2017年5月24日 (水)

じゃがいも三昧

ホテルウイングインターナショナル千歳内のレストラン『ゆめぜん ぽてと』には、「ぽてとのポテトフライ」という一風変わった名前のメニューがある。

Potato1_2 

ご覧の通り、その正体はごく普通の皮付きのポテトフライ。使用するのは甘みの強い北海道産のキタアカリで、包丁ではなく手で割ってから揚げるらしい。そのひと手間で味が変わるそうだ。言われてみれば、たしかに食感が違う。「カリッと感が増している」と書けば近いだろうか。

さて、ホテルを出て数分。地元住民に愛され続ける居酒屋『あし彩』が暖簾を掲げていた。

新千歳空港内に勤める友人に連れてきてもらったのは、もう20年も前の話。当時は安くて美味いのに空いてるだけの(?)、単なる穴場的一軒だった。だが、ミシュランガイド北海道版にビブグルマンで紹介されてからというもの、状況は一変。いまや、わざわざ道外から訪れる客もいる人気店である。まあ、私もその一人ではあるのだけど、それでもクオリティが大きく落ちなかったことは、せめてもの救いであろう。

店の看板メニューは、新鮮な真ツブや、白老牛のサイコロ焼きなのだが、私のお気に入りは当然コチラ。

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「じゃが芋の乱れ揚げ」は、一口大に切ったジャガイモの素揚げに過ぎないのに、なぜかこれがことのほか美味い。その大きさに秘密があるのか、塩加減が絶妙なのか、あるいは店主が特別な訓練を施したジャガイモなのか、その辺りは謎のままだが、地元客のほとんどが注文しているところを見れば、私一人が美味い美味いと騒いでいるわけではあるまい。ジャガイモの素の味がストレートに伝わってくる逸品。ミシュランが目を付けるのも頷ける。

Menu 

帰途に新千歳空港の土産店「カルビープラス」をチラッと覗いてみたら、ポテトチップスの袋はひとつとして置かれてなかった。昨年の水害の影響で、ポテトチップス用のジャガイモは供給不足が続いている。そんな状況下でポテトフライを思う存分味わえる幸せを噛み締めたい。

そんなわけで、羽田に降り立つや大井競馬場に直行。脇目もふらずにLウイング1F『東京ロテサリー』に向かい、ポテトを注文した。

この店ではトッピングソースを選べるシステムになっているのだが、私はそれを断ることにしている。ケチャップさえ必要としない。チキンから滴り落ちた脂をたっぷりまとったジャガイモをひと口頬張れば、口の中で旨味と甘味が激しくせめぎ合う。この店のジャガイモとて、いた品薄になるか分からぬ。そう思うと、余計に美味い。

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ところで、冒頭の「ぽてとのポテトフライ」を、同じ系列ホテルのポテトサラダウイング苫小牧でも出してもらえないだろうか。来月はそちらに泊まることが、既に決まっている。一流のフレンチより、一皿のポテトフライの方が私にはずっと嬉しいのだが……。

 

***** 2017/05/24 *****

 

 

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2017年5月19日 (金)

夏は冷やして

今日の東京は夏日。だが明日以降はさらに暑さが増すらしい。まだ5月。とはいえ馬主エリアも例年より1か月早く、今月からクールビズ期間に突入した。細かい条件はあるが、原則としてノーネクタイ&ノージャケットでも入場が認められる。だがしかし、日本ダービー当日だけは話は別。ダービーの格式にクールビズはそぐわない。

ともあれ暑くなれば冷たい麺が恋しくなるのは日本人の性(さが)であろう。最近の流行は、キリっと冷えた太打ちの日本そばを、たっぷりのネギや牛肉と一緒に辣油を聞かせたツユで食べるスタイルだ。これを最初に広めたのは、虎の門の『港屋』。昨年、その支店が大手町にオープンした。その名も『港屋2』。話題のホテル「星のや東京」の1階部分にある。

だがこの店、きっと初めての客は戸惑うに違いない。なにせ店の入口からしてどこにあるのかは謎に包まれている。それをここで説明してしまうと面白味が半減してしまうから、敢えて書かない。メニューは「冷たい肉そば」(1000円)のみ。しかも店では千円札しか使えない。高級ホテル内にありながら本店と同じ立ち食いスタイル。なお、店には冷水の準備がないので、ペットボトル入りのお茶やお水を持参することをおススメする。

