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2022年1月31日 (月)

【訃報】テレグノシス

テレグノシスの訃報が伝えられた。23歳。ということはタニノギムレットを破ったNHKマイルCはもう20年も前のことになる。当時のNHKマイルカップは「マルガイダービー」の異名を持つほど外国産馬が幅を利かせていた。実際、1996年の創設から2001年まで6年続けて外国産馬のワンツーフィニッシュが続いている。その流れにストップをかけたのが2002年の覇者テレグノシス。しかしそれは、なんとも微妙な判定勝ちだった。

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ゴール入線はテレグノシス、アグネスソニック、そして人気のタニノギムレットの順。だが、直線でスターエルドラードが外に膨れてタニノギムレットに接触。そのスターエルドラードが膨れた隙間を狙ったテレグノシスが、スターエルドラードの進路までカットしてしまい、そのあおりを受けて再度タニノギムレットの進路が塞がれてしまったのである。

当然ながら審議のランプが灯った。

テレグノシスはもちろんのこと、勝浦騎手も杉浦調教師も、勝てばこれが初めてのGⅠ制覇となる。2月のうぐいす賞で2勝目を挙げると、スプリングSの2着で念願の皐月賞の出走権を手にした。だが、その反動は思いのほか大きく、皐月賞は泣く泣く断念。このNHKマイルCも回避の可能性を匂わせていた。だが、杉浦師自ら調教に跨って体調の回復を確信。結果、大本命のタニノギムレットを破ってみせたのだから、その手腕は讃えられて良い。

審議はまだ続いている。

タニノギムレットを管理する松田国英調教師と武豊騎手には、前年のクロフネに続くこのレース連覇がかかっていた。皐月賞3着からという異例のステップにも関わらず、単勝オッズは1.5倍。ファンの期待も大きい。しかも皐月賞ではその期待を裏切ったばかり。負けられないという思いはことさら強かったに違いない。しかもビデオを見る限り、あれだけの不利を受けながら、そこから猛然と追い上げて3着まで来ているのである。脚が残っていなかったのならまだしも、これでは怒りも収まるまい。

20分もの審議がようやく終わった。失格及び降着馬はないという。

人前であれほど怒りを露わにした武豊騎手を見たのは初めてだ。裁決の見解は、スターエルドラードの斜行とテレグノシスの斜行はまったく別個の事案であり、それぞれの事案は単体では走行妨害には値しないから結果として降着にはならない、というものだった。すなわち「合わせ技一本」にはならないんだよ、ということである。

Katsuura

この勝利は種牡馬トニービンにとっても大きな1勝となった。東京得意として知られたトニービン産駒は、この勝利によって東京競馬場で当時行われていた芝のGⅠ6レース(オークス、ダービー、安田記念、天皇賞・秋、ジャパンC、NHKマイルC)の完全制覇を達成。また、結果的にトニービン産駒によるれが最後のGⅠ勝利となったのである。あの審議の20分間は勝浦騎手と杉浦調教師にとっては永遠と思えるほど長く感じたに違いない。逆にこの20年間はあっと言う間だった。タニノギムレットは元気にしているだろうか。

 

 

***** 2022/1/31 *****

 

 

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2022年1月30日 (日)

注目の的は

ロードカナロア、ストレイトガール、ファインニードル、ダノンスマッシュ。過去10年の優勝馬だけでも、のちのGⅠ馬がズラリと並ぶシルクロードSは春に向けて見逃せない一戦だが、今年のシルクロードSは例年にも増して注目の一戦だと言って良い。。

どこが注目か。ルッジエェーロとレジェーロ、馬名フリークが注目する2頭の対決がついに実現するのである。ほとんど同じ発音の両馬は、これまた似たようなカタカナの名前の1200mのオープン特別にちょいちょい顔を出してきたが、直接対決が避けられてきた。おそらく同一馬だと勘違いしている人もいらっしゃるのではないか。私も今日のレースを見るまではひょっとしたら同じ馬なんじゃなかろうか、という疑念を拭えずにいたが、こうして2頭の馬券を買えば別馬だということがはっきりする。

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2020年 ラピスラズリS レジェーロ 14着
2020年 タンザナイトS ルッジェーロ 3着
2021年 カーバンクルS レジェーロ  1着
2021年 ラピスラズリS ルッジェーロ 7着
2021年 タンザナイトS レジェーロ  2着
2022年 カーバンクルS ルッジェーロ 4着

とはいえ大方のファンの注目はメイケイエールであろう。スプリンターズは激しく折り合いを欠き、3コーナーでは頸を上げて反抗しながら直線だけの競馬で4着に食い込んでみせた。高い能力は疑いようがない。だが、激しい気性が出世を妨げる。一度スイッチが入ると制御が利かないのである。いかにしてスイッチを入れないよう我慢させるかが勝負の分かれ目だ。

