眠れぬ日々
せっかく自宅に帰ってきているのに、関東は昨夜からの雨が上がりきらない。
本当は中山3R新馬戦のライトピラーを観に行くつもりだった。ついでに秋冬の服を買って帰ろうという腹づもり。ボチボチ散髪にも行っておきたい。だが、朝起きてカーテンを開けた途端に外に出るのが億劫になった。レースはグリーンチャンネルで十分。髪だってひと晩で5センチ伸びるわけでもなかろう。そう割り切って今日は一日寝て過ごすことに決めた。そもそも神奈川の我が家から中山は遠過ぎる。大阪から中京に行くのと感覚的には変わらない。
ここのところ睡眠のことばかり考えている。ラグビーワールドカップの影響もなくはない。端的に言えば寝不足なのである。正確に言えば寝不足だと思っている自分がいるのである。
昔は睡眠時間なんて気にしなかった。なのに最近では「昨日は3時間しか寝られなかったから、今日は4時間余計に眠って取り戻そう」などと考えてしまう。それでも睡眠負債は膨らむ一方。なぜか。眠ろう眠ろうと焦るあまり、眠ることができないのである。トシをとれはそうなると聞いてはいたが、これほどひどいとは思わなかった。
「眠れない」と嘆くのは、人は眠れて当然だと思えばこそであろう。戦争になると特定の病気が減ると何かで読んだ。“増える”の誤りではない。その病気とは、胃潰瘍とか自律神経失調症の類だったと思う。おそらく不眠症もそこに含まれるはずだ。
競走馬が胃潰瘍になる話はよく知られている。その原因は「苛酷なトレーニングによるストレス」と一括りにされることが多いが、実は動物園に飼われている動物もしばしば胃潰瘍になるらしい。動物園でも「過酷なトレーニング」が行われているのだろうか。そんなはずはないから、原因を他に考えてみる。そこで前述の「戦争で胃潰瘍が減る」の話を思い出した。緊張感のない環境に置かれて変調をきたすのは、何も人間に限った話ではあるまい。私が寝不足を感じるのも、私の周囲が平和であることの裏付け。ならば悪い話でもない。
馬は立ったまま眠ることができる。ベテランになれば馬せん棒を枕がわりに眠るなんてこともザラ。人間だって、どうしようもない状況に陥れば寸暇を惜しんで眠る術を備えているはず。寝不足を過度に心配することはあるまい。ウクライナの人が聞いたら呆れるだろう。それは分かっている。分かっているのだが、今日も深い眠りを得るには至らなかった。明日は眠れるだろうか。
***** 2023/9/23 *****
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