一寸先は闇か光か
中京開催が終了し、西日本の主場は阪神に移る。中京は芝の状態が目まぐるしく変わって馬よりも馬場に振り回された感があったが、阪神の馬場は絶好。桜花賞までこの状態を保ってほしい。
開催初日の特別3鞍はすべて芝で行われた。9レース須磨特別は2勝クラスの芝1800m戦。一昨年はロータスランドが勝ったレースだが、今年も好メンバーが揃っている。中でも注目はロン。新馬、野路菊Sを連勝してクラシック最有力候補と騒がれた素質馬は、屈腱炎による一年余りの休養から復帰してから自己条件を2着、3着とまだかつての輝きは取り戻せていない。逃げるにはもってこいの1枠1番を引いた今回3度目の正直は為るだろうか。
しかしロンは逃げなかった。発馬は悪くない。行こうと思えば行けたはずだが、デビットバローズを先に行かせて3番手に控えた。逃げて直線甘くなった前走を踏まえたか。しかし直線に向いてもデビットバローズとの差は詰まらない。それどころか外から次々と交わされて5着。5戦目にして初めて馬券圏内を外してしまった。復帰してからはどうも色んなことが上手く噛み合わない。一方、勝ったデビットバローズは、馬体の成長に加え蹄の不安も解消。さらに逃げのスタイルを確立させたことがうまく噛み合っての3連勝であろう。明け4歳。まだまだ強くなる。
続く但馬Sも上りの速い競馬。33秒フラットで追い込んだゼッフィーロの追い込みを凌いだリューベックの上りは33秒2。母ライツェントだから先週のきさらぎ賞を勝ったフリームファクシの半兄ということになり、父ハービンジャーだからディアドラ姉さんの全弟ということになるから、こちらもまだ4歳。膝の骨折で3歳時の大半を棒に振ったが、色んなことが噛み合い始めたのかもしれない。
メインの洛陽Sを勝ったのも勢いに乗る明け4歳馬。中団を追走した1番人気ジャスティンスカイが先行集団を見ながら直線に向くと、馬群がバラけるのを待って一気に抜け出した。こちらは距離をマイルに変えてから3連勝。ちょっとしたことが変って色々なことが噛み合うこともあり、噛み合わないこともある。思えば一昨年8月の函館新馬戦、2着に敗れたジャスティンスカイを3馬身半もちぎり捨てて勝ったのがロンだった。一寸先は闇か光か。ジャスティンスカイには安田記念へと続く一筋の光が見えたに違いない。
***** 2023/2/11 *****
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