2017年7月25日 (火)

「う」のつく食べ物

今日は土用の丑の日でした。みなさん、ウナギは食べましたか?

母の日の花屋に大晦日の蕎麦屋、そしてクリスマスイブのケンタッキーフライドチキン。それらと同じくらい土用の丑の日の鰻屋さんは多忙を極める。私の母親の実家は鰻屋だったから、それを知らないでは済まされない。夏休みで帰省中だった小学生当時の私も、否応なしに手伝わされた。そんな日に、私ごときの昼食で鰻屋さんの手を煩わせるのは申し訳ないので、私の今日のお昼は神田『釜善』でゴボ天ぶっかけ。鰻丼とはかけ離れた一杯だけど、これはこれで美味しい。

Gobou 

江戸時代の戯作者で、エレキテルの発明者でもある平賀源内が、客の夏枯れに困った鰻屋に頼まれて、「今日は丑の日」という意味の貼り紙を書いて宣伝したところ、思いのほか繁盛したのがそもそもの始まり―――。

土用の丑の日にウナギを食べる習慣については、こんな話がまことしやかやに語られているが、実はこのエピソードには確たる証拠はないらしい。つまり単なる俗説。言われてみれば、たしかに話として出来過ぎの感はある。

立秋前の土用の時季に、夏バテを避けるため栄養価の高いウナギやドジョウ、ナマズといった川魚を食べる習慣は、既に奈良時代から始まっていた。ウナギが手に入らなければ、ウナギに似たゴボウでも良いとされたらしい。京都の夏にハモが好まれるのも、この流れだと主張する人もいる。ともあれ相手がウナギだけに、どうにも捕らえどころがない。

ウナギに限らず、名前に「う」の付くものを食べると夏負けしないという言い伝えもある。もちろん「牛」も例外ではない。丑の日に牛を食べるという風習は明快だ。ということは「馬」もきっと……アリなんでしょうね。これはちと真似できない。

他にも「う」の付く食べ物として、丑の日にうどんを食べるという地方もある。ならば、私が昼に食べたゴボ天ぶっかけは、土用の丑の日に食べるメニューとして相応しくないこともない。そもそもウナギが美味いのは秋から冬にかけて。炎天下に行列してまで食べることもあるまい。むしろ夏バテを助長するだけだ。

ちなみに、この「夏バテ」にも使われる「バテる」という言葉。この語源が実は競馬にあることをご存知だろうか。馬が走り疲れた様子を、競馬用語で「バタバタになる」と言う。これが簡略化されて「バテる」になったというワケ。これは俗説ではない……はずです。

ともあれ馬は人間以上に暑さに弱い生き物。昔は夏バテ防止にドジョウの稚魚を馬に食べさせる厩舎もあったとか。馬に噛まれたドジョウは「チー」と鳴くらしい。怖いですね。恐さのあまり背筋が涼しくなるので、それはそれで助かるけど。

ドジョウはウナギ同様、滋養強壮に効果がある食材ではあるが、それはあくまで人間向けの話。果たして馬の内臓でドジョウが消化できるのかしらん。

 

***** 2017/07/25 *****

 

 

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2017年7月22日 (土)

桃100%

夏の山梨を代表する果物と言えば……

Momo1 

桃ですね。こちらは桃一個まるごと搾ったジュース。手に取った桃を目の前でさっさっと切って、搾り器でぎゅぅぅぅと搾って渡してくれる。見た目以上に果肉感がハンパない。

Momo2 

ジュースを飲みながら出馬表をチェック。今日の佐賀の7レースにピーチプリンセスが出走して2着、明日の福島4レースにはピーチダイヤが出走を予定している。桃を飲みながらだけに「ピーチ」が気になって仕方ない。