Minatoya 

東京競馬場スタンド2Fにオープンしたばかりの『KASUYA(かすや)』でも、さっそく冷やしメニューが始まった。

まずはふつうの「冷やしうどん」(500円)。

Hiya1 

ツユは「かすうどん」のものとは違って、しょうゆベースの関東風。そのツユも麺もキンキンに冷えているのが特徴と言えば特徴だが、味は想像の域を超えるものではない。

続いて「冷やし肉盛りそば」(700円)。

Hiya2 

こちらは冷たい昆布ベースのダシに冷たいそば。そこにお肉が投入されているから、どうしても脂肪分が固まってツユに浮いてしまう。そんな見た目を別にすれば、じゅうぶんに美味い。しかしやはり麺とツユの冷えっぷりが半端ない。奥歯がキーンと悼む。食べ終えるなり近くの給茶機へと走り、珍しく温かい緑茶を飲んだ。

そんなこともあって、今度は「肉盛りかすそば」(900円)。

Nikumori 

こちらは冷やしメニューではない。レギュラーの温かいメニュー。しかし、そこはさすがレギュラー。思わずうなるほどの安定感がある。お肉にせよカスにせよ温かい方が旨味が増すもお。夏本場に向け“冷やし”に相応しいメニューを探したい。

 

***** 2017/05/19 *****

 

 

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2017年5月16日 (火)

つかむ運、避ける運

話は昨夜にさかのぼる。

Saba 

馬券仲間と銀座『保志乃』で飲んだ。一流の味を銀座らしからぬ値段で楽しめる、知る人ぞ知る名店。巷のアニサキス騒動など怖れるに足らぬとばかりに真サバの刺身を〆張鶴で流し込みつつ、週末に迫ったオークスについて激論を交わしたのである。旨い肴に旨い酒、そして楽しい話題。酒席にこれ以上求めるものなどあるまい。まだ浅い時間ではあったが満足して店を出て、銀座駅でその相手とも別れた。

問題が起きたのはそのあとである。

半蔵門線と田園都市線のダイヤが大幅に乱れている―――。そんなアナウンスが耳に入った。どうやら青葉台駅で人身事故があったらしい。

「そうか、今日は月曜か……」

実際のところは自殺ではなかったのだが、その場では詳しい事情は分からぬから「月曜日の呪い」に文句を言いつつ、日比谷線へのホームへと急いだ。ひとまず中目黒に出て、東横線から大井町線に迂回した方が早い。

ホームに下りると、ちょうど中目黒行きがやってきた。これはツイている。しかもたまたま空席がある。ラッキーとばかりに腰を下ろし、ひと息ついた途端、けたたましいブレーキ音とともに、電車が急ブレーキをかけた。「キュウテイシャシマス。キュウテイシャシマス」という機会音声が繰り返される。

直前の車内アナウンスに凍りついた。私の乗ったこの電車が、日比谷駅入線時に人身事故を起こしたのだという。

毎日電車のお世話になっていれば、人身事故に遭遇するかもこともある。私自身は生涯三度目。ただし、人身事故を避けて迂回乗車した電車が人身事故を起こしたのは、さすがに初めてだ。空席に「ラッキー」と喜んでから一転、運転再開までは早くても1時間はかかる。これは運が悪い。ため息をついて、しばし「運」というものについて考えた。

運は「つかむ」と「避ける」に大別される。思わぬ空席は前者の例。人身事故は後者であろう。

競馬関係者の運は「つかむ」が主体のはずだが、かつて「避ける」運に関して驚異的な強さを発揮した調教師がいた。シノクロスなどを管理された故・西塚十勝調教師がその人。なんと、生涯で三度に及ぶ大難をわずかのところで免れているのだから、稀有な強運の持ち主と言うはしかない。

最初の命拾いは1954年9月26日。函館にいた西塚さんは青函連絡船の切符を持ってはいたのだが、宴席が長引いてついつい乗船を逃してしまう。しかしその連絡船こそが「洞爺丸」であった。おかげで死者不明1155人を出す「洞爺丸事故」を免れたのである。

