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2022年7月29日 (金)

広島の仇を京都で

関西は連日の猛暑。中でも京都の蒸し暑さは異質だ。「溶けるような」「蒸し風呂のような」「うだるような」。京都人が暑さを形容する言葉は様々だが、どれも正しい。この暑さに比べたら、東京の暑さはどことなく薄っぺらく感じる。

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暑くなると冷たいメニューが恋しくなるのは生き物としての性(さが)であろう。そう思って周りを見渡せば、街には「冷やし系」メニューが溢れかえっている。「冷やしおでん」「冷やし餃子」「冷やしカレー」「冷やしタイ焼き」、果ては「冷やしカツ丼」なるものまで。「冷やし」だから受け入れられるのだろうが、これを「冷めた」に変えたら誰も進んで食べようとは思うまい。

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暑さから逃れるように八坂神社隣の『味味香』の暖簾をくぐった。以前、ウインズ広島のビル内にまさかの『味味香』の看板を発見したのだが、残念ながら休業中だったことを思い出す。あの日のリベンジは京都の本店で。注文はもちろん「冷やしカレーうどん」だ。

「冷たいカレーはちょっと……」

そう言って避けていた時期もあるのだけど、もともと冷やして食べるのが普通のうどん相手なら、冷たいカレーの違和感もさほど気にならない。

鰹と昆布で取ったダシに、11種類のスパイスを調合されたスパイシーなカレーを合わせてキンキンに冷やしたら、氷水でシメた細打ちのうどんを投入。トッピングは冷たいお揚げさんと半熟卵と九条ネギ。温かいカレーうどんとビジュアルはさほど変わらない。

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レンゲでダシをすくうとトロりと濃厚なのに、口に含めると意外にもサラッとした口当たり。ダシの風味も手伝って、どことなくヴィシソワーズのよう。冷たさのせいか、口に入れた瞬間にカレーの辛さはさほど感じない。なのに食べ終えるとちゃんとカレーの後味と辛さが残る。不思議。

うどんは細打ちでも、しっかりコシがある。これなら胡麻ダレのざるうどんも美味いに違いないが、それは次回に取っておこう。そして何よりこのお揚げさんが美味い。東京や大阪で食べる油揚げとは全く違う。油揚げひとつ取っても、関東の田舎者は「さすが京都」と恐れ入ってしまう。

ともあれ広島のリベンジは果たした。たっぷり水を飲んで水分補給も完了。さあ、炎天下の散歩を再開するとしよう。

 

 

***** 2022/7/29 *****

 

 

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