パドックでメイケイエールを見るのは桜花賞以来。あの時に比べればはるかに落ち着いている。古馬となって彼女も少し大人になったのか。しかし、跨る池添騎手の表情には若干の緊張感が伺えなくもない。本馬場に入るとその表情は明らかに変わった。慎重に、慎重に。とにかく彼女の「スイッチ」が入らぬよう、全神経を集中させているのが伝わっくる。

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全馬横一線のスタートからメイケイエールが先頭に立つとスタンドがドッと沸いた。そこに外からビアンフェに交わされると、メイケイエールがエキサイトしているのが見て取れた。池添騎手が必死になだめて、2番手で我慢。スイッチは入っていないようだ。4コーナーでも内目の3番手。直線坂下で満を持してスパートすると、もう誰もついて来ることはできない。お手本のような競馬で重賞4勝目をマーク。スタンドから起きたGⅠばりの大拍手は、復活を待ち望んだファンが彼女に送った無言の「エール」であろう。

Meikei

背後から「さすが池添だな」という声が聞こえた。スイープトウショウやオルフェーヴルといった稀代の癖馬たちを乗りこなし、GⅠを取らせてきた彼の腕をファンは知っている。オールアットワンス、ヨカヨカ、レイハリア、ピクシーナイト、グレナディアガーズ、現4歳世代はスプリント路線で結果を出し続けてきたが、ここにメイケイエールの名前が加わった。世代交代が進む短距離路線で果たしてメイケイエールの能力は開花するのか。3月末の中京が楽しみになってきた。

 

 

***** 2022/1/30 *****

 

 

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2022年1月29日 (土)

すき焼きも美味しい

独り暮らしのおじさんが冬場に作る料理の筆頭格は鍋であろう。基本的に鍋がひとつあればいい。不足しがちな野菜も補える。最近では1人鍋専用のスープの素や1人前のカット野菜なんかも普通にスーパーで売られているから、それらを買ってきて鍋に入れるだけ。実に簡単だ。

私は根っからの鴨鍋派だが、すき焼きも大好物。どちらもちょっとした贅沢感を味わうことができる。しかし、昨夏「スキヤキ」という名前の馬がデビューしたと聞いてから、すき焼きからは遠ざかってしまっていた。いちいちそんなこと気にしていたらキリがないのはわかっているのだけど、なんとなくね。でも、今日は「ニクの日(29日)」なので思い切ってすき焼きにすることに。すると、たまたま今夜放送された「人志松本のすべらない話」で麒麟・川島明がすき焼きのトークをぶち込んできたではないか。ならば敢えて関西風にしてみよう。

私の両親はともに東京生まれなので、すき焼きと言えば醤油、みりん、ダシ、酒を調合した割下で牛肉や野菜をぐつぐつ煮るのが定番だった。「煮る」のになぜ「焼き」?という疑問を抱いた記憶もない。魚屋の家系で食卓に肉料理が並ぶことは珍しい家庭だったから、牛肉が食べられるというだけで有頂天になっていたのであろう。

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関西風のすき焼きはまず肉だけを香ばしく焼いてから、砂糖をまぶし、ダシと醤油で味を整える。割下をじゃぶじゃぶと投入することは決してない。「そんなん“すき焼き”やのうて“すき煮”やないか」。関東風すき焼きに対する関西の皆さんの声は厳しいが、割下の味に頼らない関西風は、なるほど肉本来の旨味に長けているように思う。

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坂本九さんの代表曲「上を向いて歩こう」は、「SUKIYAKI(スキヤキ)」のタイトルをつけられて海外でも百万枚を突破する世界的ミリオンセラーになった。日本の芸能史においては空前にして絶後の快挙。しかし歌詞には「すき焼き」は登場しない。たまたま日本を訪れていた英国人のレコード制作者が、浅草でごちそうになったすき焼きの味が忘れられず、それにちなんで命名したとか。しかし、この手の話の例に漏れず「諸説あり」のエクスキューズを逃れることはできない。

冒頭に紹介したスキヤキは浦和・小久保智厩舎に所属するパドトロワ産駒の3歳牡馬だが、以前にはウエヲムイテアルコという名前の馬もいた。こちらはマンハッタンカフェ産駒の牡馬でJRAで1勝をマークしたあと南関東に転入。しかし、すでに抹消されているため、両馬の対決が実現することは、残念ながらない。

 

 

***** 2022/1/29 *****

 

 

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2022年1月28日 (金)

ソフトめんは美味しい

自主的隔離期間が明けたので久しぶりに仕事場に顔を出したら、同僚のスマホにメールが着信した。それを覗き込む彼の表情が嶮しさを増す。なにごとかと心配になって聞いてみると……。

「娘の小学校からなんですけど、コロナで……」

なにぃっ!? 学級閉鎖か? 学年閉鎖か? ひょっとしたら学校閉鎖か? まさか娘さんが陽性とかいう話ではあるまいな!?

