台風4号接近中
台風4号が日本列島に上陸。九州、四国に大雨をもたらした雨雲は、明日関東にかかるという。
明日行われるスパーキングレディーカップは台風と少なからぬ因縁がある。2017年は1日違いで台風3号の直撃を逃れたが、2002年は台風6号の影響をモロに受けた。競馬開催は中止。スパーキングレディーカップのみ翌木曜に順延の措置が取られている。そうでなくても雨に祟られることが多いレースだが、梅雨どきに行われるレースゆえこればかりは仕方ない。
「梅雨どきに牝馬の体調を保つのは大変。一晩で調子がガラッと変わるよ」
そんな話を厩舎関係者からよく聞かされたものだ。女性ホルモンの繊細な働きが、気温とか気圧とか湿度の微妙な変化に影響を受けるのかもしれない。そういえば我が家の家人も梅雨どきは怒ってばかりいる。気象に気性が左右されるのなら、馬も人も同じであろう。私などは、てっきり洗濯物が乾かなくてイライラしているのかと思ってた。それがまた家人を怒らせる。
ともあれ、そんな難しい季節でありながら、狙ったレースにピタリと照準を合わせて出走させる陣営の努力は半端ではない。ゆえに梅雨どきの装鞍所は、ピリピリと殺気立っている。牝馬だけのレースならなおさらだ。なにせ川崎には牝馬限定重賞が多い。エンプレス杯、関東オークス、スパーキングレディーカップ、ローレル賞、そしてロジータ記念。川崎に牝馬限定重賞が多い理由の一つとして、古くから多くの名牝が活躍してきた歴史が挙げられる。
1951年のオークスを勝ったキヨフジはもともと川崎でデビューを果たした。中央競馬の歴史上、初めて地方出身のクラシックホースとなったことでも知られる。また、南関史上最強の牝馬ロジータは、1989年に牝馬として初めて南関東三冠競走(羽田盃、東京ダービー、東京王冠賞)を制しただけに留まらず、川崎記念や東京大賞典など南関東のビッグタイトルを総なめにした。ホクトベガが後続を18馬身も突き放した1995年のエンプレス杯はもはや伝説になっているし、白毛のアイドル・ユキチャンが、2008年の関東オークスで白毛馬初の重賞制覇を果たしたことは、まだ記憶にも新しい。
スパーキングレディーカップは今年で26回を数えるが、JRAとの交流重賞になったのは2年目から。そのレースを勝ったのは地元南関東のホクトロビン(父・ブランコ)だった。副題にもなっているホクトベガを彷彿とさせる大捲りでJRAのシルクフェニックス以下を一蹴。佐藤祐樹騎手が手にした唯一のダートグレード勝利でもある。
JRA在籍経験を持たぬ生粋の地方馬の勝利は、このホクトロビンを最後に途絶えている。地方馬の奮起を期待したい。台風4号は温帯低気圧に変わったが、明日の関東は雨予報のまま。道悪競馬は避けられなそうだ。
***** 2022/7/5 *****
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