3時間だけの長崎
先週の広島に続いて、今日は長崎へ。別に被爆地巡礼をするつもりはなかった。朝9時に博多到着。当初の予定はここから佐賀競馬である。しかしどうも勝てる気がしない。むしろ大負けの予感すら漂う。確たる根拠はない。だが、どうせ明日も佐賀の予定である。ならば足を踏み入れたことのない長崎に行ってみよう。時刻表を調べると、いちばん早い特急に乗れば11時23分に現地に到着。戻りは14時19分に乗れば約束の時間に間に合う。現地滞在3時間足らずで何ができるか。考えるより先に特急かもめ11号に飛び乗った。
有明海とその先にそびえる雲仙普賢岳を眺めつつ、およそ2時間で長崎駅に到着。迷うことなく路面電車に乗り換える。のんびりしている暇はない。
普段は行き当たりばったりにひたすら歩くことを旨とするタチだが、今日に限れば2時間の車中でしっかり調べてきた。なにせ3時間しかないのである。目標は五島うどん、ちゃんぽん、そして世界遺産の3つ。ある程度事務的にこなさければ、コンプリートは難しい。
まずは五島うどん。路面電車を降りて、ネットの地図を頼りに歩く。すると地図に示された辺りに「うどん」の看板を発見。店舗外観撮影の時間も惜しんで、迷わず入店した。
メニューを見てゴボウ天うどんを注文。しかし、すぐに運ばれてきた一杯を見て「おや?」と思った。五島うどんの割には太い。しかも縮れが入っている。ストレート細麺が五島の特徴。慌ててメニューを確認すると「うどん・そば」とある。そこでようやく「店ちがい」に気付いた。しかし出された以上食べぬわけにはいかない。熱々のうどんを火傷上等とばかりに流し込んで店を出ると、目当ての「あじぽんず」は隣だった。うどん屋さんが二軒並んでいるなんて思わないけど、長崎では普通なんですかね。
ともあれ貴重な時間を15分もロスしてしまった。昼時にもかかわらず「あじぽんず」が比較的空いていたのは不幸中の幸い。しかも期待にたがわぬ一杯。アゴだしのすっきりした味わいと、ツルリと喉を通る独特の麺は、たった今他でうどんを食べてきたことを忘れさせるほど舌に馴染む。スタッフの雰囲気も良く、急ぐ私のために注文と同時に会計も済ませてくれた。おかしな奴だと思ったに違いない。しかしダシの旨さは捨てきれず、最後まで飲み干して次の目的地へと急ぐ。
次はちゃんぽんの予定だったが、さすがに2杯食べた直後の腹にちゃんぽんはキツい。スケジュールも予定より押している。今となってはあの店違いが悔やまれるが、順番を変えて世界遺産にするしかない。それで大浦天主堂とグラバー邸を訪問したが詳細は割愛。ついでに映画「アオハライド」や「解夏」にも登場する祈念坂を登ってみた。
息も絶え絶えに坂を登り切ると「南山手レストハウス」という施設がある。手入れされた庭にベンチとテラス席に自販機とトイレ。誰でも無料で利用できるが、今は誰もいない。ジトッとまとわりつくような蒸し暑さのせいか。それでも時折吹き抜ける海風が心地よい。空には手の届きそうな高さでトンビが円を描いている。港から汽笛が響いた。すぐ隣のグラバー邸の喧騒が嘘のような静かな時間が流れている。ここで先を急ぐのはもったいない。ここを今回の長崎のピークと定めよう。
残り時間は少ないが、祈念坂を下りて「四海樓」でちゃんぽんを食べた。こちらの店はちゃんぽん発祥の店。当初は「支那饂飩(しなうどん)」の名で出されていたというから、このブログで取り上げても良かろう。うどんを2杯食べた直後でどうかと思ったが、なんだかんだ言って食べれるものですね。食べ終えたところで初めての長崎の旅は終了。帰りの車中で佐賀競馬の結果を確認すると、狙っていた馬が5番人気でしっかり勝っていた。予感なんてアテになりませんな。まあ、仕方ない。明日こそ佐賀で勝負だ。
***** 2022/6/17 *****
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