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2022年12月 5日 (月)

モミジとカエデ

世界の舞台で日本の活躍を全国民が祈る日に相応しく、朝から京都・藤森神社に足を運んだ。創建から1800年の歴史を誇る古社。菖蒲の節句発祥の地であり、また「菖蒲」は「勝負」に通じることから勝負運にご利益があると言われる。そこで祈願したのは、もちろん―――、

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香港国際レースでの日本馬の活躍ですよ、そりゃ。なにせ藤森神社は知る人ぞ知る「競馬の神様」。騎手や調教師、馬主関係者らの参拝も珍しくない。境内には1995年に香港国際カップを勝ったフジヤマケンザンの雄姿を描いた肖像も飾られている。香港での日本馬の活躍を祈願するのに、ここ以上に相応しい社寺はあるまい。

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そこから光明寺、東福寺、さらに足を延ばして下鴨神社へと歩く。紅葉は名残に近いが、それでも探せば今を盛りと赤く染まったモミジの木を簡単に見つけることができる。視線を足もとに向ければ赤絨毯のような散りモミジが美しい。

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モミジは秋の紅葉の代名詞。「紅葉」と書いて「モミジ」と読ませることにもそれがよく表れている。「モミジ類」と言う人もいるが、植物学的には「カエデ類」というのが正しい。

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ではモミジとカエデの違いはいったい何か?

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その判断基準となるのが葉の切れ込みの数や深さ。葉に5つ以上の深い切れ込みがあり、掌手の平を広げたような形状をしているものはモミジと呼ばれ、それ以外の切れ込みが浅く葉先が細かな形状をしているものはカエデとすることが多い。

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もちろんこの分け方には諸説があるが、モミジとカエデを区別するのが日本だけの文化であることは間違いない。「モミジ」も「カエデ」も万葉集から登場する。呼び方の多さは文化的深度の現れであろう。

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競馬のレース名にもモミジとカエデが登場する。いずれも2歳馬による短距離戦。もみじSが芝1400mのオープン特別で、かえで賞が芝1200~1400mの500万条件。ただし後者は2013年を最後に行われていない。写真は1995年のかえで賞。村本善之騎手を背にしたタヤススリリングが一気呵成に逃げ切った。

Tayasu

2003年以前は両レースが揃って施行されていたから、かえで賞ともみじSの両方に挑戦するというローテも可能だったはず。しかし両レースを制した「紅葉ホース」の記録はない。惜しいところでは1998年のユーセイシュタイン。この年はもみじSが先に行われたが、1勝馬の身で臨んだもみじSは2着で、次走に自己条件のかえで賞を使って勝ち上がった。京都競馬場が再開する来年以降は、かえで賞の復活もぜひとも検討してもらいたい。

 

 

***** 2022/12/5 *****

 

 

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