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2022年3月31日 (木)

続・春の湯豆腐

今日は個人的なお祝いと打ち上げ。新型コロナ再々々々々々拡大の兆候もあって、近所のそば屋さんでひとりささやかに盃を上げた。

一昨日付けで湯豆腐について書いたばかりだが、ここにもメニューに湯豆腐があったので注文してみることに。

Tofu

土鍋に一口大に切られた豆腐というスタイルは私がよく知るオーソドックスな湯豆腐と同じ。しかし、鍋に張られているのは昆布を敷いたお湯ではなくやはり出汁。おぼろ昆布が入っているのも一緒。ただ、おとといとは違って醤油の味がする。むろんタレやモジミおろしはない。まだ二度目ではあるが、このスタイルにも慣れてきた。

昭和初期に各界の著名人が食について語ったものをまとめた「味覚極楽」(中公文庫)に、こんなくだりがある。

「わしらの世界で一番うまいのは豆腐で、古来『豆腐百珍』といって百通りの料理がある。昆布を敷いて湯豆腐を生醤油でたべるのもうまいが、醤油の中へねぎを切り込んだりするのはいけないことじゃ」

語り手は増上寺大僧正・道重信教氏で、聞き手は東京日日新聞(現・毎日新聞)記者時代の子母沢寛だ。

『豆腐百珍』は江戸時代にベストセラーとなったレシピ本。1782年に出版されたのが大評判となり、『豆腐百珍続編』『鯛百珍』『玉子百珍』などと追従書が続々発刊され、江戸の世に一大グルメブームを起こした。その先陣を切った「豆腐」こそ当時の身近で美味いものの代表格だったのであろう。

ただ残念なことに、温めた豆腐を一丁まるごとポンと器に入れて、温かい出汁をかけた料理は『豆腐百珍』には登場しない。江戸のベストセラーだったことを思えば仕方ないか。

ちなみに今日の「お祝い」というのは、仕事が思いのほか捗って日曜が休みになったこと。それだけ。「ささやか」というのは嘘ではない。だが、おかげで大阪杯に行ける。これは大阪市民にとって大きな慶事だ。湯豆腐で乾杯しよう。

 

 

***** 2022/3/31 *****

 

 

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2022年3月30日 (水)

競馬場の狸

「高知競馬にタヌキが乱入」というニュースが話題になっている。

珍事が起きたのは、昨日の高知8レース「第2回カチ上げ杯特別」B2クラスによる1400m戦。レース動画を観ると、10頭の出走馬がゴール後に1コーナーに流していく画面の左上、ダートコースを左から右へと横切ろうとするタヌキらしき動物が映っている。

地方競馬ライブ 2022年3月29日 高知 8R
http://keiba-lv-st.jp/movie/player?date=20220329&race=8&track=kouchi

タヌキにすれば何らかの用事があってダートコースを横切る必要があったのだろう。そしたら、たくさんの馬が近づいてきて驚いて立ち止まった。映像を観る限りでは、近づいてくる勝馬アイメイドイットと赤岡修次騎手を、きょとんとを見つめている様子もわかる。実にかわいらしい。もちろん事故などはなかった。

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競馬場に動物が現れることは珍しくない。

Cat 

大井競馬場にネコがたくさん住みついていることは前にも書いた。さらにスズメ、ハト、カラスに加え、カモメ、サギ、ウミウといった水鳥もしょっちゅう飛来する。内馬場の池で大きなアオサギが大暴れしているので、どうしたと覗いてみたら、なんと体長2mはあろうかというヘビと格闘の真っ最中であった。そんな動物の楽園、大井競馬場でもタヌキの目撃例がある。厩務員が捕獲を試みたが、あまりのすばしっこさにお手上げだったそうだ。

Cat2

何年前だったか忘れたが、あるスポーツ紙の競馬欄に「哩なら負けられない」の見出しが躍ったことがある。マイルチャンピオンシップの行われる週だっただろうか。それを見た知人がひと言。

「“タヌキなら負けられない”ってどういう意味?」

思わず、ウマではなくタヌキ同士が競走するレースを想像してしまった。競馬はからきし当たらない私でも、「競狸」なら的中するだろうか。

 

 

***** 2022/3/30 *****

 

 

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2022年3月29日 (火)

春の湯豆腐

大阪の桜は満開間近。本格的に暖かくなってきたここへきて「湯豆腐を食べに行こう」と誘われた。

この陽気でなぜ? と訝ったが、もとより湯豆腐は好きなクチなのでハイハイと付いて行くことに。

Tofu1

湯豆腐は南禅寺の精進料理が庶民に広まったと伝わる。しかしこの料理は簡単そうに見えて意外と奥が深い。豆腐を温めるだけなら簡単だが、火の通し過ぎは禁物。豆腐は冷たいときよりも温めたほうが軟らかくなる。だからほどよく温めてつるりとした食感を楽しみたい。だが70度を超えると、今度はたんぱく質が急激に固くなる。いわゆる「スが立った」状態。こうなるとボソボソした口当たりになり味気もなくなる。

大阪で湯豆腐を食べたことはないが、湯豆腐発祥の地である関西であればハズレはあるまい。期待に胸躍らせて出てきた湯豆腐は、その期待どころか想像のはるか斜め上を行くものだった。

Tofu2

鍋で出てくるのかと思ったらそうではない。大ぶりの器に温めた豆腐を1丁まるごとドン。おぼろ昆布やネギや削り節を散らした上から、たっぷりの出汁をかけてある。モミジおろしやタレはない。食べる時はレンゲを使って豆腐を削るようにすくう。京都の料亭で食べるようなエレガントさはない。豆腐だってそこら辺で売ってそうなやつ。でも、これはこれで美味い。豆腐というより出汁の美味さ。さすが大阪。なにせ「肉うどんのうどん抜き」が名物メニューとして成立するお土地柄である。

聞けば大阪の居酒屋での湯豆腐はこのスタイルが多いんだとか。またひとつ浪速の底力を垣間見たする。

 

 

***** 2022/3/29 *****

 

 

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2022年3月28日 (月)

天神橋特別

土曜の阪神10レースは「天神橋特別」だった。芝マイルの3勝クラスに10頭。この日は仁川到着が遅れたのだが、このレースをどうしても見たくて、「フランケル」に立ち寄るのを諦めた。

自分が住んでいる市や区の名称がレース名になっていれば、たいていの人は気になるに違いない。川崎市高津区民だった頃の私は「川崎記念」と「高津オープン」という2つのレースをことさら大事にしていた。いまは大阪市北区民だから「大阪杯」にはいっそうの愛着を感じる。何が何でも馬券は当てたい。エフフォーリアとジャックドールなら簡単。と言いつつ、そんな簡単に収まるとも思えぬ。

「北ステークス」とか「北特別」というレースはない。ところが、町域名の「天神橋」がレースになっていた。しかも高額条件戦。これはこの目でしっかりと見届けて、馬券を的中させなければならない……と頑張ってみたが、馬券はダメだった。

Tenjinbashi

JRAのレース名解説によれば「天神橋は大阪府大阪市にある橋および町名」とある。かつてより水運が発達した大阪は橋が多い。中でも大川に並ぶ難波橋、天神橋、天満橋は「三大橋」と呼ばれたという。来月16日には天満橋ステークスが、その翌週には「橋」は付いていないものの難波ステークスが行われる。この3レースをすべて勝つと「三大橋制覇」の特別ボーナスが……なんてことはもちろんない。いずれも3勝クラスの条件戦。競走条件だってまちまち。3つのレースに出走することすら難しそうだ。

