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2022年9月22日 (木)

鉄砲の季節

今週末は神戸新聞杯。菊花賞トライアルの注目点はダービー以来の休み明けとなる馬たちの「夏の成長」であろう。青葉賞勝ち馬でダービー5着のプラダリアを筆頭に、ビーアストニッシド、アスクワイルドモアといった休み明けの重賞ウイナーたちが、いったいどんな夏を過ごしたのか。レース結果よりも気になると言っても過言ではない。

神戸新聞杯に限らず9月の馬券検討は、夏のローカルを勝ち上がってきたグループと、春のビッグレースを戦い抜いて夏を休養に充てていたグループとの比較が大きなウェイトを占める。先週のセントライト記念は夏の小倉で勝ち上がったガイアフォースが優勝。ダービー以来の休み明けにもかかわらず、春の実績で1番人気に推されたアスクビクターモアをねじ伏せた。やはり久しぶりの競馬はどこか勝手が違う。

休養明けでレースに出走することを「鉄砲」と呼ぶ。鉄砲で遠くの的、すなわち遠くのレースを狙うという説が有力だ。鉄砲を撃つ音になぞらえて、休み明けのレースで好走することを「ポン駆けする」「ポン駆けがきく」などと言うことも。ともあれ9月は鉄砲の季節。先週日曜の中京12レースに至っては出走16頭全馬が休み明けときた。こうなると力の比較は困難を極める。それでも1番人気⇒2番人気で決着するのだから、馬券を買うファンの慧眼は素晴らしい。

ポン駆けと聞いて、重賞3勝のシンゲンを思い出す向きも多いのではないか。3か月以上の休み明けで(4,1,1,1)の好成績。調教師の言葉によれば、休み明けは落ち着いてレースに臨める一方で、2戦目となると、レースが近づくにつれてソワソワと落ち着きを失くしてしまうタイプだったという。

だが、シンゲンのようなケースは少数派であろう。普通に考えれば、休んだ直後に100%の力を発揮するのは難しい。今週のオールカマーには昨年暮れのチャレンジカップ以来9か月のソーヴァリアントが出走を予定している。いやそれならバビットは昨年の中山記念以来だから1年7か月ぶりだ。いやいやクリスタルブラックに至っては一昨年の皐月賞以来2年5か月ぶりじゃないか。

Sovalient

実はオールカマーは休み明けが好走することが多いレースである。オールカマーの歴史はポン駆けの歴史と言っても過言ではない。

主役は宝塚記念以来の実績馬であることがほとんど。昨年のウインマリリンをはじめ、ゴールドアクターやサクラローレルのように天皇賞(春)以来で勝つ馬も珍しくない。1989年のオールカマーを勝ったオグリキャップは、前年の有馬記念以来9か月ぶりだったし、前出のシンゲンが2010年のオールカマーを勝った時などは前年の天皇賞(秋)以来の11か月ぶりである。JRA平地重賞優勝の休み明け記録は、今年の鳴尾記念でヴェルトライゼンデが記録した中495日だが、それまではスズパレードが保持していた中461日が最長だった。それが記録されたレースも1988年のオールカマー。休み明けの一戦に臨む面々にとっては心強いエピソードであろう。

 

 

***** 2022/9/22 *****

 

 

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