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2022年7月16日 (土)

バケツをひっくり返したような

東北から九州の広い範囲で雨が続いている。今朝も雨音で目が覚めた。「朝雨馬に鞍置け」は、朝の雨はすぐにあがるから外出の用意をしろという意味の諺だが、朝から大粒の雨が降ったりやんだりして、きっぱり降り止む気配がない。これでは出かけようにも二の足を踏んでしまう。

昨日は東京出張。2時間滞在でとんぼ返りした。行きの新幹線から見た車窓もずっと雨。小田原あたりは窓の外が見えないほどの猛烈な雨である。「えらいこっちゃ。新幹線止まるで」なんて冗談半分で言ってみたりしたが、この時点ではまさかホントに止まるなどと思っているはずもない。帰路の東京駅の惨状を目の当たりにして、ようやくオノレの能天気さに気付いた。1時間程度の遅れで運行再開してくれたのは幸運だったとみるべきだろう。それでも新大阪到着は深夜。終電はとうに過ぎていた。

新幹線を止めたのは、小田原付近で観測された1時間に58ミリの「滝のような雨」だったという。滝にも大小様々あろうが仮に那智の滝レベルだとすれば、新幹線とてひとたまりもあるまい。もちろんこの数字は基準値を超えているそうだ。ならば文句も言えない。

ところで、「滝のような雨」といった雨の強さを表す言葉は、気象庁によってきちんと分類され、使い分けられていることをご存知だろうか。

10~20ミリ=やや強い雨。「ザーザー降り」「足元が濡れる雨」
20~30ミリ=強い雨。「土砂降り」「傘を差しても濡れる雨」
30~50ミリ=激しい雨。「バケツをひっくり返したような雨」
50~80ミリ=非常に激しい雨。「滝のような雨」
80ミリ以上 =猛烈な雨。「息苦しさを感じる雨」

Rain_20220716191301

「バケツをひっくり返したような」もよく大雨の喩えに使われるが、実際にバシャっとバケツをひっくり返したあのイメージと雨の強さは結びつきにくく、用語としてもいささか長い。そこで最近はさらに分かりやすい表現として、「車のワイパーを速くしても見づらい」とか「寝ている人の半数ぐらいが雨に気づく」という表現が使われるようにもなったけど、車のワイパーとか寝ている人というのもそれぞれなので、さらに混迷の度合いは深まっているという声も聞く。

ちなみに冒頭に馬が登場する雨に関する諺を紹介したが、もっとも有名なところでは「夏の雨は馬の背を分ける」であろう。夏の夕立は馬の背の片側だけを濡らすほど狭い地域で降るという喩えだが、最近の夏の雨はそういう潔さがに欠ける部分があるように思えてならない。私が子供の頃は、暑い夏の午後になると「ひと雨降れば涼しくなる」とよく言ったもの。一気にザーッと降ったと思ったら一転、嘘のようにカラリと晴れ上がる夕立は、ひとときの涼しさをもたらす自然の清涼剤だった。

しかし近年の夏の雨は湿った空気が居座ったところに流れ込む寒気によってもたらされるせいか、ずっと同じ場所で降り続けるしつこい雨であることが多い。「馬の背を分ける」こともなく、ようやくやんだと思っても蒸し暑さはしっかりと残る。ゲリラ豪雨などという風情の無い呼び名が定着してしまうのも、致し方あるまい。これを書いている今日も雨で新幹線の運転見合わせのニュースが届いた。明日は傘の心配をせずに出歩けるだろうか。

 

 

***** 2022/7/16 *****

 

 

 

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