 

 

***** 2022/3/28 *****

 

 

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2022年3月27日 (日)

阪神の桜

昨日の大雨から一転、阪神競馬場上空は雲ひとつない快晴に恵まれた。絶好の花見日和だが、やはり桜の方が大阪市内より若干遅い。三分咲きの木もあるが、まったく花が開いていない木もある。見ごろは来週あたりか。だがしかし、来週は競馬場に来ることができないことが決まっている。桜花賞当日は葉桜になっている可能性が高い。私にとって阪神の桜は今日がラストチャンスだ。

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天気が良いので桜の木を探して場内をぶらぶら歩く。4コーナー近くでは開花の早い桜の下でお弁当を広げるグループもあった。まん延防止措置は明けたが、酒類の場内持ち込みは禁止のまま。でも場内の売店では今週から販売を再開した。やはり花見に酒は欠かせまい。場内では大声も禁忌のはずだが、スタンドから遠く離れた芝生の上では、うるさく言われることもないようだ。

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メインの六甲Sは5歳馬エアロロノアが突き抜けた。同じ阪神芝マイルのリゲルSのVTRのようなレースだったが、あのときは良馬場で1分34秒0。今回は稍重で1分33秒7。京都金杯だって6着といいながらコンマ2秒しか負けてない。逆に今回はリゲルSと同じ1馬身差ながら余力は十分。次は昨年1番人気で敗れた読売マイラーズCか。1年でだいぶ力を付けた今なら、当然チャンスはある。。

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「1年で力を付けた」と言えばロータスランド。ちょうど1年前、同じ高松宮記念当日の阪神でようやく1勝クラスを勝ち上がっていた馬が、その1年後に高松宮記念に出て堂々の2着である。一頭の馬が成長してゆく様を見届けるのは楽しい。だが、もう彼女は衆目一致の実力馬。高松宮記念の結果は嬉しいが、条件戦でひそかに応援していたあの頃の気持ちはどこかに消えてしまっている。好天の阪神の青空を見上げて一抹の寂しさを覚えた。

 

 

***** 2022/3/27 *****

 

 

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2022年3月26日 (土)

毎日杯の明と暗

かつての毎日杯ば関東の競馬ファンには馴染みの薄い重賞だった。たまに毎日杯を勝って勇躍皐月賞に東上してきた関西馬がいたりすると「関西の秘密兵器」などと呼んで恐れおののき、よくわからないからとりあえず馬券は勝っておこうと、無駄な買い目を増やしていた覚えがある。

しかし昨今では誰もがしる出世レース。キングカメハメハ、ディープスカイ、キズナ、そしてシャフリヤールと日本ダービーとの縁が深い。今年は10頭が参戦。やはり出世レースとして知られるセントポーリア賞を好時計で勝ち上がったドゥラドーレスが人気を集めている。ただ、今日の阪神は朝から強い雨が降って馬場は稍重。高速レースへの対応は証明済みだから、ここで力の要る馬場をこなして3連勝を飾ればダービーへの展望は大きく広がる。

レースは4番人気のピースオブライトが出していって先手を奪うと、そのまま直線に。残り1ハロンで外からベジャールに並ばれ、いったんは前に出られるも、そこから差し返してみせたからすごい。終わってみれば3連勝を達成したのはピースオブライトの方。秘密兵器どころか、衆目一致のクラシック有力候補となった。

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前走アルメリア賞は中団待機からの差し切り勝ちで、今回は押して出ていっての逃げ切り。どのような競馬にも対応できるセンスに加え、馬場の良し悪しを問わないフットワークには底知れぬ強さを感じる。あとは距離。ここまでの3連勝は1800mばかりだった。果たして距離が伸びてどうか。母の父の Oasis Dream が気になるという声は小さくなかろう。なにせスプリントGⅠ3勝の欧州チャンピオンスプリンターである。

しかしノーザンファームの名繁殖牝馬 Dubai Majesty にしても米国のチャンピオンスプリンター。その産駒のアルアインとシャフリヤールの兄弟が、いずれも毎日杯を勝ったのちに皐月賞や日本ダービーを制していることも思えば、ピースオブライトが距離をこなしてもおかしくはない。

ドゥラドーレスはメンバー最速の末脚を繰り出すも3着まで。素晴らしい能力を持つことは明らかだが、賞金加算に失敗した事実は重い。ダービー出走のためにはもう一戦挟む必要がある。陣営は難しい決断を迫られそうだ。

 

 

***** 2022/3/26 *****

 

 

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2022年3月25日 (金)

ダンビュライト引退

ダンビュライトの引退が発表になった。AJCCと京都記念のGⅡを2勝した8歳のセン馬。ラストランとなった阪神大賞典は3コーナーからずるずると後退。上がり3ハロンに46秒2を要して歩くようにゴールを果たした。心房細動を発症したらしい。夜まで症状は続いたらしいが、月曜朝には回復したと聞く。それでも陣営は引退を決断した。

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3冠レースに皆勤して3着、6着、5着だから能力があることは疑いようがない。だが、追い込めばあと一歩が足りず、早めに先頭に立っては後続に差されてしまうの繰り返し。AJCCを勝った直後も、音無調教師は「先頭に立つのが早過ぎる」と渋い顔だった。いつもいつも展開が味方してくれるわけではない。その後の彼の成績には音無師の不安が映し出されている。繋養先の韮山ホースパークで平穏な第二の「馬生」を過ごしてもらいたい。

 

 

***** 2022/3/25 *****

 

 

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2022年3月24日 (木)

3年連続の春

福島の春開催が無観客で行われることが発表された。

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春の福島は一昨年が新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客とされ、昨年は2月に発生した震度6強の地震による被害のため新潟で代替された経緯がある。春の福島は桜が美しい。その光景をファンは3年連続で奪われたことになる。

この措置に伴い、4月30日に始まる予定だった第1回新潟開催も1週スライドして5月7日から5月29日までと開催日割を変更。日本ダービー当日は11年ぶりの3場開催となる。11年前に3場開催となったのは、東日本大震災のせい。この年の春の福島は行われなかった。

 

 

***** 2022/3/24 *****

 

 

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2022年3月23日 (水)

大阪に開花宣言

今日大阪で桜の開花が宣言された。昨年より4日遅いが、平年に比べれば逆に4日ほど早い。だいたい1週間で満開を迎えることを考えれば、見ごろは3月30日あたりか。今年こそはちゃんと観に行こう。昨年はぼんやりしている間に散ってしまった。。

今年の桜花賞は4月10日。大阪の満開から10日以上も先となれば、「満開の桜の下を18頭の可憐な3歳牝馬たちが……」という美しい光景は期待薄かもしれないが、そうとも言い切れない。なぜか阪神競馬場の桜は毎年のように桜花賞当日に見ごろを迎えるのである。

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阪神競馬場の桜の開花時期については、まことしやかに噂が広まっている。曰く「JRAが開花日を調整している」というもの。

「木の根元に氷を撒いて開花を人為的に遅らせているらしい。関西各地の桜は散っているのに、阪神の桜だけがいつも満開なのがその証―――」

競馬ファンなら納得しそうな話だが、残念ながらこれは都市伝説の域を出ない。JRAもそれを明確に否定する。六甲おろしが吹きつける競馬場は周辺よりも若干寒く、桜も遅めに咲く傾向がある。ジェンティルドンナが勝った年などは、見ごろどころかまだ三分咲きだった。