「コロナで、給食のりんごパンが白飯に変更になるそうです」

あっそう……。そりゃ残念だね。

第5波までは周囲でも数人だった陽性者だが、昨今では珍しくもなんともない。あの人が、この人もと、毎日誰かしらが陽性になっていく。当然、濃厚接触者もネズミ算的に増えるわけで、自宅で身動きできなくなっている人はさらに多いはず。前回のように重症化したり亡くなってしまうケースをあまり聞かないのはまだ救いか。むしろ感染よりも濃厚接触の方が怖いという奇妙な状況になりつつある。

それにしても給食の「りんごパン」というのは当方初耳。でも最近ではメジャーな給食のメニューらしい。それで「オレらの頃の給食は……」と昔話を持ち出してしまうのは、五十オヤジの悲しき性(さが)であろう。さらに齢を重ねれば、不味い給食の話が病気自慢に取って代わる。

ともあれ私が給食で思い出すのは、クジラでも脱脂粉乳でもなく「ソフトめん」ですよ。それが美味しかったという話。不味いもの自慢では決してない。

Soft

見た目は茹でうどん。だが、中力粉や薄力粉が原料のうどんとは異なり、パスタと同じ強力粉が使われている。正式名称も「ソフトスパゲッティ式めん」。我々の当時の給食ではこれをにミートソースをかけて食べていたから、やはりスパゲティーなんだろう。これが美味かった。スパゲッティーの代役として美味いのではなく、ソフトめんとして立派に美味いのである。一方で、ラーメンやカレー南蛮の麺としても給食に活躍していたことを思えば、「万能麺」の称号を与えられても良いような気がする。

同僚にそんなことを延々と話したところで、彼の頭はりんごパンで一杯であろう。私の話などまともに聞いてはくれないだろうから、ここに書くことにした。

不味い給食にせよ病気自慢にせよ、おじさんは自分の不幸を強調したがる傾向がある。それで場を盛り上げようとすること自体は悪いことではない。つまりサービス精神の現れ。しかし一歩間違えると、幸せが他人の不幸の上に成り立っていることをひけらかすことにも繋がる。今日のこの記事もそんな誤解を受けそうな気がするが、そうではないと断った上でそのまま載せることにした。しかし気を付けよう。もちろん新型コロナにも。

 

 

***** 2022/1/28 *****

 

 

 

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2022年1月27日 (木)

嗚呼、栄光のNZT

1983年に重賞に格上げされたニュージーランドトロフィー(GⅡ)は、今年が数えて39回目。だが、昨日報じられたところによると、GⅢ降格の危機にあるらしい。もし今年のレースレベルが低いと判断されれば、記念すべき第40回の節目のレースがGⅢ降格の1回目という恥ずべき事態になってしまう。これではニュージーランド大使にも顔向けできまい。

年間レースレーティングが格付基準値を2年連続して3ポンドを超えて下回った場合、日本グレード格付管理委員会は格付けに対する警告を行うことになっている。NZTのレースレーティングは以下の通り。

2019年 106.75ポンド
2020年 106.50ポンド
2021年 103.50ポンド

新型コロナの特例で昨年の結果は判定対象外とされているから、注目すべきは2019年と20年ということになる。これがGⅡの格付け基準値は110ポンドに3ポンド以上足りてない。もし今年も107ポンド未満なら日本グレード格付管理委員会またはアジアパターン委員会において降格が審査されることになる。

かつてのNZTの輝きを知る身としては、レーティングが110にすら届いていない状況に驚きを禁じ得ない。

今でこそNHKマイルカップの前哨戦という位置付けだが、NHKマイルC創設前は、12ハロンは明らかに不向きのスプリンターと、12ハロンでもイケるはずなのにクラシックに出られない外国産馬やクラシック未登録馬が激突するという稀有な舞台だった。手綱を持ったまま後続を7馬身千切ったオグリキャップのレースぶりは、今となっては伝説のように語り継がれている。

「ミホノブルボンより強い」と謳われた外国産馬ヒシマサルと、のちにマイルCSを勝つことになるシンコウラブリイ、そして韋駄天サクラバクシンオーの「3強対決」で、GⅠレース並みの盛り上がりを見せたのは1992年だったか。9万6千人の大観衆が見守る中、シンコウラブリイが並み居る牡馬を蹴散らしたレースぶりは圧巻のひと言。来月定年引退を迎える名伯楽・藤沢和雄調教師の、これが初めての重賞制覇だった。

