夏の芝を懸命に駆けるエヒト
昨日の七夕賞は6番人気のエヒトが快勝。「混戦」との前評判を嘲笑うかのように、直線独走で後続を2馬身半も突き放した。
田中勝春騎手はマイスタイルの函館記念以来3年ぶりの重賞勝利。その間に彼も50歳の大台を超えていた。これが今年の5勝目。とはいえ、こういうところで存在感を示すあたりはさすがと言うほかはない。勝利騎手インタビューで「久しぶりだなー、これ」と切り出して笑いを取るのもベテランならでは。ともあれ同年代の騎手の活躍は嬉しい。
そのインタビューで彼は「厩舎から調子の良さは聞いていたし、かえし馬で精神面の成長も実感できた」と語った。エヒトには新馬戦と本栖湖特別で騎乗したことがあるから、その時と比較したのであろう。ちなみに勝春騎手はエヒトの母ヒーラにも騎乗して勝ったことがある。そう考えれば、エヒトの初重賞制覇が彼によってもたらされたのは必然という気がしないでもない。2002年からはイーグルカフェとミデオンビットの手綱で連覇を達成。勝春騎手は七夕賞とも相性が良い。
エヒトの平井裕オーナーにとっては、これが嬉しいJRA重賞初勝利となった。ツイッターを開設されていることはファンの間では有名な話。その投稿からは溢れんばかりの馬への愛情がひしひしと伝わってくる。仕事中の私に直電で「エヒトが勝った!」と教えてくれたのは私の娘だった。実は娘もフォロワーの一人。まるで自分のことのように喜んでいたが、そうした方は案外たくさんいらっしゃったのかもしれない。
本来なら今日は新聞休刊日のはずだった。だが、参院選挙のおかげで通常通り新聞が発行されることに。スポーツ紙とて例外ではない。七夕賞のプレゼンターを務められた女優の見上愛さんは「夏の芝を懸命に駆けるエヒトの姿に感動しました」と語った。こうしたコメントも活字として多くの人の目に触れることになる。そういう意味ではエヒトは「持っている」。次はサマー2000シリーズのチャンピオンを目指して、夏の芝を駆けてほしい。
***** 2022/7/11 *****
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