ただ、JRAも開花時期の調整に関心がないわけではない。25年ほど前、開花を操作できるかどうかを実験したことがあるにはあった。先の都市伝説は、この実験がファンの間に誤って広まったのであろう。実際に氷を撒いたり、逆に暖めたりしてみたそうだが、開花時期への影響は皆無だったという。開花調整など不可能。やはりこればかりは自然に任せるしかない。

 

 

***** 2022/3/23 *****

 

 

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2022年3月22日 (火)

春近し

体調不良に多忙が重なってブログ更新の遅れが続いている。一所懸命あと追いで書いているけど、どうしても短めになりがち。早く追い付かなきゃとは思うのだけど、気持ちの方が追い付かない。

ついに大阪府も新型コロナのまん延防止等重点措置が解除となった。20時ラストオーダーの日々の長かったこと。仕事が夜8時に終わらぬ人間にとっては緊急事態宣言に等しい。ともあれ「まん延防止期間中は休業」の馴染みの店に行かねばと電話を入れたら、「すんません。2か月も休んでたんで、今日は仕込みだけですわ」と断られた。がっかり。でも仕方ない。2か月というのはそれくらい長い時間だ。

まん延防止は明けた。桜は開花目前。今週末にはプロ野球が開幕する。春は近い。この1週間は楽しみを抱えて過ごしたい。

そのプロ野球は、独自のコロナ対策を導入することで、まん延防止の有無にかかわらず入場者の上限を設けないそうだ。TV中継でガラガラのスタンドに慣れ切った身からすれば、ちょっと驚く。一方の競馬は、JRAがウインズのレース映像放映を再開すると発表した。競馬場の入場制限に変更はない。今週から春のGⅠシリーズがスタート。安田記念までほぼ休みなくGⅠレースが続くが、スタンドはまだしばらく冬景色が続きそうだ。

 

 

***** 2022/3/22 *****

 

 

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2022年3月21日 (月)

需給逼迫下のナイター

暑さ寒さも彼岸までと言いながら、明日の関東は一部に雪予報が出ている。

東京は昨日桜の開花が宣言されたばかり。実際、2年前には開花宣言当日の東京に大粒の雪が舞った。開花宣言や彼岸を過ぎて東京に雪が降ったことなど、当方記憶にない。冷え込みが進めば電力需要が増す。それで経産省が初となる電力の「需給ひっ迫警報」を1都8県に発令した。エアコンの設定温度を20度にするなど、節電への協力が呼びかけられている。

折しも船橋競馬場では、明日が開催2日目。もちろんナイター開催である。今から昼間開催に変えることはできない。東京電力が想定する使用率のピークは朝と夕方だから、ナイターには影響ないという見方もできるが、また先週火曜夜のような広域停電が起きたらたいへんだ。むろん内馬場の太陽光発電で賄えるレベルではない。結局は消せるところをこまめに消すしかないということか。

 

 

***** 2022/3/21 *****

 

 

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2022年3月20日 (日)

朝日VSフジテレビ

JRAのレース名称のネーミングルールでは2歳および3歳春までのレースには原則として花、木、草が使われることになっている。桜、さつき、オークスを筆頭に、ききょう、さざんか、すみれ、チューリップ、等々。だが、それはあくまで原則。クラシックレースの馬柱を見ると、そうでもないことに気付く。

たとえばアドマイヤマーズなら、新馬、報知、デイリー、朝日、共同通信、皐月賞を挟んで、NHK。ローズキングダムだと、新馬、東京スポーツ、朝日、フジテレビ。エリート街道を歩む馬ほど、その成績欄にはマスコミの名前が並ぶことが多い。

今日のスプリングSの1番人気は、共同通信杯5着のアサヒ。シンザン記念2着のソリタリオが3番人気に甘んじたのはまだしも、共同通信杯でアサヒに2馬身差をつけて3着したビーアストニッシドが5番人気なのは解せない。なぜファンはアサヒを推すのか。

ちょっと考えて閃いた。このスプリングSはフジテレビが社杯を提供している。そのレースをアサヒが勝ったとしよう。するとフジテレビが「朝日」を表彰することになるのである。そんな面白いシーンへの期待がアサヒを1番人気に押し上げたのではないか?

―――なんてことはないですよね。ともあれアサヒは11着に敗れた。この馬も新馬を勝ってから、東京スポーツ、共同通信、フジテレビとマスコミを渡り歩いている。となれば次の狙いはテレビ東京(青葉賞)あたりか。秋にはぜひとも朝日セントライト記念に出走してほしい。

 

 

***** 2022/3/20 *****

 

 

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2022年3月19日 (土)

ハシゴ

5軒のハシゴはさすがに疲れた。

このご時世でもあるから、さすがに酒ではない。病院の話。朝から耳鼻科と皮膚科。昼を挟んで眼科と内科に。〆に処方箋の束を抱えて薬局の暖簾をくぐった。どうも私は通院をまとめて済ませたがるフシがある。治療をショッピングと混同するのは褒められたものではないが、どうしてもこのクセが抜けない。それで治りかけの頃になってお医者様のお世話になったりする。

大量のクスリを抱えての帰途に思い出した。

先日の投稿でウマに人間用の胃薬を与えていた話をた話を書いたばかりだが、「ウマが風邪を引いたら、まず真っ先に龍角散を飲ませろ!」と大昔に誰かから聞いた覚えがある。

龍角散は「ゴホンと言えば」でお馴染みの風邪薬。その歴史は二百年をゆうに越え、野草の根や木の皮などを使った生薬であるからウマに与えても良いのかもしれない。ただし、今では禁止薬品に指定されている可能性もある。ディープインパクトの薬物騒ぎを持ち出すまでもなく、この十数年でブラックリストもずいぶん増えた。

前にも書いたことがあるけど、「ドーピング」とはもともと競走馬に使用された用語である。ヨーロッパの辞書に「doping」という言葉が初めて載ったのは1889年のこと。そこには「競走馬にアヘンと麻薬の混合物を与える行為」と記されている。

ただ、実際の効果をもたらすようなドーピングにはかなりの経験が必要とされる。興奮剤を投与し過ぎると、馬はかえって走らなくなるし、筋肉増強剤は生殖機能に影響を及ぼし、繁殖馬としての将来を閉ざすことにつながる。そしてなにより「カマせば必ず勝てる」という保証もない。賞金没収程度ならまだよいが、ライセンス剥奪の上、業界から永久追放などという発覚時のリスクまで考えれば、近年の陽性率がほぼ0なのも頷ける話。とはいえ「ほぼ」であることもまた事実だ。

 

 

***** 2022/3/19 *****

 

 

 

 

 

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2022年3月18日 (金)

天性の間の悪さ

おととい夜の福島沖を震源とする地震で、やはり春の福島開催に影響が出てしまった。とりあえず第1週の2日間(4月9日、10日)は中止。その理由も「競馬開催に必要となる施設の点検調査等に時間を要するため」とされているから、今後の調査によっては開催中止期間か伸びるかもしれない。

おとといも書いたように、大阪に住んでいながら福島の開催を心待ちにしている一人である。居ても立っても居られなくなり、昨夜福島に住む知人にメールしてしまった。震度6の翌日である。そんな時に競馬場の心配をするメールなど失礼極まりない。そう気付いたのは、メールを送信したあとだった。でも相手も競馬ファン。きっと分かってくれるはず、と思いつつ、今朝方届いた返信を読んで愕然とした。なんと入院中だという。

