66歳最後の日に
先週はベテランジョッキーの活躍が相次いだ。
31日、園田で行われた兵庫若駒賞は1番人気マミエミモモタローがマイペースの逃げで7馬身差で圧勝したが、手綱を取った川原正一騎手は
自身がジュベナイルカップで更新した最年長重賞勝ちの記録をわずか3週間で更新する快挙を為した。新記録は「64歳170日」。来月には新設重賞の「ネクストスター園田」が控えており、記録更新の可能性は高い。
その2日後にはJRA最年長の柴田善臣騎手の手綱が冴えわたった。新潟メインの古町Sを13番人気のラブリークイーンで逃げ切り勝ち。前走は福島で15頭立てのシンガリに敗れていた馬である。単勝万馬券も頷けよう。それが一転、2馬身差をつけて勝ってしまうのだから競馬は不思議。穴党を自認する私でもこれを買える要素があったかと問われれば、ベテランジョッキーの「腕」くらいしか思い浮かばない。ともあれ柴田善騎手も自身の持つJRA最年長勝利記録を57歳34日に更新した。
ちなみに私は年齢にまつわる記録は「歳+日」で表記すべきと常々訴えている。川原騎手の記録も柴田善騎手の記録も敢えてそのように書いた。計算はそれほど手間ではない。8月10日に川原騎手がジュヴェナイルカップを勝って「64歳5か月の最年長記録」と報じられたのに、8月31日に記録を更新した記事にも「64歳5か月」と書かれていたりする。「月」で書けばそうなるのだろう。それでも「歳+月」で報じるメディアはなくならない。
閑話休題。兵庫の川原騎手に破られるまで、国内の最年長重賞勝利記録を保持していたのは、もちろんこの人。
的場文男騎手ですね。写真は2018年9月19日の東京記念。伝統の東京記念をシュテルングランツで逃げ切った大井の的場文男騎手は、このレースを勝って当時の最年長重賞勝利記録「62歳12日」を打ち立てた。今年の東京記念はあさって水曜に行われるが、的場文男騎手はウェイキーの手綱で参戦。しかも東京記念の翌日9月7日は的場文男騎手67回目の誕生日ではないか。
東京記念最多の8勝を誇るレジェンドが自身66歳最後の日に東京記念に乗る―――。
「何かをやってのけるかもしれない」と思わせるところがレジェンドのレジェンドたる所以。もし勝てば川原騎手が打ち立てたばかりの記録を更新する。その記録は「66歳364日」。これを月で書くと「66歳11か月」だろうか。よもや「66歳12か月」と書くわけにもいくまい。
***** 2023/9/4 *****
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