« 甲武特別のその先に | トップページ | 夏のうどん »

2023年6月11日 (日)

母の父ディープインパクト

阪神5レースは芝1200mの新馬戦。8頭立てのせいもあるが、ミルテンベルクが単勝1.8倍の圧倒的支持を集めている。

8頭すべてが競馬場でレースを経験したことなどない。パドック周回も初めて。ゲート入りや発馬だって練習とはぜんぜん違う。それなのに1.8倍は買い被り過ぎではないか。

予想紙によればミルテンベルクは祖母が独オークス馬なんだという。それは立派だ。しかしそれを言い出したら、ハナイチリンの祖母はエリザベス女王杯を勝ったリンデンリリーだし、ジャコムスビの3代母だってオークス馬エリモエクセルではないか。さらにヤマニンアラクリアの3代母ズーナクアだって米GⅠ勝ち馬だし、デアパーディタの3代母に至っては泣く子も黙るウインドインハーヘアである。日本生産馬の血統改良は著しい。母系をちょっと辿ればGⅠ馬が登場することはもはや珍しくない。そもそも芝1200mの新馬なんて発馬次第。血統がなんぼのもんじゃ!とばかりに人気薄をバラバラと購入したその結果は……、

5r_20230611195501

ミルテンベルクの圧勝でした(笑)

好発、好ダッシュのドナヴィーナスを2番手から追走。慌てて促すこともせず、むしろなだめつつの走りに見える。直線で後ろから何も来ないことを確認した上で、ジョッキーが軽く仕掛けると反応良く前を捉えて、瞬く間に突き放した。あとはリードを保ったままゴール。スピードに任せるというよりは、センスを感じさせる競馬だった。つまり私が抱く1200mの新馬戦のイメージは、もはや古いのであろう。血統も大事なのである。

反省して血統表を見返した。父モーリス、母の父ディープインパクトはジェラルディーナやルークズネストと同じ。つまりサンデーサイレンスの4×3のクロスを持つ。この組み合わせは今後ますます増えるに違いない。

6r_20230611195501

そんなことを考えていたら、続く6レースを勝ったハレアカラフラも母の父ディープインパクトではないか。こちらのお父さんはラブリーデイだが、それでもサンデーの4×3は成立する。金子真人氏の所有馬同士の配合だと、こういう組み合せがいくらでも可能なような気がしてならない。

8r_20230611195501

8レースを勝ったマスクトディーヴァも母の父がディープインパクト。お父さんはルーラーシップだからサンデーのクロスは持たないが、ディープインパクト肌にルーラーシップの組み合わせは既にニックスとして知られている。ルーラーシップ産駒のGⅠ馬はキセキとドルチェモアの2頭。そのどちらも母の父がディープインパクトだ。そのほかにもエヒトやワンダフルタウンといった重賞ウイナーも同じ配合。ドゥアイズやキングズレインも重賞を狙える逸材だ。

ディープインパクト亡きあとの種牡馬界は戦国時代に突入している。乱世を勝ち残る決め手は、ずばりディープインパクト牝馬との相性であろう。ロードカナロアやエピファネイアはこの点で意外にも伸び悩んでいる。死んでなお種牡馬ランキングに影響を及ぼし続けるディープインパクトにはただただ驚嘆するばかりだ。

 

 

***** 2023/6/11 *****

 

 

|

« 甲武特別のその先に | トップページ | 夏のうどん »

競馬」カテゴリの記事