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2022年5月13日 (金)

桜花賞馬の復活

ヴィクトリアマイルは今年が17回目。データ派にとっては心許ない回数だが、波乱傾向にあることは疑いようがない。なにせ1番人気で勝った馬は5頭のみ。それもウオッカ、ブエナビスタ、ヴィルシーナ、アーモンドアイ、そして昨年のグランアレグリア。歴史にその名を残すような名牝ばかりだ。

本命党の悩みは、ずっと低迷してきた馬がこのレースで突如として激走するケースが多いことであろう。もともと牝馬は消長が激しい。「陰りを見せた女馬には手を出すな」の金言もある。「もう終わった」という周囲の評価をよそに、「こんなはずではない」と追いかけ続けるのは、牝馬に限って言えば危険な賭けのはずだった。一度不調の波にのまれた牝馬を再び好調の波に乗せるのは、そう簡単なことではない。

だが、このヴィクトリアマイルに限れば、不振に苦しむ牝馬たちが突然何かを思い出したかのように激走し、そのたびに穴馬券を演出してきた。昨年のストレイトガールも、一昨年のヴィルシーナも、ヴィクトリアマイルを勝つまではいずれも6連敗。1年以上勝ち星から遠ざかっていたのである。中でも極端なのが第1回の覇者ダンスインザムード。デビューから4連勝で桜花賞を制した女王も、オークスで4着と敗れてから実に14連敗という泥沼に喘いでいた。

Dance

いま思えば、彼女は初モノに縁のある馬だったような気がしてならない。ヴィクトリアマイルの初代チャンピオン。北村宏司騎手はそれがGⅠ初制覇。さらにこの夏には米国に遠征してキャッシュコールマイルを勝ち、日本調教馬として米国で重賞を勝ったサンデーサイレンス産駒の第1号にもなった。遡れば、3歳時の桜花賞制覇は藤沢和雄・元調教師にとって初めてとなるクラシックのタイトルでもある。

その藤沢氏は、ヴィクトリアマイルを勝った北村騎手に、「ムチが2回も入ってた。岡部騎手なら叩かなかったぞ」と言って周囲を笑わせた。これにはさすがの北村騎手も苦笑いするしかない。愛弟子の初めてのGⅠ勝利が嬉しくないはずがないのに、そんなシチュエーションでも注文を付けるのが藤沢流。あるいは名手を引き合いに出したことで、褒めたつもりになっているのかもしれない。ともあれ見事な桜花賞馬の復活劇だった。

さて、今年のメンバーを見渡して、不振から抜け出せぬ1頭の桜花賞馬に目が留まった。古馬牝馬によるマイルGⅠは一年でこの一度きり。復活を目指すソダシにとって、これ以上の舞台はあるまい。再び歴史が繰り返されることが果たしてあるのだろうか。桜花賞馬の復活に期待しよう。

 

 

***** 2022/5/13 *****

 

 

 

 

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