあと有観客再開が実現した場合でも、4号スタンド5階は接種会場としてそのまま継続使用するという。

そこでふと思った。残念ながら無観客開催が継続された場合、一般の競馬ファンが観ることができないナマのレースを、接種対象者は観ることになる。接種を受ける人が競馬ファンならちょっとラッキー。接種を待つ間、あるいは接種後の経過観察の合い間にも、スマホで馬券を買ってゴンドラ席からのレース観戦を楽しむ―――そんなことが可能かもしれない。

 

 

***** 2021/5/13 *****

 

 

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2021年5月12日 (水)

スイッチコース

JRAの競馬場は右回りが7場に対して左回りは3場しかない。それが同時に開催されるのは珍しいと、おとといもそう書いた。

だが、GⅠレースに限れば右回り14レースに対して左回りは10レース。一気にその差は縮まる。その一因にもなっているのが、先週から始まった東京競馬場での5週連続GⅠ開催であろう。毎年のことだが財布が持ちそうもない。

スプリントやマイルのGⅠが年に2回、右回りと左回りのそれぞれのコースで行われるのは、興行的な側面もさることながら、右回りも左回りも関係のない普遍的な強さを求める理念の表れでもある。実際には、マツリダゴッホのように右回りが得意だという馬がいれば、スワーヴリチャードのような典型的なサウスポーも存在する。なのにJRAのハンデキャッパーは、そういった左右の得意不得意をハンデに加味することはしないそうだ。

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それにしても、と思う。米国の競馬場はすべて左回り。我が国が範としたはずの英国にしても3分の2が左回りである。なのに、JRAでは2000年に新潟競馬場がようやく3番目の左回りコースとして生まれ変わったばかり。地方競馬に目を向けても、右回りが10場であるのに対し、左回りは4場しかない。思えば、旭川、上山、高崎、宇都宮、足利、福山、荒尾など、近年廃止となった競馬場にしてもことごとく右回りであった。我が国の競馬場にはなぜこんなに右回りコースが多いのであろうか。

日本における馬券発売を伴う近代競馬の嚆矢は、1861年に横浜の洲干弁天裏で行われたレース。ちなみにこの時のコースは直線のみだった。そしてその翌年、いまの横浜山下町に作られた日本最初の競馬場は、本場の英国に倣って左回りだったとされる。

その後、1866年に関係者の念願かなって本格的スタンドを備えた競馬場が根岸の丘の上に完成した。ここで話は昨日の根岸競馬場に戻ってくる。現在は公園となっているあの競馬場跡を訪れたことがある方なら想像できるだろう。あまりの起伏の激しさにどうしても左回りのコースがとれず、やむなく右回りにしたという逸話が残る。その後、各地の競馬関係者が根岸競馬場に倣って競馬場を造成したため、日本の競馬場には右回りが多くなった―――。どうやら、これがコトの真相らしい。

根岸競馬に倣った競馬場のひとつに目黒競馬場がある。目黒は右回りであった。だが、その目黒競馬場が移転して生まれた東京競馬場は原則左回りである。これについては、当時の東京競馬クラブの理事には外国人が多く、海外に倣って左回りに戻したとする説が有力。だが、それも先ほど書いたようにあくまでも「原則」に過ぎない。かつて東京競馬場の芝の1000m、1100m、1200m、およびダートの1000m、1100mは、右回りコースで行われていた。馬たちは向こう正面から2コーナーに向かってスタートを切り、1コーナーを右に回ってゴールを目指していたのである。

1962年のダービー馬・フェアーウインは東京コースで7戦して(4,1,2,0)と着外がない。これは典型的なサウスポーではないか―――と思ってよくよく見れば、そのうち3戦(1,1,1,0)は右回りコースでの成績だったりする。中山でも4勝を挙げていることを考えれば、むしろ得意なのは右回りだったのかもしれない。

昨年3月、大井競馬場が現行の右回りコースに加え、左回り1650mのコースを新設すると発表して関係者に衝撃を与えた。当初は今年1月にも稼働の予定だったが、新型コロナの影響でこの秋にずれ込むという。実現すれば国内では東京競馬場が左回り統一されて以来38年ぶりの出来事。世界でも類を見ない「スイッチコース」が誕生する。