二度目は1971年7月3日の札幌。西塚さんは空港に駆け付けたものの、またも搭乗便に乗り遅れた。その飛行機「ばんだい号」は、飛び立って間もなく函館近郊に墜落。乗員・乗客68人全員が死亡するという「ばんだい号事故」を、またもやすんでのところで回避した。

三つ目は1982年2月8日未明の赤坂。定宿にしているホテルにチェックインした西塚さんは、ぶらりと出かけた新宿で盛り上がり、午前様でホテルに戻った。するとホテルは火の海。死者33人を出した「ホテルニュージャパン火災」である。西塚さんは、そのときになってようやく「つくづく運が強い」と思ったそうだが、私ならもっと前にそう感じたに違いない。

日比谷駅の人身事故は迅速な救助作業が功を奏してか、「負傷」で済んだようだ。事故発生から25分で電車は運行を再開。1時間以上のカンヅメを覚悟した身としては、「運が良い」と思わざるを得ない。しかし帰宅したら、アニサキスによる激痛が……なんてコトもなく就寝。いくら私でも、そこまで運は悪くない。

ちなみに西塚調教師は通算重賞11勝。「つかむ」方の運の数はそれほど多くはなかったものの、1950年のオークスをコマミノルで勝っている。

 

***** 2017/05/16 *****

 

【後日追記】

ギムレット様からのコメントで、さらにもうひとつ、関東大震災でも危うく難を逃れたエピソードがあったことを知りました。“強運グランドスラム”ですね。凄いです。

 

 

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2017年5月15日 (月)

魅惑の小龍包

春日部に住まう父親に会うために足を運んだのだが、春日部駅到着が約束の時間より1時間ほど早い。そんならどこかで昼メシでも食うべとあたりをぶらぶら歩いていると、見覚えのない中華料理店が目に入ってきた。

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『龍香』と書いて「ロンシャン」と読むそうだ。どんな店だか分からぬが、「ロンシャン」と聞けば入らねなるまい。

店内の貼り紙を見る限り小籠包がひとつのウリらしい。なので担々麺と小籠包のセットを注文。13時過ぎだというのに、店内はほぼ満席。人気店なのであろう。

Shoronpo1 

小籠包って昔はそれほどメジャーなメニューではなかったですよね。私自身子供の時分に食べたという記憶はない。そもそも当時の春日部には小籠包を出す店などなかった―――。いや、あったのかも知れないが、それを前面に押し出してはいなかった。

たしか20年ほどの大井に「ショウロンポウ」という馬がいたはず。小籠包のごとき白い芦毛馬。ともあれ馬名に使えるということは、すなわちメジャーではないことの裏返しである。「ギョーザ」とか「シューマイ」では、馬名として認められる可能性は少ない。

大学生になった私が初めて小籠包を口にしたのは、半世紀の歴史を誇る大門の名店『新亜飯店』。知人は「餃子と肉まんの間のようなもの」と言って私を誘ってくれたのだが、その旨さは餃子や肉まんのそれを遥かに凌ぐ衝撃的なものだった。

驚いたのはその艶やかな皮から溢れ出すスープである。なぜこんな薄い皮にスープごと包むことができるのであろうか?

その答えは単純であった。小籠包は豚の皮の煮こごりを混ぜ込んだ肉のあんを小麦粉の皮で包んでいる。蒸すと煮こごりが溶けてスープになるのだと『新亜飯店』の方は親切に教えてくれた。そんな縁もあり、今でも大井競馬に行く前、あるいは大井からの帰りにしばしば立ち寄る一軒となっている。

Shoronpo2 

春日部『龍香』の小籠包も餡はしっかりと味付けされており旨い。もう少し皮が薄くてアツアツだとなおよし。まあ、この辺はランチタイムだから仕方ないののかもしれない。

競馬場に餃子と小籠包の専門店があれば……と思う。10年前から競馬場で餃子専門店開業を目論むIカメラマンに於かれては、開店の暁にはぜひ小籠包をメニューに加えることを検討頂きたい。

 

***** 2017/05/15 *****

 

