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2022年9月20日 (火)

お城のうまや

台風14号が過ぎ去って大阪は台風一過の青空が広がった。吹き返しの風が入って、ひと晩で夏から秋に様変わり。朝、自宅を出るときに思わず「寒っ!」と口にしたのは決して大袈裟ではない。

「昨日は8月の暑さでしたが今日は10月の寒さです」

テレビのニュースキャスターはそう言った。そういえば今週はお彼岸。なんだかんだで暦通りに季節は動いている。

それでは次のニュース。

「滋賀県彦根市の彦根城で19日、重要文化財の馬屋の門扉が外れ、倒れているのが見つかりました。市の危機管理課は、強風の影響で外れたものとみて修復を急ぐ方針です」

ニュースキャスターはさして興味も無さそうにニュースを読み上げたが、私はその映像に食い入った。なにせ先日訪れたばかりである。

Umaya1  

柿葺(こけらぶき)の木造平屋建て。元禄時代の建築だというから300~350年は経っている。お城の内堀近くにあり、L字型の屋内には21頭分の馬房が区切られていた。城の敷地内に厩舎が残っているのは、全国でも彦根城だけ。そういうこともあって1963年に重要文化財に指定されたという。

たかだか1週間前のことなのにあの日は気温35度の酷暑日だった。吹き出る汗を拭きながら馬屋を覗くと、そこには馬が!

Umaya2 

―――と思ったら模型でした。ここら辺が日本ぽいところ。私なら本物の馬を繋ぎ留めておく。馬が居てこその馬屋ではないか。

海外に目を向ければ古城に残る厩舎はさほど珍しくない。有名なところではシャンティイ場。フランスダービーが行われるシャンティイ競馬場の向こう正面に佇む美しい城は、ルネサンス期に建てられた歴史的建造物であり、隣接する「大厩舎」は今も「馬の博物館」として人気の観光スポットになっている。

博物館に入場すると薄暗い馬房にエリアに足を踏み入れることになる。左右に広がる馬房。高い天井は、かつての大厩舎の風情そのままだ。驚くことに馬の匂いまで漂ってくる……と思ってよくよく見れば、それぞれの馬房に本物の馬が繋がれているではないか。そこにはサラブレッドのような軽種からブルトンのような重種まで様々な品種の馬を―――生きた馬を―――身近に見ることができる。それだけでない。この歴史的建造物が今なお厩舎として使われていることも実感できよう。

彦根城にそこまで求めるのは野暮だと分かっている。あるいは文化財で馬を飼うこと自体が認められていないのかもしれない。しかし、仮にそうであるとするならばルールがおかしいということになる。そもそも彦根城の馬屋はもともと非公開だった。それを常設展示にしたことは相当高いハードルだったに違いないが、英断であることは確かであろう。ならばもう一歩。ひこにゃんの力でなんとかならないだろうか。

 

 

***** 2022/9/20 *****

 

 

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