ところで、「桃の節句」の例を出すまでもなく一般に桃と言えば女性を象徴する果物でもある。昔ばなしの「桃太郎」では、おばあさんが川で洗濯をしていると川上から大きな桃が流れてくるわけだが、この桃は見ず知らずの土地から流れてきた女性であろう。その“桃”から極めて強い子が生まれたのは、競馬に詳しい人に説明の必要はあるまい。近しい血統だけで交配を続けても、いずれその血統全体が衰退する。そういう時に活力を与えるのは傍流の血。たとえばサンデーサイレンスの母系がそれに近い。すなわち、昔ばなし「桃太郎」は近親同士の結婚を戒める物語である。

なのに今日の佐賀7レースに出走したピーチプリンセスは、父がナカヤマフェスタで母の父がネオユニヴァースであるから、サンデーサイレンスの3×3という近親配合になる。4歳にして未勝利なのはそのせいか?―――なんてワケはあるまいが、ともあれ今日で4戦連続の2着惜敗となってしまった。1勝が遠い。

明日の福島4レースにピーチダイヤも未勝利なのだが、この馬の血統を見ていると「おや?」と思うことがある。

祖母はJRAで4勝の「ナギサ(渚)」。その娘が「ハッピービーチ(幸せの砂浜)」と名付けられたのは、ごく自然な流れであろう。しかし、そのハッピービーチとタートルボウルとの間に生まれた牝馬が、なぜ「ピーチダイヤ(桃+ダイヤ)」という名前になったのだろうか? 血統表を見渡す限り「桃」の唐突感は否めない。冠名ということもなさそうだ。

桃ジュースを飲みながら考える可能性は、「ビーチダイヤ(砂浜のダイヤ)」という命名が手違いで「ピーチダイヤ」になった……といったところか。まあ、馬自身にとってはどうでも良い話。ここ山梨と同じくらい桃の名産地たる福島で、未勝利脱出を図りたい。ちなみに、この桃ジュースは清泉寮の売店で売っています。

 

***** 2017/07/22 *****

 

 

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2017年7月21日 (金)

高原の親子丼

実は昨日から山梨県北杜市に来ている。

Kogen 

避暑―――と書けば聞こえは良い。だが、実際には言うまでもなく「馬」のためにやって来た。なにせこの北杜市は乗馬クラブのメッカ。市内だけで10以上のクラブが軒を並べる。今日もいくつかの乗馬クラブを周り、ついでに養老牧場も見学させてもらった。

Uma 

ただし今日の話は親子丼である。むろん今年の皐月賞の話ではない。八ヶ岳界隈の乗馬クラブ巡りの合間に食べる昼飯は親子丼に限る。そのために訪れる店は『中村農場』をおいて他にない―――そういう話である。

『中村農場』は八ヶ岳や南アルプスに囲まれた標高千メートルの地に暖簾を掲げている。もともとは農業や酪農を生業としていたらしいが、現在のご主人である中村努さんが、奥様と共に地鶏肉と卵の専門農場としたそうだ。20年ほど前に直売所を開店し、その後食堂も作ると、あっという間にその人気は広まり、休日には広い駐車場が満杯になる盛況ぶりだ。

人気はその親子丼。肉も玉子も地元ブランドの地鶏を使っている。抗生物質を与えず放し飼いで育てた鶏は臭みもなく歯応え抜群。半熟状態で出される玉子の黄身は鮮やかなオレンジ色で食欲をそそる。その肉は噛むほどに旨味を増し、ダシを纏った玉子がその味をさらに引き立てる。余計なものは何もない。完成された味が、ここにはある。

Oyako 

夜に訪れるならば鶏一羽を丸ごと味わえる水炊きが良い。〆はうどんか、ラーメンか、あるいは雑炊か。私のことだから真っ先にうどんに走ると思ったら大間違い。やはり王道は雑炊であろう。でも、鶏のダシならラーメンも良いなぁ。あ、いや、やっぱうどんが……と悩みは尽きない。ただし夜は予約が必須。さらに営業時間も日によってマチマチだから注意が必要だ。訪れる際は事前の確認を強くオススメする。

 

***** 2017/07/21 *****

 

 

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2017年7月15日 (土)

千葉にもあった「いずみ食堂」

炎天下の昼下がり、千葉県内でクルマを走らせていたら目を疑うような看板が飛び込んできた。

Kanban 

いずみ食堂―――?

