2強の死角
今週末の京都記念に向けて、東西トレセンでエフフォーリアとドゥデュースが追い切られた。年度代表馬とダービー馬の対決となれば注目が集まるのは当然。しかし、お互い一頓挫あったあとの一戦というところが難しい。特にエフフォーリアについては、ここからレース当日までの調整パターンを変えるという。
9着に敗れた大阪杯。横山武史騎手は馬にとって初体験の関西に敗因を求めた。その気持ちは分かる。見慣れぬ光景に耳慣れぬ言葉。何を食べても薄味に感じるし、話にオチがないと叱られる。私が2年2か月前に初めて大阪に来たときに感じた関西特有の問題に、エフフォーリアも戸惑ったのではあるまいか。
―――と思ったら実際にはそうではないらしい。横山武騎手が問題視したのは輸送。関西への輸送のせいで金曜と土曜に乗ることができなかった。しかも輸送した翌日は放牧と勘違いするのかボーっとしてしまう。結果、まったく気持ちが入らないまま日曜の競馬を迎えざるを得なかったという。
それで今回は明日木曜に栗東に移動。金曜と土曜にしっかり乗って、緊張感を持たせたままレース当日を迎えるパターンに変更するそうだ。調教師としては一種の賭けであろう。もしこれで芳しい結果が出なければ、やはり関西に馴染めないということになろう。61キロを覚悟で春の最大目標を目黒記念に切り替えるほかあるまい。
ドゥデュースにも不安がないわけではない。なにせダービー馬による京都記念の制覇は1948年を最後に75年間も途絶えている。むろんダービー馬の出走が無かったわけではない。むしろ京都記念はダービー馬の参戦が多いGⅡだ。
【ダービー馬の京都記念着順】
2015年 キズナ③
2016年 ワンアンドオンリー⑥
2017年 マカヒキ③
2018年 レイデオロ③
2019年 マカヒキ③
2021年 ワグネリアン⑤
2022年 マカヒキ⑪
過去10年間でも7頭のダービー馬が参戦して(0,0,4,3)と良いトコなし。2008年には、あのウオッカもここを始動戦に選んだが6着に終わっている。彼らの敗因は「差し届かず」がほとんど。東京2400mと阪神内回り2200mでは、やはり求められる能力が多少異なる。ドゥデュースは阪神内回りの経験はないが、中山で2戦未勝利という点が気になるところ。穴党としては2強が揃って飛ぶシーンまで考えておいた方がよさそうだ。
***** 2023/2/8 *****
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