ダービーと体調問題
ここ数日は多忙を極めている。ブログの更新が滞ったのはそのせい。中には体調を気遣ってくださった方もいる。申し訳ありません。本人はいたって健康。新型コロナにもやられていません。
かつての私は日本ダービーが終わると決まって体調を崩していた。たいてい胃腸炎。オークス終了と同時に始まる連夜の酒席で弱った胃腸が、ダービー前夜の緊張と当日の興奮とレース後の脱力とで悲鳴を上げていたに違いない。それである年、オークス翌日から酒は一滴たりとも口にせず、ダービー当日は敢えて昼メシを抜くという荒業に出たのだが、それでもしっかり寝込む羽目になった。ダービー当日はコーヒーと夜にうどんを口にしただけ。コーヒー3杯は普通であろう。よもやうどんにアタるとも思えぬ。
眠れぬ夜、高熱と胃痛に苛まれながら布団の中で原因について頭を巡らせていると、今度は突然両脚のふくらはぎが攣った。
はっきり言って激痛である。それでも悲鳴をあげなかったのは寝静まる家族のため……ではなく、あまりの痛みに声さえ出なかったというのが正解。片脚の痙攣であれば、もう片方の脚を使って筋肉を伸ばすことができるが、いっぺんに両脚となると、それもできない。無理を承知で手で足首を掴まえて伸ばそうとしたら、今度は背中が攣りそうになったので、それも諦めた。
腹痛と痙攣に悶える地獄のような夜が明けると、全身が著しくダルい。倦怠感などという生やさしいレベルではなく、前日にフルマラソンを走ったかのような、絶望的な疲労感である。たしかに競馬場に行けば多少 なりとも歩くから、脚が張る程度なら分かる。だが、肩から二の腕にかけても、まるで草野球で一試合投げた翌日のごとき筋肉痛というのは、どう考えても解せぬ。マークカードに赤ペンを走らせる作業だけで、こんなことになるはずがない。謎は深まる。
ダービーは1年間の長きに及ぶ講義の最終試験のようなもの。この1年間の成果が問われると思えば、自ずと心身の負担も増す。両脚痙攣に見舞われた際、私は悲鳴をあげることができなかったけれど、私の身体は様々な形で悲鳴をあげているに違いない。酒や昼メシを抜いた程度では、その悲鳴を抑えることなどできぬのであろう。なら、それを黙って受け入れるのが正しい競馬ファンの在り方か。ダービー当日は場外に出かけただけの今年ですら、翌月曜日はどことなく身体がふわふわしていた。この疲労感もダービーに付随する一種の快感として甘受できる―――。もはやそんな境地に辿り着いた感もなくはない。
***** 2022/6/2 *****
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