入場者数でいえば1994年の方が凄い。なにせ10万8千人である。念のために記しておくが、この当時のニュージーランドトロフィーがGⅠだったわけでは決してない。わずか9頭立てのGⅡを見んがため、昨今ではGⅠ当日でも滅多に見ないほどの大観衆が東京競馬場を訪れた。彼らの視線の先にいたのは、外国産馬ゆえに桜花賞とオークスへの道が断たれたヒシアマゾン。同世代の牡馬を破った彼女は、ここから女傑への道を駆け上がって行く。

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その後さまざまな曲折を経て、皐月賞の一週前に中山の1600mでニュージーランドトロフィーが行われ、5月の東京ではNHKマイルCが行われるようになった。オグリキャップの強さに驚き、シンコウラブリイの速さに痺れ、ヒシアマゾンの末脚に震えた我が身にとって、NZTの格下げは正直おもしろくない。そもそもNZT優勝馬がNHKマイルCで人気にすらならない状況が問題だ。両レースの連勝は2012年のカランブラックヒル以来途絶えている。今年は10年ぶりの快挙を期待しよう。

 

 

***** 2022/1/27 *****

 

 

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2022年1月26日 (水)

寒中競馬

今日の大阪は暖かい陽気に恵まれた。でも穏やかな陽気も今日限り。週末にかけて再び本格的な寒さが戻ってくるらしい。まあ、寒中なのだからそれで当然。近年は陽気が暦を無視することが目にあまる。冬は寒くていい。

ウマは寒い方が元気が出るというのは、よく知られた話。だが、そうはいっても、あまりに寒ければ身体を壊してしまうので、自然と冬毛が伸びる。普段の馬は「被毛」と呼ばれる細かい体毛に覆われているが、気温が低下すると、寒さから身を守るために被毛が抜けにくくなり、長く伸びて光沢を失うのである。これが「冬毛」。春になって気温が上がると「冬毛」は自然と抜け落ちる。

この時季のパドックは冬毛が目立ち、毛ヅヤの悪い馬も多く見かける。季節的に冬毛が生えるのは仕方がなく、一概に状態が悪いと決めつけるわけにはいかない。だが、被毛の生え替わりのサイクルは、健康状態と密接な関係にあるのも事実。一様に抜け替わるわけではなく、栄養が良く健康な馬は抜け替わりも早い。だから寒い季節に冬毛がなく毛ヅヤがピカピカな馬は好調と判断するわけだが、中には見た目を気にするあまり、冬毛を生やさぬよう四六時中馬服を着せている厩舎もあるので注意が必要だ。

そうはいっても、これほど寒いと冬毛ぼーぼーの馬に親近感を感じたりすることもありますよね。

「うー、さぶさぶ。おぉ、お前(ウマ)も寒い中よく頑張って偉いよな。オレなんか、こんなに着込んでいるのに、寒い寒いと文句ばっか言っててダメだよなぁ。よし、こうなったら、君の単勝を買ってあげじゃないか」

なんてコトになって馬券も散々な結果に終わるわけだ。寒い季節の馬券はイイことありませんな。懐も寒くなる一方。まあ、馬券でイイことないのは、どの季節も同じですけど。

騎手にしても、暑い時季以上に寒い時季は辛いものらしい。そりゃそうですよね。寒いからといって、厚着するわけにもいかないし、体も硬くなるから怪我をする確率も高くなる。ダート戦で飛んできた砂粒が顔に当たると、冬場は特に痛いんだそうです。そりゃあ、大変だ。

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そんな彼らも寒さ対策には余念がない。プロテクターの下に使い捨てカイロをペタペタと貼ったり、ブーツの爪先にカイロを仕込んだり。でも、それならプロテクターとかブーツそのものが温かくなればイイのにな、と思いますよね。汗を熱に換える「発熱ジャケット」なんて商品があるくらいだから、プロテクターでもできないだろうか。ユニクロさん、なんとかしてあげてください。

 

 

***** 2022/1/26 *****

 

 

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2022年1月24日 (月)

感染拡大の街で

仕事場に着くなり同僚から「発熱したので休む」という連絡があった。先週金曜の朝のことである。

「何度?」

「37度3分です」

人によっては微熱であろう。とはいえもちろん新型コロナの疑いはある。JRAの競馬場なら入場を断られるかもしれない。倦怠感もあるという。「症状がある以上はお医者さんに診てもらうしかないね」。そう言って電話を切った。

