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2022年6月10日 (金)

女王陛下の情熱

英国のエリザベス女王陛下が即位70年を迎えられ、数日間にわたって記念行事「プラチナ・ジュビリー」が行われた。2日には近衛騎兵隊や軍楽隊によるパレードが盛大に行われ、女王陛下はパレードには参加されなかったものの、バッキンガム宮殿のバルコニーに姿を現し、近衛兵らから敬礼を受けている。

お元気そうで何より。そう思ったのだが、4日に行われたダービーの観戦は「身体的な負担を考慮」して欠席されたらしい。何より競馬が好きで、毎年欠かさず観戦されてきた女王不在のダービーは、的場文男騎手不在の東京ダービーとは比較にならないほどの衝撃を受けた。

女王陛下の競馬好きは英国人ならだれでも知ってる。自らサラブレッドの生産や所有をされていることは言うまでもない。愛読書はもちろんディック・フランシス。米国訪問があればケンタッキーダービーに合わせて渡米し、ホテルではなく現地の牧場に宿泊される。我々ファンは見習うべき存在だ。

女王陛下が来日されたのは1975年のこと。それを知ったJRAは、京都競馬場で来日記念レースを開催し、女王陛下によるご観戦を実現させるべく奔走する。だがしかし、結果的に京都競馬場への来場は叶わなかった。理由は「スケジュール多忙のため」とされたが、実際には警備上の問題であったらしい。なにせ先述の通り馬最優先の女王陛下のことである。競馬と聞けばスケジュールなど平気で変えてしまったに違いない。

ちなみに、この前年の英1000ギニーと仏オークスを優勝した名牝ハイクレアは女王陛下の自家生産馬として知られるが、もっと分かりやすいところではディープインパクトの3代母である。日本における歴史的名馬の血統には女王陛下の馬への情熱が、実は強く関わっている。

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そうなれば今週のエプソムカップでもディープインパクトの血を引く馬を応援するのが礼儀であろうか。なにせ今年のエプソムカップには「エリザベス女王即位70年記念」の副題が付いている。過去のエプソムカップを振り返れば、ディープインパクト産駒の成績は一目瞭然だ。

いや、ディープインパクト産駒を応援するなら、むしろ来週水曜にロイヤルアスコット開催に挑むシャフリヤールの方か。女王陛下主催の英国競馬の祭典にハイクレアの血を受け継ぐ日本のダービー馬が出走―――。これが競馬の世界においてどれだけ意義深いことか計り知れない。果たして女王陛下はアスコットに姿を現すだろうか。我が国のダービー馬の雄姿をぜひ直接ご覧いただきたいと願うのは、ひとり私のみではあるまい。

 

 

***** 2022/6/10 *****

 

 

 

 

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