 

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2017年4月23日 (日)

かすうどんがやって来た

開幕週の競馬場には新たな発見もある。フジビュースタンド5Fレストランエリアの『トラットリア デラ・コルサ』の跡地が「UMAJOスポット」になって驚いたりもしたが、まずはこちらのお店。

Kasu 

当ブログのコメント欄にギムレット氏から情報をお寄せいただいた『KASUYA』です。

大阪ではポピュラーな「かすうどん」のお店を東京で見かけるようになったのは、この数年のことであろう。それでも新橋の『みなと屋』のように、いつの間にか閉店してしまう店もなくはない。その理由は様々あろうが、東京における認知度の低さもひとつの要因であろう。そういう意味では、かすうどんを世間に広めた『KASUYA』の東京競馬場進出は、いろいろな意味で期待が広がる。

Udon1 

東京の人間からすれば、やはり「かす」という語感に抵抗があるのだと思う。だって“カス”ですからね。しかし実際には牛の小腸を油で揚げたもの。「油かす」とも呼ぶらしい。外はカリッとしていいながら、中はホルモン特有のぷるぷるとした食感。しかも旨味たっぷり。なのに脂っこさやしつこさはあまり感じない。なぜだろう。理由を尋ねると「よーく揚げて油を抜いてあるから」という答えが返ってくるのだが、揚げたら余計に脂っこくなりそうなものだ。まあ、私としては美味ければどうでも良いのだけど。

Udon2 

かすの脂をまとったうどんは留保なく美味しい。旨味が溶け出たダシも、美味しいからつい最後まで飲み切ってしまう。そういう観点からすれば、このカップの形状はダシを飲み干すのには向いているかもしれない。でも正直、うどん一杯としての物足り無さは起こる。競馬場の食べ歩きルーティンの中において、この一杯をどのような位置付けに置くべきか。各人、思案のしどころであろう。

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もうひとつ、ホルモン丼も頼んでみた。地方競馬で見かけるホルモン丼は、汁っぽい煮込みをジャバッとごはんにかけた代物だが、こちらのは濃い味付けのホルモンがどさっとご飯に載せられて出てくる。これも美味い。

Menu 

ただ気になったことがひとつ。実は『KASUYA』は阪神競馬場にも出店しているのだが、以前そこで食べたかすうどんは確か一杯500円ではなかったか―――?

それで調べてみると、やはりその通り。しかもホルモン丼も阪神では600円ではないか。なぜ東京は100円増しにしたのか。

ひょっとしたら、今ごろ阪神競馬場の店舗でも値上げが実施されているのかもしれないが、東京にかすうどんを広めるという期待を寄せているだけに、画竜に点睛を欠いている気がしてならない。

出店場所はフジビュースタンド2階東側。メモリアル60スタンドとの連結通路付近で、以前はハンバーガーの『ロフトハウス』があった場所。正直言ってあまり良い立地とは言えないのだが、かすうどんがどれだけお客さんを集めることができるのか。注目していきたい。

 

***** 2017/04/23 *****

 

 

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2017年3月30日 (木)

明太三昧

その体型に違わず高い尿酸値を誇る私。いまのところは「予備軍」で済んでいるが、いつの日かあの恐ろしい痛風を発症してしまう可能性はある。だからここ数年の間、魚卵を断つとは言えないまでも、できるだけ控えてきた。中でも好物のタラコ(むろん明太子も)は魚卵の中でもプリン体含有量が高い。なんと筋子の10倍もあるという。こりゃダメだ。

しかし、最近になってプリン体と尿酸値の因果関係がさほど大きくないことが明らかになったらしい。そも尿酸値の「標準値」も単なる目安に過ぎず、標準値内であれば痛風を発症しないという保証があるものではないそうだ。

そんな話を聞いたせいかどうかは知らぬが、ここ数日とあるメニューばかりを食べ続けている。きっかけは大井競馬場内『つるまるうどん』で食べた「かきたま明太うどん」だった。

もとより私は「かきたまうどん」に目がない。たとえ食後であっても、メニューが目に入れば食べる。それに明太子? いったいどういう味がするのだろう―――。そんな興味が痛風の恐怖に勝った。

