マイルか、スプリントか
「最優秀短距離馬に加えて最優秀マイラーの創設をという声は今でもたまに聞こえてくる」
12月3日付「続・マイルの申し子」の中でそう書いたら、今日になってJRAはJRA賞の最優秀短距離馬部門を「最優秀スプリンター」と「最優秀マイラー」の二部門に分けることを発表した。もちろん偶然。実現するのは2024年度からだそうだ。これにより部門賞は9タイトルから10タイトルとなる。
これまでの規定では「最優秀短距離馬」の選考基準について「1600m以下のレースを対象」としていた。それが2024年から最優秀マイラーは1400~1600m、最優秀スプリンターは1400m未満でカテゴライズするらしい。ちなみに、JPNサラブレッドランキングの基準ではスプリントを1000~1300m、マイルは1301~1899mと規定しており若干のズレが生じている。つまりドバイターフを圧勝して「マイル」で高いレーティングを獲得しても、JRA賞「最優秀マイラー」に選ばれるとは限らない。
ちなみに今年の成績で最優秀マイラーと最優秀スプリンターを選ぶならどの馬になるだろうか?
1400~1600mのGⅠを複数勝った馬はいない。ソダシがマイルGⅠを3回走って(1,0,2,0)の成績を残したが、2着ならともかく3着をどこまで評価すべきか。そうなるとGⅠに加えGⅡも勝っているセリフォスか有利に思える。投票モノは上半期より下半期の活躍の方が有利なことは言うまでもない。
もっと難しいのが最優秀スプリンター。ナランフレグは高松宮記念の1勝のみ。ジャンダルムにしても、GⅠとGⅢを勝った一方でそれ以外の4戦はすべて二桁着順に沈んでいるところがネック。GⅡ2勝、GⅢ1勝のメイケイエールが香港スプリントを勝てば文句なしだったのに。
ならばJBCスプリントの覇者ダンシングプリンスでどうだろうか。北海道スプリントカップとリヤドダートスプリントを含めてスプリント重賞を3勝なら有資格馬であろう。なにより先ほど引用させてもらったJPNサラブレッドランキングでは117ポンドを獲得。ジャンダルムの115ポンド、ナランフレグの114ポンドを上回り、スプリント部門の国内トップに立っている。もちろん最優秀スプリンターの規定に「芝に限る」といった制限はない。
最優秀マイラーと最優秀スプリンターのタイトルが分かれたことで私が期待するのは両タイトルのダブル受賞。その難しさを考えるとき、マイルでもスプリントでも圧倒的強さを見せたタイキシャトルやグランアレグリアの凄さに思いが至る。JRAの思惑をあざ笑うような活躍を見せる快速馬の誕生を期待したい。
***** 2022/12/12 *****
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