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2023年7月10日 (月)

セレクトセールが始まった

セレクトセール初日ですね。

昨日の中京競馬場でもセレクトセールの話題が耳に入ってきた。馬主風のグループが立ち食いのきしめんを食べていたりするあたり、まさに夏のローカル開催という風情ですな。

「これはいくらくらいいきそうだ」とか「これは誰々さんが取りに行くから遠慮しておこう」とか、そんな会話が漏れてくる。そのうち「次のレース観てからまた考えようか」という声が聞こえた。

「次のレース」というのは、夏の中京開催ではすっかりお馴染みとなった芝2000mの新馬戦。2018年にはカテドラルが、さらに17年にはワグネリアンが勝っている出世レース。今年はセレクトセールで2億円以上の値が付いた2頭が出走するということで、注目が集まっている。2億2千万円のラケダイモーンと2億円のドゥマイシングだ。

セレクトセール前日の新馬戦に2億円ホースが登場するとなれば注目されるのも仕方ない。しかもそれが2頭となればスポーツ新聞各紙が一騎打ちを期待させるような煽り方をするのも、ある程度理解できる。しかし結果はミカエルパシャが鮮やかに逃げ切って初陣を飾った。2馬身半差の2着にラケダイモーン。さらにアタマ差でドゥマイシングが3着。高額馬が大事に乗り過ぎたあまり、伏兵の逃げ切りを許すことは間々あることだが、上がりタイムでもミカエルパシャが上回ったことは忘れないでおきたい。

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ミカエルパシャもセレクトセール取引馬。しかしその落札価格は比較的お手頃の3100円である。エピファネイアの牡馬にしては「安い」と言っても過言てはない。しかも迫田三果子オーナーにとっては、これが初めての所有馬だという。これも競馬の醍醐味のひとつ。お金をかければ勝てるというわけではない。そうでなければ私だって馬主になろうとは、決して思わなかった。

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この日の中京では芝2000mの3歳未勝利戦も行われた。勝ったのはルーラーシップ産駒のゴートゥファースト。3歳5月の遅いデビューから3戦目での勝ち上がりである。陣営の思いは果たして「安堵」か、あるいは「当然」か。実はこの馬もセレクトセール出身馬。4700万円で取引された。私なら安堵である。ちなみに同じレースには同じセレクトセール出身馬のレッドマジックも出走していたが、9着に敗れた。同馬の取引価格は1億2千万円だが、残されたチャンスはそう多くはない。

こうした結果が今日のセレクトセールにわずかでも影響するのだろうか―――。

そんな思いで見守ったセレクトセールでいきなり2億越えが飛び出してひっくり返った。上場番号1番、ヤングスターの2022(父キズナ)を2億1千万円で落札したのは、昨日負けたドゥマイシングやレッドマジックのオーナーでもある藤田晋氏。レース結果ごときで財布の紐は固くなったりしない。当たり前だが、さすがだ。

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その後も高額取引馬が続出。11頭が2億以上で、うち3頭は3億を超えた。もはや1億を超えたくらいでわーわー騒ぐような時代ではない。初日の落札総額133億6500万円も、平均価格6188万円も、どちらも史上最高額だという。誕生から四半世紀の節目を迎えたセレクトセールは、異次元の領域に到達した。もとより我々とは無縁の世界ではあるが、ここまでくると馬券検討にも悪影響を及ぼしかねない。そこは肝に銘じておこう。

 

 

***** 2023/7/10 *****

 

 

 

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