驚いたのはその日の夕方である。診療結果を聞こうと本人に電話をかけたら、どこの診療機関に電話しても満杯で断られ続けているのだという。

「役所にかけたら?」

「かけましたが、『どうすることもできない』と言われました」

嘘かと思って、私の知るクリニックに電話をかけてみたら、「受付できるのは来週の火曜日になります」と言われてひっくり返った。4日後ではないか。新型コロナに限った話ではない。症状がありながら診療を受けられぬ人が、大阪中に溢れかえっているのだろうか。その様子を想像した途端、うっすらと恐怖を覚えた。

ともあれ検査をしないことには始まらない。それで「にしたんクリニック」の検査キットを本人の自宅に届けることになった。

降り立ったのは御堂筋線の「江坂」という駅。1年ちょっと前にも来た。このブログにも書いている(「讃岐うどん四八@江坂」)。ちなみに昨年の江坂特別は4-5決着だった。7頭立てでは4-8はあり得ない。勝ったのはゴールドシップ産駒のマカオンドール。次走の万葉Sも制している。

駅から歩くこと10分。意外なことに本人はケロっとしていた。熱は朝のうちに下がって今は平熱だという。

「元気そうだし検査の必要もなかったかもな」

「大袈裟に騒ぎ過ぎました。わざわざ来てもらって申し訳ありません」

そう言って頭を下げる相手にキットを渡してそそくさと引き揚げた。「讃岐うどん四八」に立ち寄ることも考えたが、彼が万一陽性と診断されて、私が濃厚接触者に認定されたりしたら面倒なことになる。後ろ髪を引かれつつ江坂を後にした。

翌日も家から一歩も出ていない。日曜も東海Sの現地観戦を予定していたが、それも控えた。雨だったせいもあるが、嫌な予感がしていたことも否定できない。自宅で東海SとAJCCを見届けたあたりで電話が鳴った。すごく嫌な鳴り方だったので、私はすぐに事態を察した。

「陽性でした」

「まじか……」

明けて今日は月曜日。陽性と分かったところで診療を受けられるわけではない。私は仕事場の方の連絡やら手続きやらに追われたが、先のことを聞いても保健所の指示に従えと言われるばかり。とはいえ保健所にかけてもなしのつぶてではないか。こうやって陽性になりながら医療を受けられぬ人が大阪中に溢れかえっているのであろう。症状の軽重だけが問題ではあるまい。濃厚接触者の判定もしてもらえぬとあっては、しばらく自主的におとなしくしているほかなさそうだ。

 

 

***** 2022/1/24 *****

 

 

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2022年1月22日 (土)

ジャズの日

今日1月22日は「ジャズの日」。JANUARY(1月)から「JA」をとり、「22」を「ZZ」に見立てると「JAZZ」になるからだとか。なんだか、わかったようなわかんないような由来だが、そうだと言われればそうですかと納得するしかない。むしろよく考えたものだと感服する。

Jazz

ところでジャズにちなむ馬名は少なくない。近年では福島牝馬S連覇のオールザットジャズが“ジャズホース”の筆頭格。種牡馬ラブリーデイのお母さんはポップコーンジャズで、明け3歳牡馬にもジャズブルースという馬もいる。“ジャズホース”の第1号まではさすがに調べる手立てを持たないが、もっとも有名なところとしては、そのものずばり「ジャズ」という馬がいた。1972年に読売カップをはじめ、重賞を3勝したアラブの強豪だ。

馬名に「ジャズ」という文字が使われていない“隠れジャズホース”も数多い。松山康久厩舎で6勝を挙げ、種牡馬にもなった「モンテカルロ」は、毎年大きなジャズフェスティバルが開催されるモナコの地名。その父「デキシーランドバンド」は、ニューオーリンズのトラディショナルな「ディキシーランド・ジャズ・バンド」にちなむ。そのデキシーランドバンドを母の父に持つのが名ステイヤー「デルタブルース」。ミシシッピ川河口を起源とする荒々しい音楽「デルタ・ブルース」は、ジャズ発祥の源流のひとつとなった。

Delta

そもそも競馬とジャズは似ている部分が多い。

どちらも極めてシンプルなエンターテイナーであり、短時間で楽しむことができる。それでいて変幻自在であり、濃密で奥深く刺激的。アレンジの才能が求められるのも同じであろう。さらにちょっとしたアドリブ(ひらめき)が妙味を生み出す。そして少しだけいかがわしく、ノメり込むと抜けられない。

2016年に亡くなった大橋巨泉氏は、司会者や競馬評論家として知られたが、本来はジャズ評論家だった。ジャズによって磨かれたセンスが様々な分野での成功に繋がったのであろう。

ちなみに明日のAJCCに出走するボッケリーニの母はポップコーンジャズ。ジャズの日からは1日遅れになるものの、絶好調の金子真人オーナーでもあり注目しておいた方が良さそうだ。