地震とは無関係の入院である。スマホで馬券を買えるほど元気で、退院の目処も立っているというからひと安心。それでも間が悪かった感は否めない。私はどうもこういうところがある。反省はするが、どうやって注意すればよいのか。生まれ持っての星の悪さを呪うしかない。

病院のベッドの上で地震に見舞われたそうだ。それも怖い。胃が痛いとか言いながら、それでも地震の時間に熟睡していたおのれをただ恥じるのみ。こうなれば、夏の福島で壮大な全快祝いをさせていただくしかあるまい。今はただ、夏の福島がコロナにも地震にも負けることなく通常開催で行われることを願うのみだ。

 

 

***** 2202/3/18 *****

 

 

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2022年3月17日 (木)

ありがとう、いい薬です

胃は変わらず痛い。こういうときは消化の良いものを食べろと言われる。その代表格はうどん。朝は「つるまる」、昼は「はなまる」、夜は梅田の「うどん棒」。まあ、結局好きなもモノを食べているので、辛くはないですね。ストレスを減らすことも胃痛改善には必要だ。

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ストレスで胃痛とくれば胃潰瘍。10年ほど前、獣医師が現役競走馬を対象に内視鏡検査を行ったところ、被験馬の半数以上が胃潰瘍を発症していた。それよりさらに10年前、2000年に日本馬として初めてBCフィリー&メアターフに挑んで最下位に敗れたマルターズスパーブの敗因は「胃潰瘍」とされている。ウマの胃潰瘍は最近になって突然現れたわけではない。

ゲートに縛り付けられたり、ルームランナーみたいな機械に乗せられたり、衆人環視の中で競走されたり……。競走馬にとって競馬場やトレセンはストレスでしかない。だから放牧はとっても大事。最近では出短期放牧が当たり前になった。私が抱えるこの痛みをウマにも経験させていると思うとヒトとして忍びない。10年前に比べて胃潰瘍の罹患率が下がっていることを願うのみだ。

おのれの胃痛のため太田胃散を服用しつつ考えた。海外ではウマ専用の胃薬が昔から販売されていたが、日本では承認が遅れたという事実がある。そのため、お馬さんたちも人間用の胃薬を服用していた。主食も、胃の構造も、体の大きさもまるで違うのに大丈夫なんだろか? もちろん、いまは国内でもウマ専用の胃薬がちゃんと販売されている。「ありがとう、いい薬です」と馬が感じているかどうかは、分からないけど。

 

 

***** 2022/3/17 *****

 

 

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2022年3月16日 (水)

胃痛につき

夕方から激しい胃の痛みに襲われ、驚くことに夕食を取らなかった。「死んでもメシは抜かない」をモットーにする私としては正直痛い。胃はもっと痛い。

単身赴任中の我が家には薬といものが存在しないので、帰宅途中に胃薬を買って、さあ飲もうとあらためてパッケージをみたら「胃もたれ」用だった。そもそも胃薬が胃痛用と胃もたれ用とに分かれていることすら知らない。それでも飲まないよりはマシだろうと飲んだら、余計痛くなった。

メシも食べずにようやく眠りに落ちたのは23時頃である。その後、東北があんなことになっていると思いもよらなかった。福島競馬場のスタンドは大丈夫か。昨年は2月14日の地震で春は開催中止。夏は無観客である。今年はまともな開催を期待したい。

 

 

***** 2022/3/16 ******

 

 

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2022年3月15日 (火)

銘酒「七冠馬」

島根の銘酒「七冠馬」と「ウマ娘」とのコラボが話題になっている。

この手のコラボにありがちなラベルや包装だけの話かと思いきや、実はそうではない。今回の企画のために特別仕込みの酒だという。ウマ娘ファンや競馬ファンのみならず、日本酒ファンにもぜひ飲んでもらいたい。そう思ってたら限定の7777本は即完売だそうだ。凄いですね。

コラボ酒がダメでも通常の「七冠馬」なら多くの店で飲むことができる。仁川駅前の讃岐うどん店「フランケル」にも定番メニューとして掲載されているから、うどんの茹で上がりを飲みながら待つのも悪くない。軽く口に含めれば、ほどよい香りののちに、山田錦のふくよかな味わいがズシっと広がる。まるでシンボリルドルフの軽やかなキャンターが瞬く間に重厚なフルギャロップへと移る様を見るようだ。

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「七冠馬」がシンボリルドルフにちなんで生まれた酒であることは、我々世代にとっては誰もが知るところだが、近年のファンはディープインパクトを想像するかもしれない。1984年のクラシック3冠と有馬記念、そして翌年の天皇賞・春、ジャパンカップ、有馬記念を制し「七冠馬」の称号を得た。管理した野平祐二氏をして「競馬に絶対はないが、この馬にはある」と言わしめたほどの強さは、オールドファンの間では語り草になっている。

気になるのはその読み方。「七」という漢字を読む場合の訓読みは「なな」で、「シチ」が音読み。だから「七転び八起き」では「なな」だったのが、「七転八倒」という熟語になると「シチ」と読む。したがって「七冠馬」の読みは、「ななかんば」ではなく「シチカンバ」が正しい。

とはいえ、もはやテレビや新聞でさえも「ななかんば」と呼ぶことをやめようとはせず、世間一般に広く定着してしまっている。競馬中継で「馬主」を「ばぬし」と呼ぶようなテレビはともかく、日本語にうるさいはずの新聞でさえも「ななかん」派なのは、若干の驚きを禁じ得ない。その影響は競馬を超え「羽生七冠」を「はぶななかん」と呼ぶなど、将棋界にまで広がってしまっている。

ちなみに「馬主」の読みは「うまぬし」もしくは「ばしゅ」が正しい。ミスター競馬と呼ばれた野平祐二氏は数少ない「ばしゅ」派。私もそれに倣っている。

 

 

***** 2022/3/15 *****

 

 

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2022年3月14日 (月)

別れの季節

今日の大阪の最高気温は22.2度。先週の月曜日は10度だったから、春を飛び越えて一気に初夏がやってきたことになる。いや、初夏どころか関東では夏日を記録したらしい。函館開催はまだか。

とはいえ暦の上では春。今日は仕事場で送別会があった。とはいえ仕事場総出の大宴会ではない。大阪はまん延防止の真っ最中。3人のおっさんが1人の若者をささやかに送り出した。昨今では珍しい競馬好きの若者である。仕事の痛手もさることながら、話し相手がいなくなるのも辛い。

競馬の世界でも春は別れの季節だ。2月はヒト。3月はウマ。多くのクラブでは牝馬は6歳3月で引退するものと規定に定めている。先週の中山記念に出走したドナアトラエンテも、金鯱賞のランブリングアレーも、これがラストランだった。ドナアトラエンテなどは昨年春にオープン入りしたばかり。もう少しあればタイトルに手が届いたかもしれない。

むろん例外もある。2015年12月のチャンピオンズカップを勝ったサンビスタは、クラブ法人「ヒダカブリーダーズユニオン」の所有する6歳牝馬。クラブの規定に従えば9か月前の3月に現役を引退し、チャンピオンズカップの行われた12月には牧場でのんびり過ごしていたはずだった。だが、社長の判断で現役を続行。4月以降だけでも、マリーンC、レディスプレリュード、そしてチャンピオンズCを優勝だから、その判断は間違っていなかったことになる。