まさか。そんなはずはない。私は木更津市内を走っていたはず。それが、いつの間にか日高の国道235号に来てしまった。だって「いずみ食堂」といえば門別しか有り得ませんからね。あまりの暑さのせいで頭がやられてしまったのだろうか。

Mise 

これは確認せねばなるまい。クルマを降りて暖簾をくぐる。店内はカウンター10席に小さな2人掛けテーブルが2セット。門別とは違う。当たり前だ。それに安堵してメニューを確認。どうやらメインは焼きそばのようだが、それにしても安い。だって今どき350円で食事はできませんよ。写真は肉入りの大盛り。麺は2玉分もある。

Yaki 

見た目はごく普通のソース焼きそばだが、思いのほか美味しい。麺は細め。具は少ないが、そのぶん麺の味をたっぷり楽しめる。ソースの香りは強めだが、しょっぱいということはない。特別なソースなんですかね。

Menu 

メニューに「うどん」と書いてあれば食べる。そう決めているので、焼うどんも追加オーダーしてみた。

Udon 

焼うどんというと、醤油ベースの味付けに花かつおをまぶしたりすることも珍しくないけど、こちらの焼うどんは基本的にソース焼きそばの麺をうどんに替えただけ。ウスターソースが絡んだうどんも美味しい。

お客さんは中学生とおぼしき3人組と若い夫婦。『いずみ食堂』の名の由来は訊いてこなかったが、閑静な住宅街に溶け込んだ店の佇まいは「食堂」の名にふさわしい。地元密着感という点では、門別の『いずみ食堂』に匹敵する。

ちなみに、駅からは遠いのでクルマが無難だが、駐車場は店の真ん前のスペースに1台分と、ちょっと離れたところに2~3台分あるだけ(店舗に案内貼り紙あり)。エアコンもない。最近はネットに書いてある時間より早く店仕舞いしているらしいから注意しよう。それが食堂巡りの流儀だ。

 

***** 2017/07/15 *****

 

 

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2017年7月 9日 (日)

憧れの七夕賞

実は意外な告白をするのだが、七夕賞をナマで見たことがない。

ラジオNIKKEI賞はもちろんある。新潟のアイビスサマーダッシュも、レパードSも、関屋記念も、新潟ジャンプSも、新潟2歳Sも、新潟記念にもしっかり足を運んだ私なのに、なぜか七夕賞に限っては縁がない。なにせセレクトセールと被るのが困る。セールに行かない年もあるが、それは別の用事があればこそ。私と七夕賞の間に流れる天の川は、年に一度の逢瀬すら許してくれなかった。

夏のローカル開催期間の福島・新潟は、私にとって期間限定の“地元”と言うべき存在。なのに地元で行われる重賞を見たことがないというのは、グリーングラスの有馬記念に始まり、今年39年目を迎えている私の競馬歴にとって恥ずべき事実であろう。しかも、よりによって福島競馬のいちばんのハイライトたる七夕賞である。それでいながら「福島のファンは……云々」みたいなことを書きつらねる我が身が恥ずかしい。なので今年こそは―――と秘かに決意を温めていた。

それで朝から私がやって来たのはこちら。おお!「ままどおる」たちのお出迎えだ!

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しかし「ままどとる」はあくまでお土産。まずはJAふくしま「桃の恵み」で乾いた喉を潤すことにしよう。なにせ今日はこの夏いちばんの暑さ。勝負に挑む前に倒れてしまっては話にならない。熱中症を避けるには、桃果汁100%ストレートのこの一本に限る。

Momo_2 

おっと、こちらはNTV「秘密のケンミンショー」でも紹介された福島県民のソウルフード・クリームボックスではないか!