 

 

***** 2022/1/22 *****

 

 

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2022年1月21日 (金)

【追悼抄】吉田和子さんを偲ぶ

おととい、再び自宅パソコンがおかしくなった。OSは起動はする。ネットにも繋がる。ただ、ローカルのファイル操作ができない。でもショートカットのファイルは開く。よお分からん。それで丸二日間パソコンと格闘したが、一向に改善の兆しは見えない。やはりディスク装置がいかれたか。とにかく、当面は写真がアップできませんので、ご了承ください。

いい加減パソコンの面倒を見るのも面倒臭くなったので、ブログもお休みしていたら、その間に吉田和子オーナーが亡くなっていた。100歳と聞いてまた驚く。一代で社台王国を築き上げた故・吉田善哉氏を陰で支えてきたのは広く知られるところであろう―――。

そう書いてから、不安になった。若いファンは知らないかもしれない。なにせ善哉さんが亡くなったのは30年近く昔の1993年。和子氏の所有馬・ベガが牝馬クラシック2冠を制したのはその年のことだ。

それから11年後の秋、「ロングバージンの2003」という一頭の牝馬が日高のオータムセールで落札された。価格は970万円。比較的廉価で売買されるオータムセールの牝馬としては高い。父のアドマイヤベガは名牝ベガの血を引くダービー馬。落札者は誰有ろう吉田和子氏その人である。

そのセールの直後にアドマイヤベガが急死。さらに1か月半後はロングバージンの父であるノーザンテーストも33歳で大往生を遂げる。和子氏は、天国のアドマイヤベガとノーザンテーストに捧げるという気持ちを込めて、購入した牝馬に「キストゥヘヴン」と名付けた。その後の活躍について、ここでいちいち書き連ねる必要はあるまい。

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「ベガ」しかり。「キストゥヘヴン」しかり。和子オーナーのネーミングセンスには賞賛を越えて畏敬の念すら覚える。思い起こせば、あの1993年、社台グループのGⅠ勝利はベガによる2レースのみだった。それが昨年は17レース。まさに隔世の感と言うほかはあるまい。合掌。

 

 

***** 2022/1/21 *****

 

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2022年1月18日 (火)

四日市でトンテキを

年末年始は地方確定の地方競馬で重賞レースが目白押し。正月気分も覚めやらぬ5日からは怒涛の4日間開催でJRAの正月競馬が幕を開ける。そんなハードな日程がひと段落した今の時期は、気づかぬうちに疲労もピークを迎える頃合いか。いつものようにうどんばかり食べていると、糖質や脂肪をエネルギーに変えるビタミンB1が不足し、疲労感はさらに増す。

そんな貴兄にぴったりなのが豚肉だ。先日の中京行きに際しては近鉄特急を利用したことは既に書いたが、実は四日市で途中下車して名物だという「とんてき」を食べてビタミンB1の大量補給に励んだ。ビタミンB1には、ご飯などの糖質を体内でエネルギーへ変えるだけでなく、脳の中枢神経の機能維持にも欠かせない。中京競馬での大勝負を前にした昼食としては、もってこいのメニューであろう。

「豚のステーキ」をモジって「とんてき」である。しかしそれは単なる豚肉のステーキではなく、いわんやポークソテーでもなく、もちろん豚肉の生姜焼きともほど遠いオリジナル料理であった。決まりごとを列記すれば以下の通りになる。

①分厚くカットされた豚肉と
②ニンニクが一緒にソテーされていて
③濃い味のタレが絡められており
④大量の千切りキャベツが添えられている

さらに特徴として、一枚肉の片側を残したまま切れ目が入れられた「グローブ」と呼ばれる形状と、食べやすく短冊に完全にカットされた「こま切れ」あるいは単に「こま」と呼ばれる形状とに分けられる。近鉄四日市の駅からほどちかい「ちゃん」という店に入った私は「グローブ」のダブルを注文してみた。

Chan

真っ黒なタレはウスターソースがベース。見た目に違わず味は濃いが、豚肉の厚さを考えればこれくらいパンチがあった方が良かろう。白飯のおかずとして申し分ないし、キャベツにも合う。もともとコンビナートで名を馳せた土地柄。工場勤務や肉体労働に勤しむ労働者向けにスタミナと 疲労回復効果が高い豚肉とニンニクを中心としたメニューが考案されたのであろう。

実はウチの近所、大阪天満にもとんてきを出す店があった。その名も「大阪とんてき」。開店前から行列ができることも珍しくないところを見れば、味にうるさい大阪人の胃袋もしっかり掴んでいると見受ける。