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結果から言えば「明太子感」が薄い。明太子の粒がうどんに絡まないのである。うどんを食べたあとの汁には大量の明太子が残った。若干の生臭さも気になる。明太子そのものは美味しいんですけどね……。

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それで美味しい明太うどんを食べたいと思ったのか、翌日からうどん店でメニューを選ぶ時に自然と明太子系を選ぶようになった。まずは『水道橋麺通団』の「めんたいしょうゆ」。明太子を乗せた冷たいうどんに、だし醤油をかけていただく。

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念入りに混ぜて麺に醤油と明太子をしっかりと絡めて食べる。美味い。冷たいせいか、あるいは醤油のせいか、生臭さもあまり感じない。

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同じ店の「めんたま」にも挑戦。えー、ちなみに別日ですからね(笑)

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釜玉うどんに明太子とバターを絡めて食べる。玉子に卵という組み合わせ。なのにそのまろやかな味わいは、足し算以上の効果がある。明太子と麺の絡まり具合は「めんたいしょうゆ」の比ではない。

こうなったら、釜玉+明太子の組み合わせを片っ端から食べてみたい。こちらは日本橋の『ほし野』の「釜玉(明太バター入り)」。

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やはり相手が釜玉だと明太子の混ざりが抜群にいい。しかも味がまろやかになる。淡いピンク色に輝くうどんの美味いこと。

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新宿『慎』でも釜玉に明太子をトッピングしてみた。TV番組「アメトーーク」で明太子芸人が絶賛したうどんですね。混ぜたところを撮ることも忘れて食べ進めてしまうほどの美味さ。

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玉子ではなく大根おろしでも良い。大手町の『山長』の日替わりうどんにも明太子が使われていた。

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最後に淡路町『釜善』の「明太クリームうどん」を紹介せぬわけにはいかない。

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「明太クリーム」というとパスタを思わせるが、最近ではうどんでも珍しくないメニューとなっている。ただ、これまで好んで食べることはなかった。やはりそこはスパゲティで食べるべきではないか。そんな固定観念があったのかもしれない。だが、これは美味かった。生臭さは皆無。明太子の旨味だけが際立つ。そしてちょっとした辛味。そこに『釜善』自慢のダシの風味が相まる。美味くないはずがない。

明太子に限らず、カズノコ、イクラ、カラスミ、そして卵ではないがフグの白子。これの食材が言い様もなく美味であるのは、その一粒一粒に生命そのものが凝縮しているからであろう。耐え難き痛風の痛みは、それを頂く人間への、天が与えた代償なのかもしれない。

 

***** 2017/03/30 *****

 

 

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2017年3月 3日 (金)

ちらし寿司を食べよう

ひな祭りなので、今夜は自宅でちらし寿司を作った。ひな祭りにちらし寿司を食べる風習の由来は諸説あってこれだというものはないらしいのだけど、それはそうとして、ちらし寿司を食べる機会は多い。うどんほどの自覚はないのだけど、きっと好物なのだろうと思う。

Sushi 

「握り」といえば全国どこで食べても同じスタイルであるのに対し、「バラちらし」「吹き寄せちらし」「よろずちらし」など全国各地、あるいは個々の店によって種々様々なバリエーションが存在するちらし寿司は、ある意味で寿司店のアイデンティティーのひとつであるに違いない。

「ちらしは握りより格下」と蔑み、あたかもダートグレードレースにおける地方馬の如くハナから相手にしないという態度を取る人も中にはいる。だが、ちらしは「シャリを食わせる」と言われるだけあって、ちゃんとした店なら特別仕様のシャリを作るし、ネタの味がシャリに広く深く浸透するよう、ネタにも工夫を凝らしたひと手間をかけるものである。ちらし寿司に代わって強調しておくが、決して格下などではない。

「ちらし寿司」というのはシャリの上に様々なネタを散らした寿司の総称で、「ばら寿司」は「ちらし」とほぼ同じだが、食べる前にシャリとネタをよく混ぜる(ばらす)ものを指すそうだ。西日本では、家庭で作るのは「ばら寿司」で、店で供されるものを「ちらし寿司」と使い分けたりするが、そう聞けばそれも頷けるものがある。

