スマイルで年越しを
近所の喫茶店でモーニングを食べ、大阪天満宮を参拝して、天神橋商店街をぶらぶら歩いてから競馬場に向かい、寒風に吹かれながら馬券と対峙したのち、すし詰めのバスに揺られて帰る途中に仕事場に顔を出してからどこかで夕食を取って帰宅―――。
この三日間はまったく同じサイクルで過ごした。振り返れば東京で過ごす年の瀬とさほど変わりない。ただひとつ、天満宮にお参りするところが違う。近所だから普段からちょいちょい顔を出してはいるのだが、この三日間は毎朝ちゃんと参拝しようと決めていた。競馬で終いの3ハロンが重要なのと同じように、年越しは終いの3日間が大事。笑えぬ問題だらけの2022年だったけど、終わりよければすべてヨシとしたい。終いの脚色が次への希望につながるのは競馬と同じだ。
園田のグランドフィナーレは2歳重賞の園田ジュニアカップ。半世紀もの歴史を誇り、過去の優勝馬にはロードバクシンやオオエライジンといった名馬たちが名を連ねると思えば、適当に馬券を買うわけにもいかないのだが、なにぶん馬が分からない。ほとんどの馬が初めましてだからパドックの状態も比べようがない。となれば馬券は成績欄の数字に頼ることになる。
デビューからの3連勝で人気を集めているスマイルミーシャだが、その3勝すべてで上がり3ハロン37秒台を記録しているように中身も濃い。中1週の強行軍が多少気がかりではあるが、そこは若さで克服してくれることを願う。相手も上がりタイムの順に選んで、2022年を締め括る馬券の買い目は決まった。
⑪スマイルミーシャを軸に馬連3点。前走で34秒台の上がりをマークした⑤ピーチクパーチクは厚めにしたが、買ってからピーチクパーチクの前走が芝1200m戦だったことに気づいた。でも、そういうところを敢えて無視することで高配当にありつけることだってある。
そのスマイルミーシャは道中4~5番手を追走。2週目の3角過ぎから一気に仕掛けて先頭を捉えると、内から馬体を合わせてきたべラジオソノダラブとの一騎打ちをクビ差制して優勝した。メンバー唯一の37秒台の脚を繰り出して、デビュー以来4戦4勝。牝馬の優勝は20年ぶりだが、来年はグランダムジャパン路線ではなく地元の3冠路線を歩むという。連勝街道の行方に注目したい。
手綱を取った吉村智洋騎手は今日も3勝を挙げて、年間349勝を挙げて全国リーディング獲得に華を添えた。こちらは2018年以来2度目の栄冠。ただ19年から3年連続で船橋の森泰斗騎手の2着に甘んじていただけに、今年のリーディング奪還は喜びもひとしおであろう。優勝騎手インタビューでは歓喜のコメントが聞けるかと思いきや、「人生良い時もあれば悪い時もある。悪い時でも笑顔で過ごしていれば良くなると信じて頑張るしかないので、来年も応援よろしくお願いします」と真摯な言葉が続いた。勝って当然のプレッシャーを背負い続ける者の偽らざる声か。それでも1番人気スマイルミ―シャが勝ったおかげで笑顔になった人は多いはずだ。
馬連⑥-⑪の配当は370円。私の2022年最後の馬券は1100円の購入額に対し1110円の払い戻しという奇跡的な結果に終わった。たとえ10円でも勝ちは勝ち。笑って年を越すことにしよう。
それではみなさま、よいお年を。
***** 2022/12/31 *****
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