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2022年12月16日 (金)

明瞭簡潔なればこそ

あさって行われるGⅠ「朝日杯フューチュリティステークス」は改名から22年目を迎えるが、未だに馴染めぬというファンも少なくはない。「フューチュリティ」という言葉への馴染みが薄い上、我々日本人の口蓋では「フューチュリティ」という単語は発音しづらいのである。「阪神ジュベナイルフィリーズ」も同様。JRAの看板たるGⅠレースなのだから、もう少し簡潔で馴染みやすい名前にしてもらいたかった。

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前身の「朝日杯3歳ステークス」から数えて今年で74回目。戦後に登場した重賞としては3番目に古い老舗である。改名は馬齢表記制度変更という必要に迫られてのものだったわけだが、単なる「朝日杯」でいけない理由があったのか? 「毎日杯」や「阪急杯」の立場も、実は危ういのかもしれない。

英語がダメだとは言わない。要は分かりやすくて発音しやすいこと。大井で2011年から行われている「レディスプレリュード」も意味の理解という点で難がある。ちなみに「プレリュード」とは「前奏」とか「予兆」という意味。「JBCレディスクラシック」の前哨戦という意味を込めたレース名ということであろう。そもそも女性を意味する「lady」の発音は「レイディ」ではないか。

もちろん回数を重ねれば徐々に馴染んでくるはずなのだが、南関東の場合は馴染む頃にはレースそのものが廃止になるケースも少なくない。「TCK女王盃」の名も兵庫移設に伴って消えて無くなる。

Yukichan

本来ならば過去の名馬の名をレース名で残すことが競馬の連続性、歴史性を考えても意義のあることだし、ファンにも受け入れやすいはずだ。欧米では名馬の名を冠したレースが数多くある。だが、JRAには「セントライト記念」と「シンザン記念」の2レースしかない。副題としても共同通信杯2歳Sに「トキノミノル記念」と付けられているだけ。いかにも少ないという意見は、ずっと前から沸き起こっている。

これについては「冠名があるからNG」とか「現在も種牡馬として供用されているからNG」として、JRAもなかなか実現に動こうとはしていない。シンザン記念が創設されたのは、シンザンが種牡馬としてバリバリ現役の時だったはずなのだが。

南関東でもハイセイコー記念、ロジータ記念、フジノウェーブ記念、ダイオライト記念と名馬の名前を冠したレースが行われている。そこに来年から「フリオーソレジェンドカップ」が加わることになった。それは良い。ただ「レジェンド」と付け足したのは余計だったような気がしてならない。レース名にその名を遺す馬がレジェンドなのは当たり前。シンプルに「フリオーソ記念」とした方が、レジェンド感はむしろ増したように思う。

 

 

***** 2022/12/16 *****

 

 

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