神様不在のダービー
今日の大阪はおおむね晴れ。最高気温も25度を下回って過ごしやすかった。昨日おとといは相当降ったが、この先の週間予報に傘マークは見当たらない。梅雨入りはもうしばらく先か。近畿地方の昨年の梅雨入りは5月16日だったが、これはいくらなんでも早過ぎた。
何気なく大井の中継を見たら向こうは雨。ダートに水が浮いている。どうも関東は既に梅雨入りしているらしい。ちょいと先を越された感がある。
明日は東京ダービー。もし天候「雨」で行われれば2018年以来となる。ハセノパイロが優勝し、矢野貴之騎手がついにダービージョッキーとなった年。東京に梅雨入りが宣言されたその夜の出来事だった。
この年の2着馬クリスタルシルバーの手綱を握っていたのは、通算37回目の東京ダービー騎乗となる的場文男騎手である。彼が「人生の宿題」と呼ぶダービー制覇までクビ差と迫ったが、大願成就とはならなかった。しかも驚くことに、これが10回目のダービー2着。我が国にはダービー6勝のレジェンドジョッキーがいる一方で、こんなレジェンドもいる。
かつて東京ダービーは2400mで行われてきた。今もそれを懐かしむファンは多い。2000mに距離が短縮されたのは1999年のこと。この距離変更が仮に6年早く実施されていたら、的場さんはダービーを勝っていたかもしれない。
1993年、的場文男騎手はブルーファミリーという傑出した3歳馬とコンビを組んでクラシックシーズンに臨んだ。デビューから無傷の7連勝。だがこの馬、スタートに難を抱えていたことから、陣営は毎回「外枠発走」の希望を出していた。ダービー本番でも陣営は外枠にこだわりブルーファミリーは大外14番枠に収まる。だが、あろうことか肝心のスタートで大出遅れをカマしてしまった。大井2400mはスタートしてすぐに3コーナーに差し掛かる。外枠で後手を踏んでは勝負にならない。あっという間に後方に置かれたブルーファミリーは5着惨敗。もしこれが2000mだったら、多少の出遅れは長い長いホームストレッチで挽回できたかもしれない。
通算39回目のダービー騎乗となった昨年はNHKの密着カメラが付くなど注目度は高かった。あれから1年を経た明日のダービー出走表に「的場文男」の名前はない。
あら、体調でも悪いのか―――?
そう思ったら、目の前のレースに的場文男騎手の勝負服があるではないか。元気そうでなによりだが、それを喜んでよいのかどうかは微妙だ。五体満足ながらダービーに騎乗馬がないのは屈辱である。目の前で行われていレースは偶然にも東京ダービーと同じ2000m。的場さんは1番人気に推されているらしい。しかし結果は2着。そこまでせんでも……。神様は「神様」に厳しい。
***** 2022/6/7 *****
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