 

 

***** 2021/5/12 *****

 

 

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2021年5月11日 (火)

蕎麦と馬の共通点

蕎麦という食い物は、ワインや鮨などに肩を並べるウンチクの塊だけに、あまり迂闊なことは書けないのだが、フライパンを購入したことで、自宅で蕎麦を茹でて食べる機会が増えた。うどんばかり食べているようで、根は蕎麦っ食いだったりする。

そんなワケで今日の晩ごはんは鴨せいろ。近所のスーパーで買ってきた鴨肉をフライパンで炒めてツユをつくり、同じフライパンで蕎麦を茹でた。フライパンの万能性に感謝しつつ、鴨の脂がほどよく染み出たツユに半分ほど蕎麦をくぐらせ、しかるのちに一息で蕎麦をすする。名店の味には遠く及ばぬが喉越しは痛快至極。そういやちゃんとザルも買いましたよ。ネギがあれば完璧だったが、いかんせん我が家には包丁というものがない。そんな理由で買うのをためらってしまった。大いなる反省点だ。

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鴨といえば、門別「いずみ食堂」の鴨そばも捨てがたい。

長さも太さもマチマチ。いわゆる田舎そばそのものの麺には、鴨肉のコクたっぷりのツユがほどよく絡まる。寒い季節でも、これを一杯食べれば、まさしく生き返る思いがする。

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この店の蕎麦は黒っぽい。その色合いを見て、つなぎを使っていないいわゆる十割蕎麦だと思われるお客さんも多いようだが、店によれば「色黒なのは蕎麦粉が粗挽きだから。つなぎは使ってますよ」とのこと。しかし、その割合は企業秘密だという。

競馬で「つなぎ」と言えば、球節と蹄部の間の部位。馬が走る時に四肢の負担を和らげるクッションの役目を果たす。これが短すぎると衝撃が緩和されずに脚を痛める可能性が高まり、逆に長過ぎてはクッションが利きすぎてスピードが殺される恐れもある。

「つなぎ」はバランスが命。それは蕎麦でも馬でも同じことだ。

 

 

***** 2021/5/11 *****

 

 

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2021年5月10日 (月)

歓喜と落胆と

7日付で「JRAの正式発表はまだだが、 今年の日本ダービーも無観客での開催が濃厚になった」と書いてしまったが、そのJRAからダービーの有観客開催が発表になった。己の不明を恥じると同時にJRAの英断に喝采を送りたい。15万の大観衆は無理でも、競馬の祭典がファンの前で行われることに価値がある。ただし油断は禁物。先日の天皇賞で、指定席当選の歓喜から一転「無観客」の憂き目を見た私としては、どうしても慎重な物言いにならざるを得ない。

そう思いつつJRAの指定席サイトを確認したら、ちゃんと東京・中京・新潟の3場が選べるようになっていた。「感動した」と書けば言い過ぎだが、緊急事態の渦中に住む身には奇跡に思える。

昨日もちらっと書いたが、おとといからJRAは東京・中京・新潟の左回りばかりの3場開催に切り替わっている。それでなくても今年は京都の改修工事と福島の被災とが相まって、例年より左回りコースの使用頻度は多いが、3場開催がすべて左回りになるのは珍しい。サウスポーたちの歓喜の声に混じって、右回り巧者の落胆の声が聞こえてきそうだ。

Left

馬にも「利き手」ならぬ「利き足」がある。それに関係があるのが手前脚。左回りのコーナーでは右トモ→左トモ→右前→左前の順に脚が地面につく。これがいわゆる左手前。この時、推進力を生み出すのは左トモである。

最終コーナーを回って、直線を迎える。しかしコーナリングの時と同じ左手前で走り続けていては、左トモに疲労が溜まってスピードが落ちてしまう。そこで騎手は直線に向いてから、手前を替えるよう馬に指示を出す。そこからが本当の勝負。「左回りが得意」という馬は、コーナーリングの得手不得手というよりは、「右手前で走るのが得意」な馬だったりする。