牧場に戻って母となる―――。競走生活と同様に、いやそれにも増して繁殖生活が牝馬に課せられた大事な役割であることは言うまでもない。だが、ようやく競走馬として完成しかけたタイミングで「クラブ規定」のひと言であっさり引退してしまうことについては、ファンやマスコミからも失望や疑問の声が上がっている。サンビスタの6歳時の活躍は、単なる牝馬のチャンピオン誕生に留まらず、別の意味を帯びていたように思えてならない。

Sanbista

送別会に話を戻す。送別の理由は社内異動とか転勤ではない。転職である。若さゆえの特権か。それでつい「羨ましい」と口走ったら、ほかのおっさん2人が激しく同意した。もはややり直しのできる年齢でもない。こうしておっさんだけが取り残されていく。私もそろそろ真面目に引き際を考える頃合いだ。

 

 

***** 2022/3/14 *****

 

 

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2022年3月13日 (日)

同じGⅡでありながら

中京の金鯱賞はジャックドールが圧巻の逃げ切り勝ち。1勝クラスから一気の5連勝で重賞初制覇を果たした。勝ち時計1分57秒2は、従来のレコードを1秒1も更新する大レコード。なにより自分で作り出した時計だけに価値がある。2着、3着にGⅠ馬を従えてゴールしたそのレースぶりに、サイレンススズカにダブらせる声が阪神のスタンドのあちこちから聞こえた。大阪杯での復帰を目指すエフフォーリアにとっては厄介な相手に違いない。

その阪神で行われたのは桜花賞トライアル報知杯フィリーズレビュー。出遅れて後方追走となったサブライムアンセムが、直線で内を突くと、外から伸びたナムラクレアとの激しい叩き合いをアタマ差制し、こちらも嬉しい重賞初勝利となった。

Filly

嬉しいのは重賞を勝ったからだけではない。桜花賞の優先出走権を得たこともあるけど、実はほかにもある。「初勝利」となった前走は2位入線ながら1位入線馬の降着による繰り上げ勝利。だからサブライムアンセムはデビューから7戦目にして初めて先頭ゴールを果たしたことになる。これは嬉しい。それがGⅡの舞台とは大したものだ。

思えば2着ナムラクレアも新馬3着から臨んだオープン特別で初勝利を挙げている。そんな一風変わったキャリアを持つ2頭が、阪神の1400mを1分19秒9で駆け抜けた。19秒台は報知杯56年の歴史の中でも初めて。もちろんレースレコードだ。

金鯱賞もフィリーズレビューも春のGⅠレースの優先出走権をかけた一戦であり、どちらもGⅡ格を得ている。金鯱賞を勝たなければ大阪杯出走が微妙だったジャックドールは見事勝って優先出走権を獲得。しかも有力馬の1頭となった。

一方、この10年でフィリーズレビューをステップに桜花賞を勝ったのはレーヌミノルただ一頭。両レースを制した例となると2005年のラインクラフトまで遡らなければならない。1400mの距離と本番までのレース間隔を嫌って、近年では有力馬ほどフィリーズレビューを避ける傾向にある。

今年も出走15頭のうち9頭までが1勝馬。レースレコードも展開に助けられた感が強い。「魔の桜花賞ペース」は昔の話。改修後の外回りコースで行われる桜花賞がハイペースになることはまずない。

ネットにはさっそく「今年も桜花賞でフィリーズレビュー組はいらない」という声が上がっている。おそらくそれは正当な見立てなのだろう。皐月賞トライアルの報知弥生賞と、桜花賞トライアルの報知杯フィリーズレビュー。両レースが「本番に結びつかないトライアル」の汚名を着せられるようになって久しい。報知新聞の愛読者としては忸怩たる思いがある。このままではいずれGⅡ格付けの維持も難しくなりかねない。

 

 

***** 2022/3/13 *****

 

 

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2022年3月12日 (土)

中山牝馬Sに拍手を

中山牝馬Sは直線に向いてから二転三転のスリリングな展開。ゴールでは1着から6着までがコンマ2秒の間にひしめく大激戦だった。これぞハンデ戦の醍醐味。勝ったクリノプレミアムのみならず、こうなるとハンディキャッパーの皆さんにも拍手を送りたい。

ハンデを決めるには、各馬の実績、レースの分析など豊富な知識と眼力が必要となる。最大の判断材料は過去の成績であることは当然。その成績がどのような状況で刻まれたものかが大事になる。メンバーのレベル、ペース、馬場状態、距離、もちろん騎乗ミスや不利の有無も含めて判断しなければならない。

レースごとのハンデは3人のハンディキャッパーの合議で決定されるが、もちろん個人の見解だから相違があって当然。1キロのせめぎ合いで議論になることも少なくないらしい。今回テルツェットが背負った56.5キロのような0.5の刻みは、そんな議論が生み出した折衷案か。ちなみに議論は良馬場が前提。だからレースが道悪で行われた場合、それが接戦になったところでさほど嬉しくはないそうだ。

今日の中山牝馬Sは重賞2勝ながらGⅠでは実績のないテルツェットが56.5キロを背負わされた。陣営はこのハンデに不満顔。56.5キロを背負って勝ったのは、キストゥヘヴンまでさかのぼる。同じレースにトールポピーも56.5キロで出走していた。どちらもクラシックホースであることを思えば、テルツェット陣営の不満も理解できなくはない。その一方で50~52キロの軽ハンデも設定されなかった。これも珍しい。なのに勝ったクリノプレミアムは53キロ。ハンディキャッパーの絶妙な匙加減に脱帽する。

ブービー人気馬を勝利に導いた松岡正海騎手は2019年暮れにウインブライトで制した香港カップ以来の重賞制覇。JRAでは同じくウインブライトの2019年中山記念以来だから3年ぶりのことになる。

Matsuoka

2020年2月の東京で落馬して左大腿骨を骨折。2度の手術を経て、同11月に復帰したものの、完治にはほど遠く再び離脱。さらに2度の手術を経て戻ってきた。昨年1月の手術後には血栓を発症し、命の危機にも陥ったという。引退を覚悟したこともあった。これがJRA重賞34勝目だが、そのうち6勝が中山芝1800mというスペシャリスト。名実ともに復活を遂げた名手にも惜しみない拍手を送ろう。

 

 

***** 2022/3/12 *****

 

 

 

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2022年3月11日 (金)

3月11日、金曜日

11年前の今日、私は大井の特別レースに間に合うよう家を出た。10レース「菜の花特別」は3歳の選抜戦。のちに北海優駿を勝ち、ダービーグランプリでも2着するピエールタイガーが出走を予定していた。

メインは「ゴールデンステッキ賞」。成績上位の騎手だけが騎乗する特別なレースである。贔屓の真島大輔騎手が、勝つチャンスのありそうな馬に騎乗を予定していた。

そして最終「春風特別」には、のちに西日本グランプリなど重賞を3勝することになるつレイズミーアップが出走を予定していたのである。この日いちばんの目当てはこのレースだった。

家を出て、駅に向かって2、3分ほど歩いたところで揺れに遭遇。それが私にとっての2時46分である。激しい揺れが1分近く続いたであろうか。電信柱が稲穂のように波打ち、走っていた車はことごとく停止し、学校帰りの子供たちの悲鳴が聞こえたことを覚えている。

すぐさま自宅に引き返して、自宅内部を確認。モノが落ちたり、倒れたりしている様子はない。犬は興奮しているようだが大丈夫。しかるのちにTVの電源を入れた。普通ならNHKであろうが、私がチャンネルを合わせたのは14チャンネル。東京MX-TVである。とにかく大井競馬場の様子を知りたかった。

