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2022年12月24日 (土)

のり巻きと言えば

ひと昔前まで関東では寿司屋で「のり巻き」と言えば細巻き、それも干瓢巻きを指した。最近では鉄火巻きやかっぱ巻き、納豆巻きなんかもひっくるめて「のり巻き」と呼ぶ。それでも細巻きであることに違いはない。

ところが関西で「のり巻き」とか「巻き寿司」と言うとそれは太巻き寿司のこと。スーパーのお惣菜コーナーに細巻きが無いことはあっても、太巻きが無いということはない。具材は干瓢に加えてキュウリ、しいたけ、おぼろ、そして高野豆腐。大阪に来るまで高野豆腐が寿司の具材になるなんて思わなかった。なんにせよ太巻きは細巻きに比べて腹持ちがよいから、お弁当にぴったりだ。

そんなわけで朝日杯フューチュリティS当日は近所のスーパーで太巻きを仕入れて阪神競馬場へ。

Futomaki1

神奈川にある私の自宅近くの鮨屋さんには土曜になると競馬関係者が現れることが多かった。翌日の競馬談義に花を咲かせて深酒するのはいつものこと。それでも勘定の前に「あした一本よろしくね」と言って店を出た。その翌日、二日酔いに痛む頭を抱えながら、まだ暖簾のかからぬ店を覗くと、小僧さんが掃除の手を休めて折を手渡してくれる。それがその日競馬場で食べる昼食。中に入っていたのは特製の太巻きであった。

エビ、マグロ、ヤリイカ、シャコ、コハダ、ヒラマサ、玉子、キュウリといった具がギュッと巻かれていて、切り口の彩りは美しく、もちろん食べても美味しい。他人にお裾分けしやすいのも太巻きの良さのひとつ。私が持参するこの太巻きを楽しみにしている馬主もいた。

Futomaki2

太巻きは鮨屋の土産の定番だ。むろん握り寿司も土産にできるが、握りというものは握ったその場で間髪入れずに食べるように作られている。太巻ならば時間が経っても、さほど影響することはない。良い鮨屋には良い太巻きを作れる職人が必ずいるものだ。

なのに、少なくとも関東では鮨屋での太巻きの立場はあまり芳しくはない。「節分の時に食べる程度」とか「酒に合わない」とか「大きくて食べづらい」などと言われるばかりでは、太巻きが少しばかり可哀想ではないか。美味しいネタがたくさん並んだあの豪華さと調和が理解されないのは、太巻きファンとして悲しくもあった。だから関西の太巻きがこんなにも愛されているのは嬉しい限り。スーパーの太巻きも安くて美味しいけど、来年はもっと色んなお店の太巻きにチャレンジしてみよう。

 

 

***** 2022/12/24 *****

 

 

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