ディープインパクトは坂路調教でも右手前ばかりで走るほど右手前が好きだった。直線だけで後続を5馬身千切った日本ダービー。33秒5の脚で突き抜けたジャパンカップ。生涯2度の左回りでのレースが圧勝だったことと無関係ではあるまい。

手前を替えるのが得意な馬もいれば、苦手な馬もがいる。シンボリルドルフは上手な代表。一方、オグリキャップは下手だった。有終の美を飾った1990年の有馬記念。以前からこの癖に気づいていた武豊騎手が、根気よく手前の替え方を教え込んだというのは有名な話。そして迎えた本番、オグリキャップは最後の直線で武豊騎手の指示通りに手前を替え、1着でゴール板を駆け抜けた。

人間の「右利き」「左利き」は先天的なものだろうが、競走馬はふだんの調教で矯正が可能。また、新潟は得意でも、東京ではさっぱりという馬もいる。「右回り巧者」。「典型的なサウスポー」。そう言われる馬たちがいるのは事実だが、その理由は単にコーナーリングの問題に留まらない。馬場の特徴、滞在競馬か当日輸送か、気候の問題もある。それを単に「右利き」「左利き」に喩えるのは無理があろう。しかしその一方で、コースごとに得意不得意があるのも間違いない。

昨日のNHKマイルカップで1番人気に推されながら3着に敗れたグレナディアガーズは2勝馬だが、その勝ち星はいずれも右回りコースであげたものだった。一方、人気薄ながらハナの2着と健闘したソングラインも同じ2勝馬だったが、その2勝は左回り、しかもぶっちぎりの圧勝である。偶然かもしれないが、左回りの競馬ばかり見続けていれば、ついそんなことを考えたくもなる。


 

 

***** 2021/5/10 *****

 

 

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2021年5月 9日 (日)

祝・パイロキネシスト優勝

昨日付で紹介した佐賀のパイロキネシストが、今日の佐賀スプリングカップを見事に逃げ切った。9歳にして初めてのタイトル獲得。関係者の皆様、おめでとうございます。

パイロキネシストは、昨日のプリンシパルSを勝ったバジオウの母・フローレスダンサーが勝った7年前の新馬戦メンバーの一頭。ほかにもドゥラメンテ(産駒・タイトルホルダー)やクルミナル(産駒・ククナ)など、すでに父や母となりクラシックに産駒を送り込んでいる同期もいる中にあって、現役競走馬として走り続けるパイロキネシストの姿には、どことなく励まされるような思いがする。なにせ私もトシを取った。

実は(最近はこんなことばかり書いている気がするけど)今日は佐賀に行こうと思ってた。こないだ新大阪駅を歩いていたら、新鳥栖に乗り換えなしで直行できる新幹線があることを知ってしまったである。新鳥栖までは3時間弱。長いと言えば長いが、乗り換え無しというのは気分が良い。14時06分発の「さくら」に乗って、あとは寝てれば17時前に新鳥栖に着く。競馬場まではタクシーで10分。それくらい時間と費用をかけてでもナマの競馬が見たい。そう考えるのは私ひとりではなかろう。自室に閉じ籠ってグリーンチャンネルを見るのはもう飽きた。

そもそも、10分おきに東京・中京・新潟の競馬を見せられるのって辛くないですか? 同じように4コーナーを回って、同じような直線の攻防が繰り広げられる。異なるのは内馬場の光景と芝の傷み具合だけ。勝負服だって同じような柄ばかり。1レースからぶっ通しで3時間ほど見たところで音を上げて家を出た。よしもう佐賀へ行くしかない!