Osaka

肉の厚さ、ニンニク、濃いタレ、キャベツといった基本ルールは同じ。ただ四日市に比べると肉が断然柔らかい。これなら女性やお子さんでも食べやすいし、実際私が訪れたときは客の半数以上が女性客だった。おっさんがどんぶり飯を片手に豪快にかぶりつく四日市とんてきのイメージとは一線を画す。とはいえ私は歯応えたっぷりの四日市の方が好きですけどね。定食に付いてくる味噌汁が赤だしで、これが見事にとんてきにマッチしていたから。そこまで含めて四日市の味ということであろう。

 

 

***** 2022/1/18 *****

 

 

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2022年1月17日 (月)

センター試験

先週、巷では「大学入学共通テスト」が行われた。遠くトンガでの噴火に伴う津波のおかげで一部の試験会場では混乱もあったという。東京では受験生が襲われる事件も起きた。よもやこんなブログを読むような受験生などいないだろうが、影響を被った方には気の毒と言うほかはないが、すぐに二次試験もある。頑張ってください。

それにしてもこの「大学入学共通テスト」の呼び名に未だ馴染めぬという方は多いのではないか。私は「共通一次試験」世代。もう35年も昔のことになるが、試験のために土日が潰れることをボヤいていた記憶だけは残っている。

昨今なら「センター試験」世代が多数派であろう。かと言ってこのエントリのタイトルが「センター試験」であるのは決して誤記ではない。実は「共通テスト」だけでなく「センター試験」も先週行われていたことをご存じだろうか。それは地方競馬全国協会の「地方競馬教養センター」の騎手課程選抜試験。競馬業界で「センター試験」といえば普通こちらを指す……かどうかは分からないが、私の知っている子も受験するとあって、先週はずっとこちらの試験の方が気になっていた。

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受験資格には、中学校を卒業または卒業見込みで今年の4月1日時点で20歳以下であることがまず記載されているが、その次の体重制限がやはり厳しい。15歳では44キロ以下が求められる。以後半年ずつ年齢を刻みながら体重制限も0.5キロずつ緩和されてゆくわけだが、それでも20歳で47キロ以下でなければならない。

くぅ~、厳しいですね。加えて視力は裸眼で0.6以上が必須。よしんば私が年齢をごまかすことに成功して受験会場にたどり着いたとしても、デブのメガネではその場で帰らされるに違いない。

主たる試験項目は運動能力検査。閉眼片足立ち、サイドステップ、シャトルラン、ジャンプステップテスト、垂直跳び、上体起こし、懸垂、1500m走、握力、背筋力、上体そらし、立位体前屈。以上の12種目。学校のスポーツテストに近い。さらに面接による適性審査が課せられる。JRA競馬学校のような学科試験はないとされているが、入所後の学科履修の参考とするための学力測定はある。特筆すべきはそれらのメニューが、2泊3日の合宿の中で行われること。土日が潰れて文句言うようなヤツは、既に脱落であろう。

選抜基準の詳細は知らない。高知で活躍した別府真衣さんなどは、懸垂が2回しかできなかったが、それでも合格したという。学力測定の結果にしても、実際には参考にされているのかもしれない。

いや、それよりも2泊3日の合宿という試験スタイルそのものがミソではないか。

センター入所後は、厳しい生活が待っている。一日のスケジュールは分刻み。むろん食事制限もある。外出だってままならない。現代の若者にとっては、肉体的、精神的にかなりきつい2年間を過ごすことになる。果たしてそれを乗り越えることができるかどうか―――。そんなことを踏まえながら、大人たちが合宿生活を送る受験生たちを見つめていたとしても不思議ではない。

必要なことは「何が何でも騎手になる」という気持ちの強さを持ち続けること。受験対策があるとすれば、それ以外あるまい。私が気にする子の首尾はどうだったのだろうか。結果は来月明らかになる。

 

 

***** 2022/1/17 ******

 

 

 

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2022年1月16日 (日)

壁のサイン

以前から一度訪れてみたいと思っていながら、なかなか来訪が実現しないうどん店が近所にある。オフィス街に近いため、平日ランチタイムはOLやサラリーマンが行列を為し、昼どきをずらして行けば麺切れ閉店。夜も酒席でいっぱいとなれば平日に訪れるのは絶望的。となると土日に行くしかないわけが、阪神に行くときは仁川駅前の「フランケル」でうどんを食べると決めているので、阪神開催中はそれもままならない。

そういう意味では関西からJRA開催が消える今は絶好のチャンス。念願叶ってようやくの訪問を果たすKおとができた。

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讃岐うどん「今雪」は、梅田駅と天満駅のちょうど中間あたりに暖簾を掲げている。店内に入るといりこの香りがぷうんと鼻をくすぐった。「讃岐うどん」と銘打っても関西風にアレンジされた一杯を出すお店が多い中、こちらは純粋な讃岐スタイルを貫いていると聞く。いりこダシもそのスタイルの現れであろう。カウンター席に座ると向こうの壁一面に書かれたサインが目に飛び込んでくる。有名人の常連も多いに違いない。

