シリウスに向かって飛べ
大阪で暮らし始めて間もなく丸3年。関西地区のJRA重賞をすべて生観戦することを目標に掲げてきたが、今日のシリウスSでリーチが掛かる。あとは京都金杯を残すのみ。平日に行われる上、この3年間は中京開催だからおいそれと観に行くことができなかった。京都開催に戻る次回こそコンプリートのグランドフィナーレとしたい。
ともあれシリウスSを観るのは初めてだ。ハンデGⅢとはいえJRAで行われるもっとも距離の長いダート重賞である。といってもその距離は2000mでしかない。いや、厳密には「芝78m+ダート1922m」である。
国内外を問わずダートのチャンピオンディスタンスは2000mが常識となっているのに、JRAにダート2000mの重賞がこのレースひとつだけというのは違和感を感じるかもしれない。ただ、芝コースの距離設定を優先して設計されているJRAの競馬場で、芝とダートの両方で2000mを設定することは難しい。自然とダート2000mの舞台は地方の領域となる。
ともあれ、オメガパフュームやアウォーディー、ワンダーアキュートといったチャンピオンホースも、このシリウスSでダート2000mをこなし、やがて東京大賞典やJBCクラシックを制するまでになった。
今年のシリウスSは1番人気ハギノアレグリアスが4角6番手から直線だけであっさり前を捉えると、58.5キロのトップハンデをものともせず名古屋大賞典以来の重賞2勝目を挙げた。
キズナ産駒の6歳牡馬で、祖母がタニノクリスタルだからタニノギムレットは叔父ということになる。それ以外にもタニノエポレット、プリュムドール、プリュムドールといったステイヤーが名を連ねる母系を見れば距離延長は望むところ。JRA最長距離ダート重賞のタイトルは譲れない。たとえJRA重賞未勝利でも、たとえトップハンデでも、そしてたとえ大外枠であっても、今日は負けるわけにはいかなかった。
四位調教師は意外にも重賞初勝利だそうだ。騎手としては2001年のシリウスSを勝っている。優勝馬は直線一気でお馴染みブロードアピール。当時のシリウスSはダート1400mの短距離重賞だった。
首尾よく賞金加算に成功したハギノアレグリアスの展望は明るい。6歳とはいえ、まだキャリア15戦。馬体は若い。3歳秋に3連勝でオープン入りを果たすも、直後に屈腱炎の憂き目を見た苦労人(馬)である。1年8か月の長期休養の間にそれまでの松田国厩舎から四位厩舎に転厩。それでも今日のレースぶりを観れば完全復活と言って良かろう。初めて生観戦したシリウスSが、名馬物語のターニングポイントとなるよう、ハギノアレグリアスを応援し続けよう。
***** 2023/9/30 *****
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