向かった先は新大阪駅

……ではなく、近所のうどん屋さんです。千日前通りの「うどん屋麺之介」で肉ごぼ天うどん。ご覧くださいこの素晴らしいごぼ天のフォルムを。せめて昼メシだけでも佐賀気分を味わうことにする。

Nikugobo

正直、このご時世とはいえ競馬場へ行くことがすべてダメだとは思わない。行くべきなら行けばいい。しかし今日敢えて佐賀に行くとなればある程度の批判を覚悟しなければなるまい。なにせ新型コロナで開催中止の憂き目を見てから、まだ何日も経っていないのである。

それにしても、私が単勝を買った馬はどれだけ人気馬であっても負けるのが常。それどころか「注目」と宣言しただけでも、実力を発揮できないことが多い。ところがパイロキネシストは勝ってくれた。佐賀行きが叶わなかったことを忘れるほど嬉しい。もし負けたら昨日の記事のせいになりかねなかった。

 

  

***** 2021/5/9 *****

 

 

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2021年5月 8日 (土)

馬事王が背負うもの

今日の東京メイン・プリンシパルSは2番人気のバジオウ(戸崎圭太)が2番手追走から、直線で抜け出して完勝。たった1枚しかないダービーへの切符を手に入れた。(写真は昨年11月の初勝利時のもの)

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ダービーに出るとなれば、礼儀としてその血統表をチェックせねばなるまい。

バジオウのお母さんフローレスダンサーはハービンジャーの初年度産駒として4000万円で募集されると、2歳8月のデビュー戦を完勝。クラシックの期待がかかったが、クラシックへの出走にはあと一歩届かず、4歳2月に屈腱炎を発症して引退を余儀なくされた。クラシック出走は母の悲願だ。

さらその母は桜花賞馬ダンスインザムード。その兄・エアダブリンとダンスインザダークは、どちらもダービー馬になっていてもおかしくないポテンシャルの持ち主だった。しかしそれを許さないのがダービーの怖さ。名牝・ダンシングキイの無念を晴らせるか。バジオウの走りには一族の悲願もかかっている。

ところで、フローレスダンサー唯一の勝利となった2014年8月9日札幌の新馬戦を一緒に戦ったメンバーの中に、いまだに現役で頑張る一頭がいることをご存じだろうか。

Pyro

新馬戦で10番人気ながらフローレスダンサーからコンマ5秒の5着に粘ったパイロキネシスト(父・パイロ)は、その後JRAで4勝を挙げる活躍をしたのち、9歳になった今年から佐賀競馬に移籍した。偶然にも明日の佐賀7レースで行われる重賞・佐賀スプリングカップにもするので、ぜひ注目してください。

 
 
***** 2021/5/8 *****

 

 

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2021年5月 7日 (金)

ケイバを止めるな

緊急事態宣言の延長が正式に決まった。来週火曜までの予定だったのが、さらに5月いっぱい続くのだという。ある程度予想されていたこととはいえ、宣言にさらされる当事者としてはやはり厳しい。中京遠征は延期。帰省もできない。仕事にも多少なり影響が出る。

とはいえ私が受ける影響などたかが知れている。飲食業や観光業の方は死活問題であろう。むろん今回の宣言延長で医療従事者の方々の負担が劇的に改善する保証もない。よって私の我慢は当たり前である。

不謹慎の誹りを覚悟で、それでも敢えて小市民の愚痴を書かせていただく。今年の日本ダービーも無観客での開催が濃厚になった。JRAの正式発表はまだだが、そこはお上の目が厳しい。むしろ範を示す立場でもある。2年連続で無敗のクラシック2冠に挑むエフフォーリアの走りも、ウオッカ以来14年ぶりの快挙を目指すサトノレイナスの果敢なチャレンジも、我々は直接その姿を目撃することはできない。競馬史という限られた視点に立てば大きな損失であろう。

そんな視点にこだわるべきご時世ではないことは承知している。だから愚痴なのである。本来なら酒場で競馬仲間にぶつける話だが、大阪ではお店で酒が飲めないからここにぶつけることにした。とはいえ今これを書いている私は決して酔っているわけではない。

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「何があっても競馬を止めてはいけない」

このために競馬関係者がどれだけ神経を擦り減らしてきたか。それを私は知っている。だからうかつに牧場を訪れたり競馬場に顔を出すこともしない。こっそり飲みに行ったり、帰省をしたりしないのも、その延長線上にある。万事競馬のため。そうとでも思わない限り、私はこの緊急事態を乗り越えることはできそうもない。思い返せば、昨年もGW明けから5月いっぱいまで宣言が延長された。激しい既視感にめまいを覚える。

 

 

***** 2021/5/7 *****

 

 

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2021年5月 6日 (木)

コロッケの日

連休は終わったけど緊急事態宣言が続いているので、投稿も続ける。今日5月6日は「コロッケの日」らしい。コロッケは好きですか?

