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2022年5月17日 (火)

オークスに乾杯

先週金曜日、サントリー山崎蒸溜所の見学ツアーが2年ぶりに再開された。前々から行ってみたいと思っていたがコロナで中止の憂き目に。私が大阪にいるあいだに再開は難しいだろうか。「響30年」の試飲をしたかった……。と諦めかけていただけにこれは朗報。しかし見学ツアー予約サイトにはまったく繋がらない。みな考えていることは同じか。試飲だけなら予約はいらないそうだが、それでは飲みに行くのと変わらない。とりあえず様子を見るか。

さて、今週は東京競馬場でオークスが行われる。

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「日本ダービー」の呼び名の通り、JRAのダービーには「日本」が付くのに対し、オークスを「日本オークス」と呼ぶことはない。だから、日本国内で行われるクラシックレースのうち、オークスだけは本家イギリスと同名になっている。

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ただし、これがいわゆる通称であることは大半の方がご存知だろう。「オークス」の正式名称は「優駿牝馬」。「日本ダービー」の正式名称が「東京優駿」であることも、競馬ファンのほとんどが知っている。

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では、英語のOAKが、実際には「樫」ではなく「ミズナラ」を指す言葉であることをご存知の方は、どれくらいいらっしゃるだろうか。

Oaks4_20220517204301

元を辿れば明治時代の誤訳に原因はある。英語のOAKを「樫」と訳した英文学者は、残念なことに植物学者ではなかった。ちなみに樫とミズナラは遠縁には違いないが、近親と呼べるほどの間柄ではない。桜と桃くらいの間柄だそうだ。

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ともあれ、「OAKS」というレース名の起源ともなったダービー卿の別邸に生い茂っていたその木は、樫ではなくミズナラだったのである。

Oaks6

しかし少なくとも競馬の世界では「オーク=樫」として定着して、その根を地中深くまで伸ばしてしまっている。昨年の表彰式でも「樫の女王」というフレーズが幾度となく使われていた。いまさらオークス馬を「ミズナラの女王」と呼ぶのは難しい。語感的にも「樫」の方がピタッとハマる。

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ところで「響」は「ミズナラ樽熟成モルト」をキーモルトとしている。もともと日本国内のウイスキー樽には外国のOAK材が使われいた。それが戦時中に入手が困難になったことから、国内のOAK、すなわちミズナラが使われるようになったという。いわば代用品。しかしそれが、日本ウイスキー独特の香味を引き出すもととなった。そんな話を聞けば「ミズナラの女王」の響きも違って聞こえてくる。日曜は「響」でオークス馬に乾杯しよう。

 

 

***** 2022/5/17 *****

 

 

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