マラソン界の新星
朝から大阪中心部では大阪マラソンが行われた。新型コロナの影響で一般ランナーの参加は3年ぶり。しかもパリ五輪を目指して服部勇馬や川内優輝といったメジャー選手が参加する。たまたま我が家の前の通りがコースになっているのだが、きっと沿道は応援の人垣で埋め尽くされるに違いない。外出は控えた方が良いだろうか。
―――と身構えながら朝メシに出たのだが、沿道で選手の到着を待つ人は数えるほど。観客より警備・ボランティアの人数が圧倒的に多いという異様な雰囲気の中を、先頭集団が風のように駆け抜けていった。
最近ではマラソン大会にもグレード制が導入されているらしい。今日の大阪マラソンは「G1」。来週は東京マラソン、再来週は名古屋ウイメンズマラソンと「G1レース」が続く。ネットで調べてみると、名の知れた大会はすべて「G1」に格付けされているから、最高峰という位置付けではないようだ。今後は「G1」を上回る「GS」という格付けも検討されているらしい。
競馬はGⅠレースの谷間だが「マラソン」は行われている。阪神9レースの松籟Sは3勝クラスの芝3000m戦。条件戦とはいえ昨年の同レース2着馬に加え万葉S好走馬も加わり興味深い一戦となった。
勝ったゼーゲンは前走の尼崎Sで8着に敗れている。どうしてもスタートが遅く、2400mのペースでも最後方に置かれてしまうのが難だったが、初めての3000mで追走が楽になったのか、今回は2週目の3コーナーで6番手の好位置をキープ。直線で大外から豪快に伸びて、ゴール前できっちり前を捉えた。このような長距離の条件戦がなければゼーゲンはずっと追走に苦労していたに違いない。8歳馬とはいえ、これがキャリア18戦目。競馬のマラソン界に遅れて輝き始めた新星になる可能性は秘めている。
一時期は絶滅の危機に瀕した長距離戦だが、最近は増加に転じている。2019年1月の万葉Sの9頭立てを最後に、30戦連続して一桁頭数も記録されてない。先週のダイヤモンドSも、先月の万葉Sもフルゲート16頭。以前のようにレース成立を心配することもなくなった。
昨夜サウジアラビアで行われた国際競走・レッドシーターフHを制したシルヴァーソニックも一昨年の松籟Sで長距離への扉を開いた一頭だ。2200~2400mで結果が出ずに悩んでいたとき、この年から3200mに距離が延長された松籟Sを試しに使ってみたら3着と結果が出た。長距離のペースがこの馬のペースに合ったのだろう。もとよりオルフェーヴルの産駒なのだから、距離に不安はない。
オルフェーヴル産駒はダイヤモンドSでもワンツーフィニッシュを決めたばかり。なかでも2戦連続レコード勝ちのミクソロジーは正真正銘の新星だ。ゼーゲンもそこに加わりたい。大阪マラソンではマラソン初挑戦の西山和弥が2時間6分46秒の好タイムで6位に入った。初マラソンにおける日本記録も更新してみせたのだから、こちらも衆目一致の「新星」であろう。人も馬もマラソン界に新星が続々出現する。群雄割拠の時代は面白い。
***** 2023/2/26 *****
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