いま私が住んでいる近所の商店街の一角に大人気のコロッケ専門店がある。その名も「中村屋」。関西の人気TV番組「ごぶごぶ」に何度も登場しているから、食べたことはなくても店の名は知っているという人も多いかもしれない。間口わずか1間ほどの店先からは、揚げ油の香ばしい匂いが漂い、開店前から閉店まで行列が途切れることがない。

メニュー表には「メンチ」や「トンカツ」といった記載もあるが、ほとんどの客が買い求めるのはコロッケ。1個80円。1個だけ買ってすぐに口に運ぶ人がいる一方、10個、20個と大量買いする人もいる。TVで見聞きした情報では一日に3000個も売れるらしい。その味付けは企業秘密だという。

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買ったばかりの熱々のコロッケをほおばる。衣はさっくり、中身のジャガイモはほくほくと甘く、その奥にほのかにピリっとした辛みを感じて、それがまたジャガイモの甘さを引き立てる。ジャガイモ好きとしては、このタイプのコロッケがいちばんうまい。カレーやカボチャは邪道。お肉もコーンもいらない。ジャガイモだけがい。

そういえば、川崎競馬場パドック脇売店のコロッケも似たようなタイプだった。サイズはちょっと大きめ。そのぶん1個150円と値が張るが、競馬場内だと思えば仕方ない。周囲の客は「肉がまったく入ってねぇじゃねぇか!」と笑いながら文句を言っていたが、私にはそれで良かった。あのコロッケ屋さんは今頃どうしているのだろうか。南関東は無観客開催が続いて久しい。

遠く離れた郷里の競馬場に思いを馳せつつ、2個目のコロッケを口に運んだ。「中村屋」のコロッケの難点は、ついついその手が止まらなくなること。あまりの安さに、いっぺんに5個も6個も買ってしまうのがそもそもいけない。などと言いつつ早くも3個目。まあ、今日だけはコロッケの日に免じてヨシとしよう。

 

 

***** 2021/5/6 *****

 

 

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2021年5月 5日 (水)

緊急事態宣言下のGW日記⑦

今日も今日とて自室からネットで競馬観戦。正直つまらない。つまらないけど、これしか手段がないのだから仕方ない。そんな思いで馬券を買ったところで当たるはずもない。せめてTVで中継をやってくれないものか。ネット中継の解像度では、馬のつくりの細部や騎手の表情までは読み取ることができない。

ともあれ、今日は全国6場で70ものレースが行われたわけだが、もっとも多くネットで閲覧されたのは、GⅠ・かしわ記念ではなく、兵庫大賞典でもなく、いわんや門別で3鞍行われたフレッシュチャレンジでもなかろう。それは船橋8レース。つまりこちらの一戦である。

Yahoo

騎手が落馬してカラ馬となった一頭が、ラチ沿いにコースを逆走。直線に向いて熾烈な叩き合いを繰り広げる先頭集団に正面から突っ込んできた。幸い騎手の方が気づいてカラ馬を回避したことで、正面衝突という事態は避けることができたが、一歩間違えれば大惨事だったと記事は言っているわけだが、ポイントはそこではない。「不成立ではないか?」という声が沸き上がっているようなのである。

結論から言えば、この映像を観る限り不成立には当たらない。最終的に不成立を決めるのは開催執務委員長。つまりヒトの判断だから、どう転ぶかはケースバイケースとしか言いようがないわけだが、ルールとしては不成立となるケースについて以下のように明文化されている。


