ローズSの前日に
9月も後半に入ったというのに今日も暑い。京都では最高気温が35度を超えて、観測史上もっとも遅い猛暑日が記録された。仁川界隈の最高気温は33度前後。とはいえ風が無いからとにかく蒸している。そんな阪神は3日連続開催の初日。オープンクラスの競走が3鞍も組まれた。
まず8レースに行われるのが阪神ジャンプS。この暑さであれば、新潟や小倉のように午前中に実施しても良さそうなものだが、番組上はあくまでも秋競馬である。出走14頭にとっては、コース上に設定された12の障害に加え、暑さもクリアする必要がある。
連覇を目指すホッコーメヴィウスが大逃げを打った。それを離れた2番手から1番人気のジューンベロシティが追いかける。鞍上の西谷誠騎手に慌てるそぶりは見えない。その証拠に、障害を飛ぶたびに両者の差が徐々に縮まってゆく。直線に置かれた最終障害を飛越したところで鞍上が軽く仕掛けた。アッと言う間に前を捉えて先頭。最後は抑える余裕を見せて人気に応えた。東京ジャンプSに続く重賞2勝目。まだ5歳とジャンパーとしてはまだ若い。暮れの大一番に向けて期待が膨らむ。
父は種牡馬ランキング首位を走るロードカナロア。3代母に1994年桜花賞でハナ差2着のツィンクルブライド。ちなみに明日はローズSが行われるが、ツィンクルブライドのローズSはヒシアマゾンの8着だった。
阪神9レースは2歳オープンのききょうS。過去の優勝馬にはヤマカツスズランやダンツフレームの名前も見える。2番人気のクイックバイオが道中3番手から直線で鋭く抜け出した。宝塚記念当日に行われるいわゆる「伝説の新馬戦」で6着に敗れてからは、1500m⇒1400mと距離を縮めながら2連勝。とはいえ、お父さんがブリックスアンドモルタルで、お母さんは2010年のローズSを勝ったアニメイトバイオとくれば、もう少し長い距離での競馬も観てみたい。
メインは古馬オープンのケフェウスS。先日「注目」と書いたマテンロウスカイだが、逃げて前半1000mを57秒1で飛ばしては、さすがのメジロの血脈でも持つまい。勝ったエピファニーのクリストフ・ルメール騎手も、「今日はペースのおかげ」と望外の展開に助けられたことを強調した。
それでもタイレコードで走れるのは能力の証。なにせミッキークイーンの甥という良血である。ミッキークイーンも2015年のローズSに出走。オークス以来の休み明けにもかかわらず1番人気に推されるも、タッチングスピーチの2着と敗れた。そのタッチングスピーチの手綱を取っていたのもルメール騎手。あちこちに名前が出るのはさすがと言うほかはない。
明日はローズS。前日発売で1番人気に推されているのはブレイディヴェーグだが、この馬もミッキークイーンの姪。つまり今日のケフェウスSを勝ったエピファニーとは従姉弟同士というわけ。しかも手綱を取るのはルメール騎手。ローズSは前走オークス組の好走が目立つレースだが、ここまで条件が揃うと穴党の私でも無視はできない。悩ましいことだ。
***** 2023/9/16 *****
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