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2022年7月20日 (水)

夢のオールスター

MLBオールスターゲームに今年も大谷翔平選手が先発出場。ナショナルリーグの先発投手カーショウとの対戦に息を飲み、アメリカンリーグのヒメネスとアンダーソンの二遊間が繰り出した見事なダブルプレーには思わず声が出た。スタントンが特大の同点アーチを放ってMVP。「オールスター」だから当たり前なのだが、次から次へとスター選手が出てきて、観ているだけなのに息を入れる暇がない。さすが本場のオールスターは違う。

「ナショナルリーグの大投手カール・ハッベルとアメリカンリーグの本塁打王ベーブ・ルースの対決が見てみたい」

1933年、アメリカのひとりの少年が、新聞社にこんな手紙を送った。リーグの異なる二人のスター選手が対戦するとすれば、それはワールドシリーズ以外にあり得ない。だが、少年の夢は叶って、シカゴ万国博覧会の関連行事として実施されたのがオールスターゲームの始まりだ。ファン投票で選ばれることは真のスターの証明であり、メジャーリーガー最高の名誉のひとつとされる。

日本でも1951年から実施され、「夢の球宴」などと呼ばれてきた。だが、ファン投票1位で選出されながら出場を辞退する選手が相次いだり、起用法に対して不満を述べたり、相手投手に露骨な「ストレート勝負」を要求するなど、近年は「夢」の部分に陰りが出てきた感が否めない。

やはり、年2、3試合も行われることがオールスターゲームの権威を失墜させているのだろう。しかしながら、オールスターには選手の年金の財源確保という重要な役割も隠されている。梅雨や台風の心配のある時季でもあり、雨天中止という事態にでもなれば、それこそ財政逼迫の危機にも繋がりかねない。

Arima

競馬の有馬記念が、プロ野球のオールスター戦に範を取って創設されたことは有名だが、それ以前にもプロ野球の手法を倣って人気を博したレースがあったことをご存じだろうか。

それは有馬記念の7年前、1949年に創設された「読売カップ」。なんとこのレース、アラブによる東西対抗戦の形式を取っていた。当時のプロ野球といえば、まだ1リーグ制の時代。オールスターゲームも行われていなかったが、ペナントレース終了直後に行われる東西対抗ゲームは非常に人気があり、読売カップはそこに着目したと言われる。

1着賞金は30万円。日本ダービーが60万円だったことを思えば、アラブとしては破格の賞金である。しかもダービー同様に内閣総理大臣賞まで贈呈されるとあれば、ビッグネームが参戦しないはずもない。「アラブの怪物」と呼ばれたタマツバキが参戦した1951年春には、日本ダービーに次ぐ2位の売り上げを記録した。つまり、皐月賞や菊花賞といったクラシックはもとより、古馬最高峰のレースである天皇賞よりも馬券が売れたのである。アラブであれサラであれ、番組に工夫が凝らされ、出走メンバーが充実すれば馬券が売れることを示した好例であろう。コロナ禍がもたらした売り上げ増加に沸く競馬界だが、こういう時にこそ足元の番組を見つめなおしたい。

 

 

***** 2022/7/20 *****

 

 

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