ところで、私は江戸前のいわゆる「生ちらし寿司」というものを好んで食べることはない。シャリの上に大きなネタの切り身がただズラズラと並べてあるのが苦手なのである。刺身でご飯を食べたいなら刺身定食を頼めば良いのだし、酢飯にこだわるなら握ってもらえば良いと思ってしまう。

シイタケのみじん切りを混ぜ込んだシャリに金糸卵を敷き、きゅうり、エビおぼろ、酢ジメした小肌や春子、蛸の桜煮、そして焼き穴子といった具材を彩りよく飾ったもの。これぞ「散らし」であろう。本来、寿司の美味さというのは、混ぜたり、押したり、締めたりするところから生まれるのであるから、敷き布団(シャリ)の上に掛け布団(切り身)を敷き詰めるだけでは足りない。

ひな祭りになぜちらし寿司を食べるのかは分からぬ私だが、個人的に花見に合う料理といえばちらし寿司がナンバーワンだと思っている。煮切った赤ワインを混ぜて、桜色のシャリに仕上げると見た目も楽しい。今週は弥生賞。桜の開花も、もう間近だ。

 

***** 2017/03/03 *****

 

 

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2017年2月28日 (火)

博多から小倉へ

先月、皇居の脇に竣工したばかりの大手町パークビルディング。

Buil 

その地下に広がる商業エリア「よいまち」がグランドオープンとなり、物見遊山で足を運んでみると、「うどん」と書かれた巨大な提灯が目に飛び込んできた。

Chochin 

『二○加屋長介』。一見読みづらいその店名は「にわかやちょうすけ」と読む。博多の方はご存じであろう。彼の地で大人気のうどん居酒屋。昨年秋に中目黒店がオープンした時は一部のうどん愛好者の間で、「ついに東京上陸!」と話題になったこともまだ記憶に新しい。その勢いは留まるところを知らず、ついに東京のど真ん中、大手町1丁目1番地1号にまで勢力を広げてきた。

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お店のスタッフがオススメだというゴボ天うどん。赤く写っているのは干しえびの天かすで、テーブルの上に用意されているものを好みで投入することができる。うどんは博多王道のふわふわ、やわやわ。オープン初日ということで、多少の混乱も覚悟していたのだが、そんな心配の必要はなかった。スタッフの皆さんも慣れた感じでテキパキと動いている。夜営業になったら、そうもいかないかもしれないけど。

店を出て腹ごなしに歩く。10分ほどでたどり着いたのは神田小川町の豊前うどんの専門店。その名も『武膳』さん。

「博多うどん」に比べれば、「豊前うどん」はまだまだマイナーな存在かもしれない。発祥は北九州市の小倉南区。独自の製法で作られた麺はモチモチかつツルツル。そののど越しの爽快さたるや半端でない。店のメニューには「讃岐、稲庭に続く第三の麺」と書かれている。たしかにそのどちらとも一線を画すこの麺を前にすれば、あながち大袈裟な表現ではなかろう。

Buzen 

博多から小倉へのうどん巡り。それを東京にいながらして味わえるのだから、良い時代になった。でも現地で食べ歩く楽しさとは比較になるまい。いつの間にか冬の小倉開催も折り返しに差し掛かっている。中山にも行けぬ身とあっては、小倉など夢のまた夢だ。

 

***** 2017/02/28 *****

 

 

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2017年2月26日 (日)

シャッターとスペアリブ

たまには家族を食事に連れ出さないと、家長としての威厳が保てないどころか、家を追い出されかねないので、近所の『シャッターズ』を訪れた。

Shutters1 

ご存じのように、スペアリブとアップルパイ・アラモードで知られた店。ちょっと変わった店の名は、「たくさんの仲間と美味しい料理を囲んで、シャッターを何度も切るような思い出を残して欲しい」との思いから付けられた。すなわち、店舗のシャッターではなく、カメラのシャッターに由来する。

ところで、案外知らぬ人も多いのだが、競馬のゴール写真判定用のカメラにシャッターはない。いわゆる「スリット式」と呼ばれるカメラである。ごく簡単に説明すると、フィルム面の前に縦のスリットを設け、これをゴールラインの延長線上に固定。フィルムを馬の速さに比例して動かすと、決勝線に到達する順に各馬が写る仕組みになっている。