Creambox1_2 

実際に食べてみると……うーむ。これはなかなかインパクトが強い。普通の食パンにどばっとクリーム塗って冷やしたらこんな感じになりますよね。味も食感も見た目通り。これを毎日食べる福島の人は凄い。

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なので昼食はさっぱりと喜多方ラーメン。やっぱ福島といえば、これでしょう。これなら毎日でも食べられそうだ。

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腹ごしらえが終わったところで、ぼちぼち七夕賞の馬券を仕入れることにするか。昨日も書いたように狙いはブライアンズタイムの血。なかでも人気薄のバーディーイーグルとウインインスパイアから勝負だ。

Baken_2 

……とここまで延々と書いてきたけど、残念ながら私は福島に来ているわけではない。まあ、なんとなく分かりますよね。というか、馬券にしっかり場所が印字されてる(笑)

最初のお店は八重洲の「福島県八重洲観光交流館」。いわゆるアンテナショップです。「桃の恵み」は入店時のサービスで頂いた。もちろん「クリームボックス」はこちらで買うことができる。

Shop 

そこから歩くこと5分。昭和通り沿いには『喜多方ラーメン坂内小法師』の京橋店が暖簾を掲げている。たかがチェーン店と侮ってはいけない。午前11時の開店とほぼ同時に、店内の席はすべて埋まった。平日は行列必至の人気店である。

Bannai 

さらにそこから5分も歩けば、いつものココにたどり着く。

Wins 

かように、東京にいながらでも、ある程度の福島遠征気分を味わうことは可能。だがしかし、やはり現場観戦の興奮には敵うまい。今年も七夕賞を見ることはできなかった。競馬歴40年の節目を迎える来年こそ、福島大学吹奏楽団の生演奏によるファンファーレを聴きたいなぁ。

 

***** 2017/07/09 *****

 

 

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2017年7月 7日 (金)

冷麦はどこへ

昨日のひもかわに続いて今日の昼は素麺。『はなまるうどん』チェーンが期間限定で素麺を提供しているというので食べてみた。

Somen 

さほど期待はしていなかったが、なんというか、普通……(笑) 「讃岐では、うどんと同じくらい素麺も親しまれている」とは謳っているけど、それでもやはりうどんにはかなうまい。素麺を食べ終えてから、おろしぶっかけを追加注文しようかと真剣に悩んだ。

素麺や冷麦を外で食べる機会はあまりない。いた、正しくは「外で食べようとは思わない」だろうか。夏休みのお昼に家で食べるモノ―――そんなイメージがある。しかも私が子供の頃は素麺より冷麦の方が圧倒的にメジャーだった。当時は「東日本の冷麦」と「西日本の素麺」という棲み分けがあったはずだが、今や全国的に素麺が幅を利かせている。冷麦派はちょっと肩身が狭い。

ちなみに素麺と冷麦は同じものではない。小麦粉に食塩水を加えてこねたものを、油を塗りながら手で細く延ばしていくのが「素麺」。「冷麦」はこねるまでの製法は同じだが、手ではなく麺棒で薄く打ち延ばして包丁で細く切る。それに油を塗り、最後にまた延ばして仕上げる。

昨日の「ひもかわ」でも登場したJASの規程では「1.3ミリ以下を素麺、それより太くて1.7ミリまでを冷麦」と定めているが、この太さだけの区分けには異論もあるようだ。

素麺は奈良時代に遣唐使が大陸から持ち帰ったとされる。平安時代では既に「七夕に食べると大病にかからない」という言い伝えが誕生していたらしい。ゆえに今日7月7日は「素麺の日」と定められている。

一方、冷麦の登場はそうめんより700年も遅れた室町時代。当時は「切り麦」と総称され、冷やして食べれば「冷麦」で、温めて食べると「熱麦」と呼ばれたそうだ。なお、私が調べた限りでは「冷麦の日」というのは見当たらない。ますます冷麦派の肩身は狭くなる。