するとそこに映し出されたのは、ごく普通にかえし馬に向かう8レースの出走馬たちではないか。「なんだ、地震はウチの近所だけだったのか?」。正直拍子抜けした覚えがある。

ところが、TVカメラが映さぬスタンドでは、一部の観客が悲鳴を上げて階段に殺到していたらしい。結局8レースは予定より5分遅れで行われた。勝ったのはエクスプロージョン。あの日は道営からの移籍初戦であった。

ふと思いついてチャンネルを変えると、地震が我が家の近辺だけではなかったことが明らかになる。しかも、尋常ではない事態が進行中であると思い知るまでに、さほどの時間はかからなかった。

ところが、MXにチャンネルを戻すと、9レースの出走各馬が悠然とパドックを周回しているではないか。この時の不思議な感覚を表現するのに適当な言葉がどうしても見つからない。その不思議な感じを受けることができたのは、TVの前にいて、しかも大井も気になって仕方がなかったごくわずかの人間だけであろう。現場にいる人は「さっき大きな地震があった」としか思っていないかもしれないのである。

9レースは20分遅れの発走となり、ダイワカレンが勝った。そして、私が目当てにしていた10レース以降は取り止めである。仕方ない。この時点で、すでに都内の交通は完全にマヒしていたのだから。

あの日、地震に遭遇した場所は人それぞれであろう。それは職場かもしれないし、学校かもしれない。レストランかもしれない。映画館かもしれない。銭湯かもしれない。あるいは競馬場かもしれない。大半の人にとっての震災の記憶は、その場所での光景に重なって脳に刻み込まれているはずだ。

不謹慎の謗りを覚悟で言うが、私のあの日の記憶はTVで見た大井競馬と共にある。それは開催最終日の金曜日の出来事であった。そう、あの震災は金曜日に起きたのである。だからこそ、首都圏の人々は会社に出かけたまま帰宅の足を奪われ、絶望的な渋滞の脇をすり抜けながら、みな歩いて家を目指したのだ。

そういう意味で、金曜日に重なった今年の3月11日に、私は特別な感慨を抱いている。もちろん、地震や津波による直接の被害に遭われた方にしてみれば、曜日どころではないという方もいらっしゃることだろう。それもよく理解しているつもり。金曜日はあくまで私個人のささやかな感慨に過ぎない。それぞれの人にそれぞれの「3.11」がやってくる。それはこの先もきっと変わりあるまい。

 

 

***** 2022/3/11 *****

 

 

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2022年3月10日 (木)

園田のファンの夢

まもなく園田9Rの発走だというのに、園田競馬場の片隅には大勢の人たちが、食い入るように他場のレース実況モニターを見つめている。

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小さなモニターが映し出しているのは名古屋大賞典のレース実況。果敢にハナを奪ったのは兵庫最強馬のジンギだ。4コーナー手前でJRAケイアイパープルが並びかける。背後に迫るのは連覇を目指すクリンチャーだ。

「ジンギ!」

誰かが叫んだ。

「勝てるぞ!」

「がんばれ!」

「マナブ! いけいけ!!」

最初の一声をきっかけに、あちこちからジンギを応援する声が飛ぶ。それはまるで海外のレ―スに出走する日本馬を応援する声のよう。そして3着でゴールを果たすと、「よっしゃ!」と皆が声を揃え、大きな拍手が沸き上がったのである。園田場外単独の売上では、ジンギが1番人気だったのではないか。そう思わせるほど、みな喜んでいる。勝ったクリンチャーに4馬身離されたとはいえ、アナザートゥルースなど強豪JRA所属馬に先着しての3着は褒められて良い。自分でレースを作っての結果だと思えばなおさら。明けて6歳だがまだまだ強くなっている。いずれダートグレード制覇のチャンスも巡ってこよう。

園田のファンが愛してやまないジンギが、初めて獲得した重賞タイトルが今日の園田メインの兵庫ユースカップ。彼はここでの勝利をステップに一気にスターダムにのし上がったのである。

今年は圧倒的人気のバウチェイサーが楽に先手を奪うと、直線に入っても脚色は衰えず後続を引き離す一方。ジョッキーが後ろを振り返る余裕を見せて、重賞2連勝を飾った。鞍上の笹田知宏騎手はこの勝利で節目の通算600勝を達成。おめでとうございます。

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2着馬との着差は6馬身。ここではスピードが違った感があるが、そう見えたということは展開的に恵まれていたということでもある。6馬身差を額面通りに捉えていいものか。ジンギは3年前のユースカップをクビ差で勝って臨んだ菊水賞を5馬身差で圧勝した。バウチェイサーの真価が問われるのも次走の菊水賞であろう。ジンギのように地元園田のファンに夢を抱かせる存在になってほしい。

 

 

***** 2022/3/10 *****

 

 

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2022年3月 8日 (火)

ふるいにかける

その相手は困っていた。とある企画がまとまらない。なのに締切がそこまで迫っている。言葉少なにそう切り出したのである。

会社務めも長くなると、仕事が進まずに悩む後輩はどこにでもいると思えるようになる。それが後輩ではなく先輩であることも―――悲しいことに―――なくはない。月曜は後者の相手をした。場所は西天満の「ウオマチ」。おかげでブログの更新が遅れた。実際にこれを書いているのは火曜の夜である。今日はずっと二日酔いだった。仕方ないから月曜付は欠号とする。火曜付で月曜の話を書く。

本心では仕事の相談など受けたくない。柄でもないのは明白。むしろ私は世間一般が抱く「相談相手」とは真逆のキャラクターのはず。馬とうどんのことしか頭にない人間である。なのに、棄てる場所に困ったゴミを抱えるように、みんな私に相談事を持ち込む。私は相談相手には向いてないとは思うが、ゴミ箱としてはちょうど良いであろう。ともあれ、現時点でどんなことをしたいのか、何を作りたいのか、それを相手に尋ねた。

すると相手はとうとうと喋り出す。5分経っても10分経っても終わらない。こうなると私も途中で理解することを放棄して酒を飲む。好きに喋らせておくしかない。

これは考えをまとめられない人物の典型。こういうシチュエーションでなるべく事細かに隅から隅まで喋ろうとするのも、それを端的に表している。それがまず間違い。説明が長ければ長いほど、考えは未整理。よく考え抜かれたものならば、おのずと話の中心は定まり、説明も一言、二言で終わるものだ。

ちなみにこの人物は馬券も買う。だが、あまり上手とは言えない。脇目もふらずに検討し、締切ギリギリに慌ててマークカードを塗って発券機へ走る。結果、ハズれるのは私と同じだが、私と違うのは人気サイドの組み合わせを何点も買ってハズれること。「あんだけ悩んで何を検討していたんだ?」。周囲は笑う。むろんそのスタイルでも、本人が楽しいのなら問題はない。それが馬券というものだ。問題は仕事の方である。

仕事の考えの整理も、馬券検討も、異なるようで本質は似ている。どちらも、その人の持っている知識を“ふるい”にかける作業にほかならない。ふるいの目はその人の価値観によって形や大きさが異なる。目の大きさがバラバラだと、うっかりすると取っておくべき大切なものを捨て、どうでもいいものを残してしまう。