①災害や投石等の妨害行為その他の事由により、競走または開催執務委員の職務の執行に重大な支障があったとき。
競走中止馬によるもの等、当該競走の出走人馬に起因するものは不成立とはならない。(ただし、それらが走路を占拠した等の理由により、所定の走路での競走の継続が不可能となったと認めたときは、不成立とする)。
②競走が所定の走路と異なる走路で行われたとき。


つまり「競走中止馬によるもの等、当該競走の出走人馬に起因するものは不成立とはならない」のである。逆走しようが追走しようが、競馬においてカラ馬は想定されるファクターであり、騎手たちはそれを避けて騎乗馬の全能力を発揮することが求められる。馬の逆走を想定した訓練も受けているし、それで致命的な不利を受けたとしても、レース中の不可抗力として受け入れなければならない。競馬は何が起きるかわからないのである。

それでも、今回のケースが極めて危険であることに変わりはない。実際、過去には同じようなケースで不幸にも正面衝突してしまったケースがあった。

1996年12月2日の浦和競馬の最終第10レースは1600mに8頭立てで行われた。スタート直後に騎手が落馬したミヤギセイリュウは、ゲートと外ラチとの隙間をすり抜けて逆走。2コーナー付近でレース中の馬群と鉢合わせしてしまい、その中の1頭、エースフォンテンに激突してしまったのである。ちなみに結局このレースは不成立になった。このあたりが「ケースバイケース」と書かざるを得ない所以。ポイントは何を以て「重大な支障」とするか。それが難しい。私個人はゲートやハロー、あるいは部外者や動物の乱入など「出走人馬以外の要因」によるアクシデントなら不成立。そうでなければすべて競馬に含まれるものだと考える。

ただし、これには「真正なスタート」が切られていることが前提となる。2010年12月8日の4レースは、カンパイの旗が振られたことに気付かぬまま、出走全馬がゴールまで全力疾走してしまった。馬の消耗度合は大きく、あらためてレースをやり直すこともできない。それで珍しい形での不成立となった。私としてもこのケースでの不成立はやむを得ないと思う。

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***** 2021/5/5 *****

 

 

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2021年5月 4日 (火)

緊急事態宣言下のGW日記⑥

いつもの喫茶店には3紙のスポーツ紙が置いてある。日刊、スポニチ、そしてサンスポ。ただ、今朝はどうしても報知を読む必要があった。別に巨人が広島相手に薄氷の勝利を収めた昨日のプロ野球の記事を読みたかったからではない。報知の紙面でいろいろ確認しなければならないことがあったから。それでコンビニを3軒回って、ようやく手に入れた。

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関西だから報知の人気がないということもあるのだろうけど、そもそも最近はスポーツ紙を置いてないコンビニもあったりするから困る。いや、困っているのは私を含めた少数派か。困る人が少ないからコンビニもスポーツ紙を置かぬのであろう。

ニュースはネットでじゅうぶん。スポーツニュースならなおさら。何よりネットであれば料金はかからない。スポーツ紙の凋落著しい昨今とはいえ、昨年の売上部数が2000年対比で6割減だったと聞けば、さすがに穏やかではいられない。朝夕の通勤電車で「スポーツ紙の花」が咲いていたのは、もはや昔の話になった。

とはいえ、紙面でなければわからないこともある。私が朝からコンビニ巡りをして紙面入手に奔走したのも、そういう事情があるから。ほとんどのスポーツ紙はネットにも記事を載せているが、そもそもその内容を私はアテにしていない。スポーツ紙だってタダのものにコストをかけるわけにはいかんのである。だからネットの記事で白老ファーム生産のラウダシオンの生産者が「社台ファーム」になっていても、私は決して驚かない。事情を知らぬ人がこれを読んで社台ファームにお祝いの電話を入れちゃったりしたら、電話を受けた方は驚くだろうけど。

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なぜこんなことが起きるのか。答えはシンプル。必要なチェックがなされていないから。ネットの情報なんてしょせんそんなもの。私はそう理解している。だからこのブログに書いてあることも、あまり信用しないでくださいね。

 

 

***** 2021/5/4 *****

 

 

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