フィリピンの競馬
全国で相次いで発生している強盗事件を巡り、フィリピンの入管施設で拘束されている4人の容疑者のうち2人が強制送還となり、日本への機内で逮捕された。残る2人も明日送還されるらしい。新聞もテレビもその報道一色だ。
高飛び先としてのフィリピンというのは、伊藤素子容疑者の当時から今も変わらぬ定番コース。我が国が犯罪人引渡し条約を結んでいる国はアメリカと韓国の2か国だけなのだから、フィリピンにこだわらず中国やタイ、インドネシアなど他にいくらでも逃亡先のチョイスはありそうなものだ。それでもフィリピンが人気を集めるのは、支援組織や現地警察の実情によるところが大きい。つまりそれだけ汚職が深刻ということ。最近では覚せい剤取締法違反容疑で逮捕状が出た小向美奈子容疑者もマニラに飛んだ。
私が子供の頃、それこそ伊藤素子容疑者のニュースを耳にしたときは「フィリピンで逃亡生活」という言葉にとても嫌なイメージを抱いたものだ。ひどく暑そうだし(多分)、食べ物はマズそうだし(偏見)、絶対変な病気にかかりそうだし(さらなる偏見)、ともかく自分ならもう少し違う国を選ぶのになぁと思った記憶がある。
ところが、長じてからフィリピンのありようを知るようになって、そのイメージは覆された。その一番の決め手となったのは2003年にオープンしたサン・ラザロ・レジャーパーク競馬場だ。
実はフィリピンでの競馬の歴史は日本よりも古い。日本のJRAに相当するマニラ・ジョッキークラブは、なんと1867年の創立である。その誇りにかけて「フィリピンの競馬を世界水準に引き上げる」ために注力しただけあって、サン・ラザロ競馬場は日本のそれに負けないだけの設備とホスピタリティを誇る素晴らしい競馬場である。ここに通うことができば、逃亡ライフもグッと豊かなものになるに違いない。
フィリピンでは競走馬の生産も行っている。
2001年10月に川崎競馬場でデビューし、南関東で3勝を挙げたリーガルウエスタンは、Heza Gone West という種牡馬を父に持つフィリピン産馬。フィリピンには30頭ほどのサラブレッド種牡馬がいるらしい。Heza Gone West はその名の通り Gone West の直子だが、アメリカ・ハリウッドパーク競馬場のGⅢジェネラスSで3着という成績が残る程度。フィリピン国内での産駒成績までは私の知識に及ばぬが、大井で活躍していたウエルカムパーティの母の父にもその名を見つけることができる。
***** 2023/2/7 *****
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