「あれも大事、これも大事」では結論に辿り付くことはできない。問題はそれができない人に、どう説明するか。そんなこと所詮無理ではないか。だから私は仕事の相談を受けたくないのである。とりあえず馬券で“ふるい”の感覚を養ってもらうのが早道であろう。まずは買い目を絞る訓練からだ。

 

 

***** 2022/3/8 *****

 

 

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2022年3月 6日 (日)

お城のレース

いま私が住む家からは遥か彼方に大阪城の天守がちょこっと見える。それが物件選びの決め手になったと言ってもいい。

Shiro

関西に来て驚いたことはたくさんあるが、やたらお城を見かけることもひとつ。電車に乗っていても、車窓からちょいちょいお城が見えてテンションが上がる。逆に関東には天守閣を伴うお城はほとんどない。小田原城くらいではないか。それには徳川幕府の方針があったそうだが、とにかく関東人にとってお城は珍しいもの。それが部屋から見えれば嬉しいし、お城を冠したレースがあれば観たくもなる。

前置きが長くなったが、今日の阪神メインはリステッドの大阪城S。芝の1800mを制したのは5番人気のアルサトワ。1分44秒8はこのレースが1800mになった2007年以降もっとも速い。2着にカレンシュトラウスが飛び込んでルーラーシップ産駒のワンツーフィニッシュとなった。

Osakajo

そんな大阪城Sの2つ前に行われたのが、3歳1勝クラスのアルメリア賞。同じ芝の1800m戦は、で2番人気のピースオブエイトが完勝でデビュー2連勝を果たした。

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新馬戦で負かした相手がすごい。すでに2勝を挙げているグランディアに、京成杯3着のヴェローナシチー。同じ1勝馬同士でも、その1勝の中身の違いを見せつけるようなレースぶりだった。8か月のブランクも関係なし。完成度という点で弥生賞組には及ぼないにせよ、ダービーまでに追い付くかもしれない。今日の大阪城Sでワンツーフィニッシュを決めたルーラーシップは、12年前のアルメリア賞を勝ち、その2か月半後のダービーで5着に好走した。目標はまだ先だ。

ちなみにJRAではお城の名を冠したレースが年間8レース行われている。小倉城特別、竹田城S、新発田城特別、高田城特別、鶴ヶ城特別、安土城S、名古屋城S、そして大阪城S。阪神2、中京2、新潟2で福島と小倉がひとつずつ。東京と中山にはない。昨年末の竹田城Sを勝ったユアヒストリーもルーラーシップの産駒。ルーラーシップも案外お城好きなのかもすれない。

 

 

***** 2022/3/6 *****

 

 

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2022年3月 5日 (土)

新人騎手の日

3月の第1土曜日は「新人騎手の日」。競馬学校を卒業したばかりの新人騎手たちがいっせいにデビューを果たす。

するといきなり阪神1Rで角田大河騎手が初騎乗初勝利の快挙を為した。もちろん今年の新人では一番乗り。8番人気馬の手綱で上位人気の福永祐一騎手や岩田康誠騎手との追い比べを制したのだから、見ているこちらも舌を巻く。

騎乗したメイショウソウゲツは彼にとって生涯忘れ得ぬ一頭となった。その名から分かるように、騎手育成に理解のあることで定評のある松本好雄オーナーの所有馬。思えばちょうど1年前にもデビューしたばかりの小沢大仁騎手が、同じ土曜の阪神1Rを同じ松本オーナーのメイショウホタルビで制して初騎乗初勝利を飾っている。

驚くことに角田大河騎手は阪神2Rも勝って、デビューから2連勝を果たした。またもメイショウの勝負服。しかも2着に粘りこんだのも果敢に先行しいて粘りこんだ新人の大久保友雅騎手。ルーキーのワンツーフィニッシュに阪神競馬場には2レース続けて大きな拍手が沸き起こった。

ルーキーの初騎乗からの2連勝は福永祐一騎手以来だから26年ぶり。近年の若手ジョッキーの活躍は目覚ましい。昨日時点で4年目の菅原明良騎手が関東リーディング5位、同じく4年目の岩田望来は名手がひしめく関西で、川田将雅騎手、C.ルメール騎手に次ぐ3位につけている。関東リーディング首位の横山武史騎手にしても6年目なのだから、まだ「若手」と呼んでも差し支えない。

プロ野球のルーキーはファームやオープン戦でプロの世界に慣れることができるし、大相撲には前相撲が用意されている。それを思うと競馬は厳しい。10代の少年少女が実戦経験もないまま、いきなり本番でワールドクラスのジョッキーとぶつからなければならない。3キロの減量特典はまた別の話。学生相撲のチャンピオンがいきなり春場所の初日で照ノ富士と対戦するようなものだと思えば、まずは相当なメンタルが求められる。

Jockey

ともに1000勝ジョッキーとなった加賀武見氏と増沢末夫氏は同い齢だが、騎手1年目の成績は加賀氏58勝に対し増沢氏はわずか3勝に留まった。ところが両者が49歳になった1986年には、加賀氏6勝に対し増沢氏は106勝である。競走馬に早熟タイプや晩成タイプがあるように、騎手にも早成、晩成があるに違いない。果たして、今年の新人はどんなタイプに仕上がるか。まずは温かい目で見守りたい。

 

 

***** 2022/3/5 *****

 

 

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2022年3月 4日 (金)

コロナの不条理

朝起きて体温を測ると37度5分であった。すわ! コロナか?!

違う。副反応。昨日3回目のワクチンを打った。解熱剤を飲んでぼんやりTVを観る。こうなることはわかっていたから今日の仕事はテレワーク。とにかく安静にしていなければならない。それでもコンビニに行くくらいは許されよう。スポーツ紙とコーヒーとおやつを買ってきて競馬欄を開くと、「ルメール騎手は今週の騎乗をすべてキャンセル」という記事が目に飛び込んできた。

Lemaire

昨日のうちにJRAから乗り変わりは発表になっていたか、理由は「病気」とされていたのみ。今朝、それを本人がツイッターで「コロナ」だと公表した。そうだろうな、と思っていた人も多いはず。

最近では競馬関係者がコロナに感染すると、「調教師の新型コロナウイルス感染について」とか「所属騎手の新型コロナウイルス感染について」などと事実だけが即座に公表される。だが、「騎手1名が、新型コロナウイルスに感染していたことが判明しました。当該騎手は医師の指示に基づき……云々」という情報だけで、「誰が」は教えてもらえない。調教師や厩務員ならそれでも良い。しかし騎手は競馬に直接関与するプレイヤーであり、公正確保の対象となる立場であることを思えば、実名での公表が妥当ではないか。そういう意味でもルメール騎手が自ら公表したことは好意的に捉えたい。

笠松では騎手のクラスターが発生して先月末の開催がまるまる飛んだ。所属騎手16人のうち9人が感染すれば開催は難しい。それでも感染者は公表されず終い。それで知り合いのジョッキーに連絡した。「大丈夫か?」と。そしたら彼も陽性だったという。幸い症状は軽かったそうだが、「みんななってます」という言葉が気になる。

熱も下がったことだし昼メシを食べに外へ。実は行きたい店があった。馴染みの店だがコロナのせいで夜の営業を自粛しているのである。歩くこと3分。久しぶりの訪問に心躍らせつつ店の前に立つと「臨時休業」の貼り紙が目に飛び込んできた。

そんなのってひどい。3回目接種の日程を決めてから、ずっと今日の訪問を楽しみにしていたのに。

シクシク泣きながら「すき家」で牛丼を流し込んで帰宅すると、あろうことかエレベーターのメンテナンスが始まっているではないか。

まじか……(・o・;

