決戦、桶狭間
先週は名古屋が熱かった。中京記念だけではない。プロ野球オールスターゲームに大相撲名古屋場所。もちろん梅雨明け直後の猛暑もここに加わる。
NHK大河ドラマ「どうする家康」も例外ではない。先週はドラマ前半の大一番、本能寺の変を迎えた。しかも単なる光秀の謀反として描かれたのではない。信長と家康、愛知にゆかりの深い二大英傑の絆に深く切り込む内容だったけに、とくに名古屋の皆さんは熱くご覧になったのではあるまいか。
だからというわけでもないが、中京記念の前に有松から桶狭間周辺を歩いてみた。なにせこの日の中京9レースは有松特別。そして10レースは桶狭間S。中京開催のクライマックスに相応しい。JRAもそこはよく分かっている。
名古屋から向かうと有松駅は中京競馬場前駅のひとつ手前にあたる。その名の通り、かつては松しかなかったそうだが、今では駅の北側にイオンモールが聳え立つ近代的な街。しかし南側は江戸時代の風情そのままだ。ゆるやかに曲がりくねった旧東海道に沿って伝統的な家並みが今も残されている。
街道沿いに一軒のうどん店を見つけた。
明治時代の建物を改装したという店構えは一見してうどん店とは分からない。しかし周囲にはすっかり馴染んでいる。それにしても暑い。なにはともあれ冷たいうどんでも一杯ひっかけて行こう。店内も風情はある。お客さんも多い。先日金山駅で食べたような甘く香る濃い目のツユを期待した。ところが、そうでもない。麺もいくぶん硬過ぎた。きっとこういうものなのだろう。
店を出て旧東海道を東へと歩く。右に見える桶狭間、左は競馬場。そんな感じ。450年前、信長、家康、そして今川義元といった名将がこの地で争った。それで戦国のロマンに思いを馳せるのではなく、「ならば今日はメイショウの馬を狙おう」と考えてしまうあたりが競馬ファンの悲しい性。競馬場に着くなり片っ端からメイショウの馬券を購入すると、さっそく7レースをメイショウオオミネが勝った。4番人気。手綱を取ったのは角田「大河」騎手だから良くできている。
しかしその後の名将たちは苦戦を強いられた。そりゃそうですよね。桶狭間Sが行われる日だからといって、松本オーナーばかりが勝つはずがない。そもそも450年前の桶狭間では苦戦したり死んだりした名将もいたはず。勝ったと言えるのはほんのひと握りに過ぎない。
ちなみに今年の桶狭間の電撃戦を制したのは牝馬のアルファマムだった。その馬名には「リーダー格のママ」という意味があるらしい。さしずめ家康の母「於大の方」といったところか。他馬をなぎ倒すようなその末脚に、また熱くなった。来週から大河ドラマは新たな時代に入る。夏競馬も折り返しだ。
***** 2023/7/28 *****
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