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2022年12月17日 (土)

人の目

仕事場の若手3人を連れて1レースから阪神競馬場に繰り出した。私以外はみな競馬初心者。日本の競馬はファン無くして成り立たない。馬を走らせて賞金をもらえるのも、記事や写真が売れるのもファンのおかげ。ファンの育成は巡り巡って己のためでもあり、昨今は恩返しでもある。ただ今日の阪神は初心者にはちと難しかった。メインのタンザナイトSは7人気⇒12人気⇒15人気の大荒れ。考えて当たる馬券ではない。

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ともあれ入ったのはC指定席である。そしたら連れのひとりが驚いた様子で私に告げてきた。

「向こうの席に父親が来てました」

もちろん偶然。挨拶に行こうか悩んだが控えた。自分が逆の立場なら困るかもしれない。

もともと競馬場ではいろんな人に出会う場所ではある。馬主、牧場主はもとより、競馬とはまったく無縁の人とバッタリ会ってしどろもどろになることも。決して悪いことをしているわけではないんですけどね。

20年ほど前、競馬を全く知らぬ上、私が競馬場に出入りしていることさえも知らぬ知人が、会社の同僚に連れられて初めて東京競馬場を訪れた際、偶然パドックの内側にいる私の姿を見つけた。まあ、実際には偶然というよりむしろ「必然」なのだけど。

ともあれ、驚いた知人は手にしたカメラで私の姿を撮りまくって、メールで私に送ってきた。こういうのはぜひともやめて欲しい。人込みの中からレンズが自分に向けられているというのはやはり怖いし、送られた自分の写真を見て「また太ったなあ」としみじみヘコんでしまうことにもなる。なので、こういう時は声をかけてください。もちろんレース中は困るけど。

ただ実際には逆のパターンが多い。すなわち、私が顔見知りを発見してしまうというシチュエーションである。で、どういうわけか、その相手は異性と一緒にいるのである。

こういう場合でも私はちゃんと声を掛けることにしている。だが、声を掛けるに至るまでしばらく二人の行動を観察する場合もある(悪趣味)。ともあれ、たいていの知人は私が競馬場に居ることを百も承知で来ているわけだから、私が偶然通りかかって挨拶を交わすことも想定しているはずである。そうでなければ、よほど抜けている。

Nakayama

そんな私でも声を掛けられなかったことが過去に一度だけあった。私の知人が連れている相手も私の知人だったから。これはエグい。しばらく様子を見たのだが(くどいようだが悪趣味)、どうやらお二人きりでいらしている様子。まあ、どういう事情があって競馬場に来ていたかも分からないわけだが、少なくとも競馬場のドラマは決してコース上だけで起きているわけではない。そういうことです。

 

 

***** 2022/12/17 *****

 

 

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