息も絶え絶えになりながらひたすら階段を昇る。これのいったいどこが「安静」なのか。部屋に戻って熱を測ると38度近くある。コロナ陽性となったルメール騎手のツイッターには「体調は良い」とあった。その一方で私は38度の熱にうなされる。つくづくコロナの世の不条理を思う。

 

 

***** 2022/3/4 *****

 

 

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2022年3月 3日 (木)

ちらし寿司の奥深さ

ひな祭りなので夕食はちらし寿司にした。近所のスーパーで買ったやつですけどね。ひな祭りにちらし寿司を食べる風習の由来は諸説あってこれだというものはないらしいのだけど、それはそうとして、ちらし寿司を食べる機会は多い。うどんほどの自覚はないのだけど、きっと好物なのだろうと思う。

Chirashizusi

「握り」といえば全国どこで食べても同じスタイルであるのに対し、「バラちらし」「吹き寄せちらし」「よろずちらし」など全国各地、あるいは個々の店によって種々様々なバリエーションが存在するちらし寿司は、ある意味で寿司店のアイデンティティーのひとつであるに違いない。

「ちらしは握りより格下」と蔑み、あたかもダートグレードレースにおける地方馬の如くハナから相手にしないという態度を取る人も中にはいる。だが、ちらしは「シャリを食わせる」と言われるだけあって、ちゃんとした店なら特別仕様のシャリを作るし、ネタの味がシャリに広く深く浸透するよう、ネタにも工夫を凝らしたひと手間をかけるものである。ちらし寿司に代わって強調しておくが、決して格下などではない。

「ちらし寿司」というのはシャリの上に様々なネタを散らした寿司の総称で、「ばら寿司」は「ちらし」とほぼ同じだが、食べる前にシャリとネタをよく混ぜる(ばらす)ものを指すそうだ。西日本では、家庭で作るのは「ばら寿司」で、店で供されるものを「ちらし寿司」と使い分けたりするが、そう聞けばそれも頷けるものがある。

ところで、私は江戸前のいわゆる「生ちらし寿司」というものを好んで食べることはない。シャリの上に大きなネタの切り身がただズラズラと並べてあるのが苦手なのである。刺身でご飯を食べたいなら刺身定食を頼めば良いのだし、酢飯にこだわるなら握ってもらえば良いと思ってしまう。

シイタケのみじん切りを混ぜ込んだシャリに金糸卵を敷き、きゅうり、エビおぼろ、酢ジメした小肌や春子、蛸の桜煮、そして焼き穴子といった具材を彩りよく飾ったもの。これぞ「散らし」であろう。本来、寿司の美味さというのは、混ぜたり、押したり、締めたりするところから生まれるのであるから、敷き布団(シャリ)の上に掛け布団(切り身)を敷き詰めるだけでは足りない。

かつて地方競馬にチラシズシという馬がいた。その一風変わったネーミングから、ひょっとしたら桃の節句生まれの牝馬なのかと調べてみたら、あろうことか5月5日生まれ。しかも牡馬だった。

 

 

***** 2022/3/3 *****

 

 

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2022年3月 2日 (水)

スペシャルウィークのばくだんむすび

おにぎりの話の続き。

ファミリーマートではこんなおにぎりも発売されている。その名も「スペシャルウィークのばくだんむすび」。

Bakudan

ウマ娘のことは詳しく知らないので、スペシャルウィークについて書く。

生涯17戦のうち15戦までが武豊騎手の手綱。その武豊騎手にダービージョッキーの栄誉をもたらしたメモリアルホースであることは今さら紹介するまでもない。しかしその一方で、武豊騎手にジャパンカップ初勝利をもたらした、という意味に於いても、彼はメモリアルな存在であった。しかもそこで負かした相手は英ダービー馬・ハイライズに、凱旋門賞やキングジョージなど欧州GⅠ6勝の名馬・モンジュー。見慣れているはずの武豊騎手のガッツポーズも、このときはひときわ力強く見えたように思う。

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予定ではこの秋のスペシャルウィークは凱旋門賞に挑むはずだった。だが、夏の宝塚記念でグラスワンダーの2着に敗れたことから、遠征計画は白紙に。秋の目標をジャパンカップに切り替えて調整されてきた。さらに3歳で挑戦した前年のジャパンカップでは、騎乗停止中の武豊騎手がその手綱を岡部幸雄騎手に譲っていたという経緯もある。そんないろいろな事情が、武豊騎手の喜びを「爆発」させたのかもしれない。

Jc2

私が「スペシャルウィーク」と「ばくだん」で思い浮かぶのその程度。おにぎりのパッケージには「スペシャルウィークのヒミツ:実は、利き牛乳ができる」と書いてあった。「利き牛乳」ってナンだろう。

 

 

***** 2022/3/2 *****

 

 

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2022年3月 1日 (火)

おにぎりしか勝たん

今日大阪府で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者数は8966人。火曜日として1万人を下回るのは1か月ぶりだというが、まだ一日に9千人もの感が否めない。それは身近に陽性者がいるから。仕事場で陽性者が出ると仕事が倍になる。人手が減るからではない。感染者発生に伴う余計な手続きや連絡が増えるから。それで毎晩帰りが遅くなる。

夕飯を食べようにも開いてる店がない。行きつけの店は蔓延防止期間中は休業している。仮に営業していても20時のラストオーダーに間に合わない。かくして再び夕食難民となった。

頼みの綱はコンビニである。セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン。のり弁、幕の内、ハンバーグ、とんかつ、チキン南蛮、カルビ弁当、……等々。弁当はひと通り食べた。だが、さすがに飽きる。そもそもコンビニの弁当はそういう味付けが多い。パスタも同じ。カレーなら自宅でレトルトという手もある。牛丼なら吉野家の方が良い。さんざん悩んで行き着いたのは、そう、おにぎり。なんだかんだで、いちばん美味い。これが結論だ。

新型コロナのせいか知らんが、そもそも食事への興味が薄れた。夕食だけではない。だから朝も昼もおにぎりになりがち。忙しさのせいもある。とにかく早く済ませることを優先しなければならない。

ハマっているのがこちら。ファミリーマートの「SPAMむすび」

Omusubi

有名なホーメルフーズ社の「SPAM」と玉子焼きをツナマヨネーズで合わせたおにぎり。税込248円と多少値が張るが、普通のおにぎりよりもボリュームがあるから1個でじゅうぶんお腹いっぱいになる……ことはないんだけど、とにかくこの塩味の効いたスパムとお米の相性は抜群。一日2個食べることも珍しくない。

効けば昨年8月の発売開始からわずか1か月で400万個を売り上げたらしい。おにぎり界のディープインパクトとも言われる「焼きしゃけ」を上回ったというのだから驚く。こうなると「SPAM」はフランケルか、あるいはキングマンか。いずれにせよコンビニおにぎり業界に革命を起こす可能性を秘めている。

実際、昨日になってファミリーマートから新商品「SPAMむすび・てりやきたまご」が発売された。スパムは同じだが、玉子焼きではなくゆで玉子をテリヤキソースで合わせているという。う~む……でも、今日も私は普通の「SPAMむすび」を手に取った。もぐもぐ食べながらコロナ退散を願う。そういえばむかし「オムスビ」という馬がいましたね。ウラカワミユキの孫で道営3勝。だが「スパム」という馬はさすがにいない。

 

 

***** 2022/3/1 *****

 

 

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