新種牡馬を狙え
競馬のサイクルはダービーからダービーへ。2歳競馬の開始と同時に新種牡馬の話題が多くなるのは自然な流れであろう。なにせ昨年の新種牡馬ドレフォンが今年の皐月賞馬ジオクリフを送り出し、同じくキタサンブラック産駒のイクイノックスが皐月・ダービーで連続2着したばかり。今年の新種牡馬が来年のクラシックを賑わせる可能性は高い。
それを踏まえても今年はダービー直後の月曜日から新種牡馬の話題が多かった気がする。結果、土日の新馬戦5鞍で新種牡馬の産駒が3勝、2着3回と大活躍だった。ちなみに昨年の開幕週もまったく同じ5鞍が行われて新種牡馬の産駒は1勝。2着はない。そも出走自体が少なかった。
今日の中京5R(芝1400m)はミッキーロケット産駒のジョウショウホープが4番人気の評価を覆して完勝。コーナーをきれいに回れない馬がいて4コーナーで左右から進路を絞られるシーンもあったが、ひるむことなく抜け出した。2018年の宝塚記念で香港のワーザーに迫られながら抜かせなかった父の勝負根性を受け継いでいるのかもしれない。
このレースで2着したメイクザビートはマインドユアビスケッツの産駒。つまり新種牡馬のワンツーである。それでピンときた。ここ数年の種牡馬界は世代交代の流れにあるが、ディープインパクト産駒がほぼいなくなる今年こそ明確な潮目となるに違いない。となれば2歳世代は新種牡馬の産駒が強いはず。そこで東京6レース(芝1400m)の出馬表を見れば、新種牡馬産駒は2頭しかいない。なんだ簡単じゃないか。
クラックオブドーン(父サトノクラウン)1番人気
ロードディフィート(父デクラレーションオブウォー)7番人気
レースは好発を決めたロードディフィートが3番手追走から、直線の坂を上って先頭。やった。当たる。ほら、やっぱ新種牡馬が強いんだ。そのままそのまま。
……と心の中で叫んでたら、どこにいたのか外からクラックオブドーンが追い込んでくる。おお! お前も来たか。サトノクラウンの仔も走るんだな;ぁ。でもちょっと待て。2頭の馬連は買ってない。2着に来られるとちょっとがっかりするから、4着とか3着あたりでいいぞ。
そんな私の声を聴いたのか、クラックオブドーンのギアがさらに上がった。2番手からロードディフィートを猛然と追い詰めてくる。
いや、待ってくれ。100円とはいえロードディフィートの単勝の方がつくんだよ。やめてくれ福永!やめてくれ~っ!。
2頭の頭が完全に並んだところがゴール。「これは微妙です」という実況アナの言葉は慰めにしか聞こえぬ。写真判定を待つまでもない。私はクラックオブドーンの勝利を確信していた。そも「この2頭」と決めたのに、なんで馬連買うてへんのやろ。100円でええのに。
なんて思わず関西弁になったのはサトノクラウンが2017年宝塚記念の優勝馬であることを思い出したから。渋った馬場を味方に力強く抜け出したお父さんのイメージとは異なり、素軽さをも兼ね備えているようだ。父の新馬戦でも勝利に導いた福永騎手が手綱を取っていたことが、最後のハナ差につながったのかもしれない。それにしても私の馬券下手はどないすれば治るんやろか。「粗品の呪い」よりもヤバい気がする。
***** 2022/6/5 *****
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