開催最終日の一番時計
冬の中京ロングラン開催も最終日。と同時に3年間に及んだ京都改修に伴う中京での代替開催も今日で終えることになる。大阪からの中京通いもおそらく今日が最後であろう。今日は近鉄から名鉄へと乗り継いで4時間かけて到着。ホッとする反面、少し寂しい。
そんな中京競馬場は気温12度。風も気にならない。屋外でも日なたはコートが邪魔になる暖かさに恵まれた。一昨日は節分。昨日は立春。2月の競馬は春を探す開催でもある。ただ開催が進んだ芝は傷みが激しい。特にインコースはレースが進むにつれてボコボコ掘れていく。
だから、きさらぎ賞で大外からオープンファイアが追い込んできた時は、これは差し切るだろうと勝手に確信した。今日はスタートもまとも。道中も、おそらく本気を出してないだけだと思うが、折り合いを欠くようなシーンもない。それで終いは必ず33秒台の脚を使う。ならば届くだろう。そう思って観ていたのだが、結局アタマ差届かなかった。
手綱を取ったムルザバエフ騎手は「すごい馬になりそう。大事にいってほしい」と絶賛だったそうだが、長い目で観るにしてもいつになるのか。能力を秘めていることは分かるが、将来のことは誰もわからない。賞金を加算してオープン入りしたのが果たして良かったのか。血統的にもキャラクター的にも追いかけたくなる一頭だが、追いかけるにはそれなりの覚悟も必要な気がする。
どれだけ凄い脚を使っても競馬では勝った馬が偉い。勝ったフリームファクシは道中かかり通しで、川田将雅騎手もずっとファイトしていたように見えたが、それでも馬場の悪いインコースで粘り、オープンファイアの猛追を凌いで勝ち切ったことは賞賛に値しよう。
レースの上がり3ハロンでは11秒台が3回連続し、しかも残り400mから200mでは11秒1というマイル戦のようなラップを自ら刻んだところにフリームファクシの能力が凝縮されているように思えてならない。年が明けてからの中京芝2000mで2分を切ったのは、このきさらぎ賞が初めて。これまでの一番時計は1月5日にフリームファクシ自身が記録した2分0秒2だったことを思えば、オープンファイアのみならずフリームファクシの能力の高さだって疑いようがない。
勝ち馬が課題ばかりを指摘されて、2着馬が素質を評価される珍しい結末になったが、手放しで褒められるほどの完成度の高い馬がいれば苦労はない。ディープインパクトだってこの時季はまだ課題を抱えていたし、キングカメハメハは京成杯で敗れていた。アラ探しも時には必要だが、勝った馬に対しては素直に頑張りを讃えたい。さすがディアドラ姉さんの弟。クラシックが楽しみだ。
***** 2023/2/5 *****
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