府中で大井の競演を
2月にしては暖かく穏やかな陽気に恵まれた東京競馬場には、4万人を超えるお客さんが入った。フェブラリーステークスとしては、コロナ禍前とさほど変わらない。競馬場にあの熱狂と歓声が帰ってきた。むろん国内最終騎乗の福永祐一騎手目当てのお客さんも相当数いるはずだ。
福永騎手については後日書く。今日はあくまでフェブラリーS。1番人気の外国産馬レモンポップが好位から抜け出し、根岸Sに続く連勝でビッグタイトルを手にした。200mの距離延長も、中2週のキツいローテも、テン乗りもまったく関係ない。余裕たっぷりに馬群から抜け出すと、瞬く間に後続を突き放してみせた。
私が気にしていたのはテン乗り、つまり戸崎圭太騎手からの乗り替わりである。この馬は戸崎騎手からの手綱で(7,1,0,0)。なのに今回戸崎騎手はドライスタウトの先約があった。こちらも有力候補だから仕方ない。それで坂井瑠星騎手に白羽の矢が立った。
戸崎騎手はフェブラリーSを勝ったことがない。内田博幸騎手も、岩田康誠騎手も、安藤勝己元騎手も勝っているのに、である。やはり地方競馬出身の騎手としてはダートのビックタイトルを獲っておいてほしい。そんな私のささやかな願いは、ちょっとした成り行きの都合で今年も成就しなかった。
ただ、坂井瑠星騎手のお父さんは大井で騎手として活躍した坂井英光調教師だから、まあ私としても悪い気はしていない。しかもテン乗りながら完璧な騎乗だった。きっと坂井英光調教師も喜んだことだろう。
結果、戸崎騎手のドライスタウトは4着だった。これは仕方ない。内田博幸騎手のアドマイヤルプスが5着に食い込んでいる。14番人気を考えれば大健闘であろう。6着は御神本訓史騎手のスピーディーキック。スムースなら掲示板はあったかもしれないが、スムースにいかないのが競馬だ。思ったより人気になってしまい、マークが厳しくなったのが仇となった感は否めない。
戸崎、内田、御神本。歴代大井リーディングジョッキーの名が4〜6着に並んだ。これが1〜3着なら壮挙だが、これはこれでじゅうぶん価値のある結果であるように思える。なにせ外国人ジョッキーのワンツーが当たり前の昨今である。地方騎手による上位争いなど奇跡であろう。来年のフェブラリーSでは3人による表彰台独占を夢見よう。
***** 2023/2/19 *****
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