実は大事なこぶし賞
先週日曜の阪神では3歳1勝クラスによる「こぶし賞」が行われた。芝のマイルに7頭。少頭数ということで、レース番号が繰り上がって8レースだったが、こぶし賞は少頭数が珍しくない。4年前から順に8頭、7頭、9頭、そして昨年は6頭。今年を含めた5年間の平均が7.4頭である。それでも稀にここからGⅠを獲るような名馬が誕生するものだから、少頭数の1勝クラスとはいえ目が離せない。
こぶし賞からは、ミヤマポピー、ノーリーズン、ウインクリューガー、カレンブラックヒル、メイショウマンボ、ディアドラ、ケイアイノーテック、そして昨年のスタニングローズとたくさんのGⅠ馬が出ている。そのいずれもが3歳時のGⅠを勝っているのは偶然だろうか。ほかにもナルシスノワール、エイシンテネシー、マイシンザン、ケイウーマン、エイシンワシントン、オースミタイクーン、メルシーステージ、シェイクハンド、オースミジェット、スエヒロコマンダー、マルカキャンディ、フサイチゼノン、トーセンキャプテン、オウケンサクラ、マイスタイル、サトノインプレッサ、ギルデッドミラー……等々。重賞勝ち馬を挙げればきりがない。
今年のこぶし賞を勝ったモズメイメイは父リアルインパクト、母の父フランケルという血統の牝馬。リアルインパクトは既にラウダシオンというGⅠ馬を送り出し、母の父としてのフランケルもルージュエヴァイユという活躍馬を輩出している点は心強い。「軽い走りをするし、きれいな馬場は良かった」とは手綱を取った武豊騎手のコメント。すんなりハナを切ることができたことなど、たしかに条件が揃った感は否めない。
モズメイメイは前走の「つわぶき賞」で3着に敗れたが、このレースで2着だったダルエスサラームはその後に紅梅Sを勝ち、5着ユリーシャはエルフィンSを勝って2頭とも桜花賞候補となっている。そういう意味ではつわぶき賞のレベルは高かった。だがしかし、つわぶき賞を走ったのちにGⅠタイトルを掴んだ馬というのが過去にいないのである。重賞勝ち馬にしても、エモシオン、ラントゥザフリーズ、サウンドキアラくらいしか見当たらない。粒ぞろいの今年こそはGⅠホースが誕生するかもしれないが、モズメイメイには気になるデータだ。
そういう意味では、先週のこぶし賞で出遅れながら33秒台の脚で半馬身差まで迫ったオーシャントライブも気にしておいた方が良いかもしれない。ついでに3着マイネルメモリーの堅実なレースぶりも忘れないでおこう。こぶし賞は勝ち馬だけでなくレース全体の印象を大事にしておきたい。なにせ2017年のディアドラにしても、こぶし賞では3番人気で3着に敗れていたのである。
***** 2023/2/16 *****
| 固定リンク
「競馬」カテゴリの記事
- ディープインパクトと子と孫と(2023.06.04)
- 西に輝く一番星(2023.06.03)
- 岐阜羽島探訪記(2023.06.02)
- 鳴尾競馬の記憶(2023.06.01)
コメント