実は大昔の判定用カメラにはシャッターがあった。ゴールの瞬間に秒間数十コマという高速連写が行われていたのである。だが、より正確な判定のために連写速度を速めた分、使用するフィルムが長くなってしまい、現像に時間がかかるようになってしまった。着順確定が遅れるとファンが暴れることもある。なんとか短いフィルムの中に全馬のゴール画像を写し込むことはできないか。試行錯誤の末に生まれた特殊なカメラが、シャッターなしのスリット式カメラだ。

Deadheat 

ところがそれでも限界はある。問題となったのは1983年のオークス。勝ったダイナカールを含む5頭の馬が、ほぼ横一線となってゴールになだれ込んだあのレースである。重なりあった馬のゼッケン、判別できない勝負服や帽子の色、すべてが白黒写真の限界を示していたという。現在のような判定写真のカラー化が実現したのは、それから13年が経過した1996年。ダイナカールの娘エアグルーヴが、オークス母子制覇を達成した年であった。

Shutters2 

ところで、ビールには黒コショウ味のスペアリブがベストマッチだと思うのだが、圧倒的1番人気は醤油味だという。私は醤油味だと白飯が食べたくなってしまう。困ったもんだ―――というほどのことではないですけど。

 

***** 2017/02/26 *****

 

 

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2017年2月19日 (日)

勝つカレーを求めて

共同通信杯当日の東京競馬場。お昼に『はなまるうどん』の行列に並んでいたら、こんなメニューが目に入った。

Hanamaru1 

巷の『はなまる』でこのメニューを見たことはない。競馬場ならではか。ともあれ、食べようと思っていた「鳥天うどん」はやめて、「勝つカレーうどん」に変更。湯がいた麺を丼に移し、『はなまる』自慢のダシを丼に半分ほど注ぎ、鍋からすくったカレーがたっぷりとかけられたのち、やおらトンカツを載せて手渡される。それがこちら。

Hanamaru2 

カレーはいわゆる「家庭のカレー」。ごろっと大ぶりに切られたニンジンやジャガイモが普通に美味しい。カツも意外にしっかりしている。これで600円なら悪くない。

すると珍しいことに、午後の馬券成績がことのほか良かった。ひょっとしたら、「勝つカレー」のご利益かもしれない。それで昨日の東京競馬場でも同じものを食べようと『はなまる』に向かったら、なんと「勝つカレーうどん」はないという。売り切れではない。今日はハナっからやってないというのである。そんなコトってあるのか? 

ないものは仕方ないので、並びの『鳥千』でフライドチキンを購入し、それを持ってスタンド4階の『馬そば深大寺』で牛スジカレーそばを注文。渡された一杯に、フライドチキンを投入してみた。「チキンカツカレーそば」の完成です。

Umasoba 

カレーと温泉たまごの黄身をまとったフライドチキンはことのほか美味しかった。それはそれで発見だが、この日の馬券は散々だった。やはり「勝つカレ―」のカツは、とんかつでなければならないのだろうか。

それで今日は、メモリアルスタンドの『ホテルオークラ』へ。正統派のカツカレーライスを注文。

Okura1 

これで1800円。高い! 高いが、それだけ美味い。なによりとんかつが秀逸。ちゃんと揚げたてで出てくる。とんかつライスで食べてもイケるが、カレーも美味いのでかけなければ損。まあ、カレーかけない人などいないだろうけど。

Okura2 

競馬場内のレストランにはどこにもモニタが設置してあって、客はみんな食事もそっちのけでパドックやレースに見入っているが、ここ『ホテルオークラ』にはモニタがない。食事に集中しろということか。それだけのものを出しているという自負もあるのかもしれない。だが、しっかりと赤ペンとマークカードは常備してある。そこはやはり競馬場。馬券と無縁ではいられない。これもオークラのホスピタリティであろう。客の目には入らない場所にあったけど、こういうのがあると分かるとなぜかホッとする。ちなみに、馬券の方はやっぱりダメでした。

 

***** 2017/02/19 *****

 

 

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