錦糸町駅を降りてウインズとは反対側の北口を出て歩くこと1、2分。うどん専門店『しゅはり』は、石臼を使って自家製粉した全粒粉を使ったうどんを提供する人気店だが、こちらではうどんではなく冷麦も選ぶことができる。

Shuhari 

その冷麦は主人がかつて修業した神楽坂の名店『蕎楽亭』仕込み。市販の冷麦とは違い麺にはしっかりコシがあり、しかも小麦の風味がしっかり感じられる。こちらの店はうどんのレベルも高いのだが、冷麦のレベルもそれにまったく負けてない。冷麦目当てという客も多いそうだ。

昔は夏になると、そこらへんの蕎麦屋さんでも「ひやむぎ」のメニューを出していたように思う。だが、最近ではほとんど見かけない。昨日の「ひもかわ」も然り。彼らは絶滅危惧種になりつつあるのだろうか。

 

***** 2017/07/07 *****

 

 

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2017年7月 6日 (木)

鬼ひも川

歌舞伎座の裏手をぶらぶら歩いていたら、「うどん」と大書きされた看板が目に入ってきた。

その名も『五代目・花山うどん』。群馬の名物「ひもかわうどん」の専門店らしい。ひもかわと言えば、うどん日本一を決める「U-1グランプリ」で3連覇を果たした「うどん界のグラスワンダー」とも言うべき存在。その特徴は、5センチはあろうかというその麺幅にある。

Oni 

厳密には「鬼ひも川」と呼ぶべきであろう。JASでは幅4.5ミリ、厚さが2ミリ未満の帯状に成形した麺を「きしめん」もしくは「ひもかわ」と呼べると規程している。「鬼ひも川」は広義の「ひもかわ」の進化系に過ぎない。実際、『花山うどん』では8年もの歳月をかけて改良を重ね、ついに商品化にたどり着いたという。実際食べてみると、薄さの割に腰がしっかりしている印象。独特のモッチリとした食感がたまらない。

「ひもかわ」そのものは昔からあった麺である。蕎麦屋に入れば、メニューに「そば・うどん・ひもかわ」と書かれており、そこから好きな麺を選ぶことができた。そばとうどんの二極化の波に飲まれるように、蕎麦屋のメニューから「ひもかわ」の文字が消えて久しい。

ゆえに世間では、この「鬼ひも川」のこそが「ひもかわ」だと誤解しているフシがある。

いまだに「そば・うどん・ひもかわ」のメニューを掲げている老舗の蕎麦屋などで、ひもかわを注文した客が、「これはひもかわじゃなくて、ただのきしめんだろ!」と文句を言うこともあるらしい。客の方は幅5センチのベラベラの麺を期待しているのだろうが、前出の規程に従えばたとえ4.5ミリ幅であっても立派なひもかわ。自身の誤解の捌け口を、店にぶつける行為は控えたい。

先日も紹介した水道橋の立ち食い蕎麦店『とんがらし』でも、麺は「そば・うどん・ひもかわ」の三種から選ぶことができる。

Himokawa 

こちらはそのひもかわ。幅は7~8ミリといったところだろうか。むろん「ひもかわ」を名乗ることになんら問題はない。

そんなことより、この店ではてんぷらを楽しもう。厨房の奥からご主人が揚げたばかりのてんぷらが運ばれてくる。それを奥様が箸で取って丼に乗せるたび「シュー」っという音が聞こえる。揚げたてでなければ聞こえない音。この音が既に美味しい。あとはヤケドに注意しながら一気に食べよう。うどんも美味しいが、ひもかわも美味しい。

 

***** 2017/07/06 *****

 

 

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2017年6月27日 (火)

馬の街のうどん

今日は大井競馬場で重賞・優駿スプリントが行われるが、日中は野暮用で日本橋小伝馬町にいた。「デンマ」と言っても出馬表をさす業界用語ではない。実際には「伝馬」と書いて「テンマ」と読む。

