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2023年2月24日 (金)

枠色を楽しもう

先週土曜の東京競馬場でこんなモノを食べてみた。

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その名も「枠色小籠包」。富士ビュースタンドの「台湾食堂八福」というお店で購入できる。中は枠色に見立てた8色の小籠包がズラリ。それぞれ味も違うというから面白い。4枠青帽「クラムシーフード」なんてとても食べ物とは思えぬ強烈な色をしているが、実際に食べてみた娘の感想は「悪くない」だった。意外にも2枠黒帽のコクノハニービーフがもっともオーソドックスな小籠包の味らしい。ただ、私は6枠緑帽のカオルジェノベーゼが気に入った。ジェノベーゼパスタの味そのものなのだが、それが小籠包に絶妙にマッチする。見た目はスライムそのものなんですけどね。こういうのは食べてみないと分からない。

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最近はすっかりマイナーな存在になった枠連だが、競馬初心者が買いやすい馬券として今も独特の存在感を漂わせている。レース観戦において初心者が真っ先に戸惑うのが、自分の買った馬を見失ってしまうこと。勝負服で判断ができるようになるまでは時間がかかるだろうし、密集した馬群の中で、ゼッケン番号を視認するのは実況アナウンサーでも難しい。

だから枠連。自分が買った馬は騎手の帽子の色で判別がつくから、レースが追いやすい。しかも、代用的中というオマケも期待できる。

「枠番」というシステムのない欧米では、勝負服と同じように馬主に帽子の色を決める権利がある。我が国でも、かつては枠とは無関係に馬主独自の色を用いていた。

帽色が採用されたのは、戦後の4枠制から5枠制を経て6枠制に移行した1957年のこと。この時の色は、1枠から白、赤、青、緑、黄、水だった。配色の根拠となったのは、「一白・二黒・三碧・四緑・五黄・六白・七赤・八白・九紫」の「九星」とされる。さらに1963年の8枠制移行に伴い、7枠の茶、8枠の黒が追加されたが、「茶色は見にくい」という大井のファンの声がきっかけとなり、色相学の専門家などの意見を基に現行の配色に落ち着いたという。オレンジとピンクという蛍光色は確かに見やすく、結果それを中央競馬が真似る形となった。

枠色小籠包を食べた翌日は、東京競馬場「BAR2400@TOKYO」で枠色カクテルを飲んでみることに。7枠をイメージした「音速の末脚」はカシスリキュールをベースにアイスティーリキュールとオレンジジュースのカクテル。ひと口飲んで7枠橙帽で府中の2400mを駆け抜けたフサイチコンコルドを思い出した―――というのは嘘。でも、まあ美味しいです。色味が橙色というより茶色に近いのは、本来の枠色に寄せたわけではなくカシスと紅茶の影響であろう。

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同行の娘は8枠「九冠女王」を注文した。レモンウオッカをベースに杏仁ジュースとレモンの組み合わせ。それでこの日のフェブラリーSは8枠から買ったりせずに、しっかり「レモン」ポップの馬券を的中するのだから立派だ。私は7枠から流して撃沈。でも、もともとスピーディーキックが本命だったのだから、これはこれで仕方ない。

 

 

***** 2023/2/24 *****

 

 

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