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2023年10月 1日 (日)

夕霧と野風

大阪駅からほど近く、近松門左衛門の「曽根崎心中」で有名なお初天神の境内を抜けた裏路地にその店はひっそりと佇んでいる。

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「夕霧そば 瓢亭」。1952年創業の老舗だ。

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名物は店の名前にもなっている「夕霧そば」。柚子皮を練り込んだいわゆる「柚子切り」だが、関西では柚子を「ゆう」と呼ぶことから、「柚子切り」が「ゆうぎり」に変化したという。同じく近松門左衛門の原作で上方歌舞伎の代表演目でもある「吉田屋」に登場する遊女のヒロイン「夕霧」を意識したネーミングだそうだ。

つい最近も、米国からユウギリに関する話題が飛び込んできたばかり。9月16日、米国チャーチルダウンズ競馬場で行われたオープンマインドS(リステッド・ダート1200m)を「Yuugiri」という馬が勝った。父 Shackleford、母 Yuzuru、母の父 Medaglia d'Oro という血統の持ち主で、オーナーは「エア」の冠名でお馴染みの吉原毎文氏である。「柚子」を母に持つ「夕霧」だから、まさにこの蕎麦のような一頭ではないか。

母 Yuzuru の1歳上の姉に Nokaze というエンパイアメーカーの牝馬がいる。2011年の大ヒットドラマ「JIN-仁-」で中谷美紀さんが演じた遊女「野風」からのネーミングかもしれない。

Nisinomiya

昨日行われた西宮Sでは、Nokaze産駒のエアサージュ(牡5・父Point of Entry)が7番人気の評価を覆してアタマ差の2着。そして今日のポートアイランドSではエアファンディタ(牡6・父ハットトリック)が別定の60キロを背負いながらも3着に好走した。Nokaze一族の運気は上がっている。水曜の大井・東京盃に出走を予定している長男エアアルマス(牡8・父マジェスティックウォリアー)にとっては良い流れかもしれない。

Portisland

Nokaze の産駒としてはエアアネモイ(牡4・父Point of Entry)やエアメテオラ(牡3・父Goldencents)もJRAで2勝を挙げており、繁殖牝馬としての活躍は目覚ましいものがある。エアファンディタもまだまだタフに活躍できるだろう。60キロを承知でポートアイランドSに出走してきた裏には何か思惑があったはず。酷量を背負いながら稍重馬場で33秒1の末脚を繰り出したあたり、6歳秋でもその能力に衰えは見られない。父ハットトリックにJRA初の重賞タイトルを送るチャンスはあるはずだ。今後の走りに注目しよう。

 

 

***** 2023/10/1 *****

 

 

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