Kodenma 

「伝馬」とは、人や荷物を馬に乗せ、次の宿駅や目的地まで運んでいく江戸時代の制度のこと。かつてこの界隈は北に向かう伝馬の出発地で、より多くの馬を準備していた町が「大伝馬町」と、少ない方が「小伝馬町」と名付けられた。ゆえに「伝馬町」という地名も、全国各地に見ることができる。かつてはそんな町に隣接するように馬の市が立った。そこに馬喰さん、すなわち馬の仲介業者が住んでいたから「馬喰町」である。馬喰横山駅の構内に馬の像が設置されているのはそのためだ。

Bakuro 

現代では馬喰さんに代わってサラリーマンが働く街になった。ゆえにこの界隈には立ち食いそばのお店がやたらと多い。

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日比谷線小伝馬町駅近くの『稲庭 饂』は、その名の通り稲庭うどんの専門店。店の外からだと一見立ち食いスタイルに見えるが、カウンターには椅子があるので立ち食いではない。本来は高級品であるはずの稲庭うどんを、気軽に楽しめることから、朝9時の開店時から店内はお客さんで賑わっている。

Ina2 

店を出て日比谷線に沿って人形町駅方面に歩くこと5分。以前は馬喰町に暖簾を掲げていた讃岐うどん専門店『ちょうさ』が、今年からこちらに移転して営業を再開している。「讃岐の味そのもの」と評判の高かったその味は、馬喰町当時と変わらない。

Chosa1 

タイミングが合えば、打ち立て、茹で立てに巡り合うことができるのだろうが、今日はちょうど昼時の入店。茹で置きは仕方ない。それでもなお小麦の芳香は豊かで、もちもちの麺は喉越しも抜群。讃岐の底力を感じる一軒だ。讃岐直送のタコの天ぷらと合わせるとなお美味い。

Chosa2 

店名の「ちょうさ」は聞き慣れぬ言葉だが、観音寺市のお祭りに登場する太鼓台とのことらしい。祭りでは、金糸の刺しゅうに彩られた何台もの「ちょうさ」が街中を練り歩くのだという。香川人にしか分からない言葉だけに、店名を見て暖簾をくぐる香川出身のお客もいるとのこと。まさに東京にある讃岐ですね。さあ、お腹もいっぱいになったことだし。大井に行こう。

Chosa3 

 

***** 2017/06/27 *****

 

 

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2017年6月26日 (月)

ちくわパンを食べよう

先日、セイコーマートで「ようかんツイスト」なる珍しいパンを買ったことを書いたが、北海道ではこんなパンも売られている。

Secoma 

「ちくわパン」ですね。今回は千歳に降り立ってからずっと探していたのだが、なかなか見つけることができず、ようやく苫小牧駅近くのセイコーマートで手に入れることができた。品切れしやすい人気商品なのか、あるは不人気のあまり仕入れが抑えられているのか分からないが、ここではとりあえず前者であると信じたい。

Danmen 

こちらが断面。ちくわの穴の中にはツナマヨが詰め込まれている。なので味はツナサンドに近い。しかし、そこにやや歯ごたえに優るちくわが加わることで、食感的な美味しさがプラスされている。

私はこの「ちくわパン」というのは北海道だけのローカルフードだとばかり思っていたのだが、最近では道外でも見かけるようになった。こちらは東京・大手町で見かけたちくわパン。だがその穴にみっちりと詰められているのはツナマヨではない。なんと明太マヨだ。

Mentai 

しかし、これは少々反則ではあるまいか。明太マヨはちくわに合う。パンにはもっと合う。それなら美味くて当然。セイコーマートのちくわパンとは別物として扱うべきかもしれない。

水天宮の近くに店を構える『サンドウィッチパーラー・まつむら』でもちくわパンを出している。創業大正10年。まもなく100周年を迎えようとしている老舗のパン屋さんのちくわパンがこちら。

