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2023年6月15日 (木)

生姜の日

大阪は今日も梅雨空。今日も蒸し暑かった。夏バテ気味だった体調も戻りそうで戻らない。すっきりしない日々が続く。

Pork

今宵は自宅で豚肉の生姜焼きを作って食べた。旨いし安いし簡単。私にだって作れる。しかも夏バテにも効果的ときた。豚肉には糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が豊富で、これが疲労回復に役立つという。美味しいものを食べて疲労が消えるなら、こんな良い話はない。

Jc1999

スペシャルウィークが勝ったジャパンカップでのことだから、かれこれ四半世紀近く昔の話になる。取材で来日していた英国人女性カメラマンが、お昼の検量食堂でこう聞いてきた。

「ショウガを焼いて食べるのですか?」

ある程度日本語を理解する彼女は、壁に貼られた「しょうが焼き ¥500」というメニューを文字通り受け取ったのだろう。私は笑いながら「いやいや、あれはポークジンジャーです」と訂正した。だが彼女は納得しない。というのも、そのメニュー表記のどこにも「豚」の文字が書かれていないからだ。

本来なら「豚肉のしょうが焼き」と書くべきなのだろう。我々は暗黙のうちに「しょうが焼き」と聞けば豚肉のことだろうと判断する。だが、外国の方には到底理解できまい。

Menu

恵比寿駅の近くに暖簾を掲げる「こづち」は、昭和のたたずまいを今に残す希少な大衆食堂として知られるが、こちらのメニューに「肉生姜定食」というのがある。「豚」とも「焼き」とも断ってない。鶏肉と生姜の煮込み定食という可能性だってある。だが、もちろん実際に出てくるのは豚肉のしょうが焼き定食。「これはいったい何の肉ですか?」とか「煮込みですか、あるいは焼肉ですか?」などいちいち聞くような客はいない。こうなると、もう理屈の話ではないように思える。

「塩焼き」にしても塩のみを焼くわけではないし、「網焼き」だって網を焼いて食べるものではないが、これらは「××の塩焼き」という具合に主役と組み合わせて表現されるのが一般的。それでも「すき焼き」「目玉焼き」「どて焼き」のように、主役に関する記述のないメニューも少なくはない。逆に主役の名が含まれていたとて「鯛焼き」のような罠に嵌ることもある。なまじ日本語が理解できる外国人ほど、メニュー選びには注意を払う必要があろう。「焼いたショウガ」を期待して豚の焼き肉が出てきたら驚くに違いない。ちなみに今日6月15日は「生姜の日」だそうだ。

 

 

***** 2023/6/15 *****

 

 

 

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