Dog 

半分に切られたちくわの下には、ツナマヨが敷き詰められているから、味はセイコーマートのそれに似ている。だが、こちらで使われているパンはご覧の通りのドッグパン。ゆえに名前も「ちくわドッグ」となっている。北海道のちくわパンと違い、ちくわが完全に露出している分だけちくわの印象が強い。そう思って食べるからか、食味もちくわに偏る印象を受ける。とはいえ、これはこれでもちろん美味い。

東京でもちくわパンは売られているが、その認知度、浸透度という尺度で見れば、やはり北海道には敵うまい。組み合わせの妙と美味しさの為せる業。それなら道外に広がるのも頷ける。そういえば最近、大阪で「チクワッサン」というちくわパンが発売されて話題になっているとも聞いた。これもぜひ食べてみなければ。

 

***** 2017/06/26 *****

 

 

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2017年6月21日 (水)

脂身賛歌

「身体に悪そう」

「ゴムのような食感が苦手」

「アブラっぽくって胸焼けする」

かように豚の脂身を嫌う人は少なくない。ロースカツやポークソテーを注文しておきながら、脂身だけを残す人もいるほど。そのためお店によっては、わざわざ脂身を切り落としてから調理するところもある。

その一方で、豚肉でもっとも美味しい部位は脂身だと信ずる人もいる。実は私もそのひとり。だが、それはしかるべき調理が為されての話。脂分はしっかりと抜きつつ、それでもゼラチン質は溶け出さないように―――。それがあって初めて脂身は輝くことができる。

その上で、こちらの一皿をご覧いただきたい。

Pork 

むかわのレストラン『プラドジュール・イクタ』の道産豚のグリル。どうです。壮観な眺めでしょう。

先にお断りしておくが、こちらは定番メニューではない。ゆえにいつもあるとは限らない。その日はたまたまあった。んで、それをたまたま頼んだ。そしたら大当たりだった。そういう話である。

ひときわ目を引くのは、ホタテの貝柱のごとき巨大な脂身。その輝く光沢は、豚肉とは思えぬほど美しい。もちろん敢えてこの大きさで提供している。それは「ぜひ脂身を味わって欲しい」という店側の思いの証。アツアツのうちに、できれば最初のひと口目でガブッと行ってしまおう。

官能的な食感。のちに訪れる深い旨味。「脂身の概念が変わった」。脂身が苦手というお客さんは、たいていそう言って驚くらしい。そりゃそうだ。脂身が好きだという私だって驚く。

お店の奥様は「バター代わり」という表現を使った。なるほどパンが進む。だからと言ってアブラっぽいわけでもない。これがグリルの為せる業。トンカツでは、ここまできれいに脂が落ち切らないこともある。

むろん肉本体の方も負けてない。淡いロゼピンクの肉は厚さ3センチはあろうかという重量感。しっかり噛み応えがあるのに、肉質は柔らかでアゴが疲れることもない。ぎゅっと噛み締めると濃厚な肉汁が溢れ出し、旨味が口いっぱいに広がった。

Ikuta 

「こんなお肉を普段から食べているご主人が羨ましい」

つい、そんなことを口走ってしまった。しかしながら、ご主人も奥様もほとんど食べたことがないのだという。味見をするにしても、ほんのひとかけら。それで十分味は分かる。しかもご主人は常に空腹状態でお仕事をなさっているらしい。その方が「美味しくしたい」という欲求が無意識に働くし、いきおい分量も多くなる。だからサラダもご覧のボリューム。お客さんに「足りない」と思われることだけは、絶対に避けたいのだそうだ。

Salad 

かように今回は豚肉に打ちのめされたが、常連さんによれば鶏肉料理も絶品なのだとか。なぜか。実はご主人、焼き鳥屋さんも経験なさっているらしい。ならば鴨などは最高であろう。次に訪れるべきは冬だな、こりゃ。

 

***** 2017/06/21 *****

 

 

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