鶏天ぶっかけ(温)の大盛を注文。ぶっかけダシはいりことは別の風味を感じる。濃厚で奥深い。うどんはニュルニュル系。思ったより細めに感じるが、旨いことに変わりはない。

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あっという間に食べ終えてから、ぶっかけ大盛一杯ではなく、ぶっかけとかけをレギュラーで一杯ずつ注文すべきだったと後悔した。普通の人が聞けば非常識な話だろうけど、次にいつ来訪できるか分からないとなれば無理をしてでも食べておきたい。来週、再来週は別の予定が入っているし、2月になれば阪神開催も始まる。

そもそも新型コロナがどうなるかも見通せない。今日の大阪府の新規感染者は3760人。2日連続で最多を更新した。こうして気軽に飲食店を訪れることができるのも今だけかもしれない。いや、そうなれば競馬の方も無観客に戻る可能性だってある。どちらにせよ悲劇だ。

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様々なサインで埋められた壁をぼんやり眺めながらそんなことを考えていたら、その中に北村友一騎手のサインを発見した。クロノジェネシスの引退式に駆け付けていたから、リハビリは順調に進んでいるのだと思いたい。復帰時期に関する具体的な話は聞かないが、焦ることなく彼の復帰を心待ちにしよう。

 

 

***** 2022/1/16 *****

 

 

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2022年1月15日 (土)

無印

12月28日に突然動かなくなったパソコンが、18日ぶりに動くようになった。完全に死んだわけではない。正確には動いているのだけど滅茶苦茶遅い。データを退避させるのに200時間くらいかかった。しかるのちに復旧を試みるわけだが、コマンドというコマンドはほとんどまともに受け付けてくれない。結局OSの再インストールをすることになった。

めでたくOSが立ち上がって、さあWORDとかEXCELとかをあらためてインストールする。するとインストーラーがプロダクトキーを入力しろと言ってきた。プロダクトキーは200時間かけて退避したデータに含まれていたはず。だが、あろうことかそのファイルはEXCEL形式だ。つまり開くことができないわけ。ああ、やってしまった……。

まあ、今すぐEXCELを使うこともないから、久しぶりにブログを書こう。今日は愛知杯が行われた。荒れることで知られるハンデ重賞だから人気も割れていた。勝ったルビーカサブランカは単勝オッズは12.7倍。7番人気の割には安い。ファンも見るところは見ている。

ところが、である。ふと手元のスポーツ報知を見ると、ルビーカサブランカは完全なる無印であった。8人もの予想陣を擁しながら△ひとつない。恥ずべき結果であろう。

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ルビーカサブランカは19戦して掲示板を外したのが一度だけという堅実さがウリ。前走オリオンSも完勝だった。その勝負服からして血統も申し分ない。しかも鞍上は36年連続JRA重賞制覇がかかる武豊騎手。そんなレジェンドが52キロで乗るのである。過去の傾向を見れば、前走で条件戦を使った馬が活躍することも分かっている。それで無印になる方がむしろ不思議。報知にいったい何があったのか。ひょっとしたら予想に使うパソコンが動かなくなったのかもしれぬ。

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そこはあくまで「予想」である。当たらないことは仕方ない。競馬である以上、勝ち負けは紙一重。同じメンバーであっても、10回競馬をすれば10通りの結果が出る。だから複数の予想者がいくつもの印を駆使して勝ち負けになりそうな馬を炙り出すのである。それが完全無印では言い訳もできまい。ルビーカサブランカの次走がどこになるのかにそこまで興味はないが、そのレースを予想する報知の紙面にどんな印が打たれるかについては、大いに興味をそそられる。

 

 

***** 2022/1/15 *****

 

 

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2022年1月11日 (火)

びっくりしたな、もう

近所に「堀川戎」というこじんまりとした神社があることは知っていた。仕事場に行くのに、毎日その境内を通るのである。特別急ぐことがなければ、お賽銭を投げて手を合わせることも忘れない。そこが大変な騒ぎになっていた。神社前の通りは屋台が軒を並べており、車道は人混みで埋め尽くされている。

聞けば「十日戎」というお祭りらしい。東京ではあまり馴染みがないが、知らないわけでもない。ただ、私はあくまで1月10日のイベントだと思い込んでいた。今日は「残り福」というお祭りらしい。つまり後夜祭。その割には人が多い。昨日より多いのではないか。関西の皆さんの信心深さに驚かされることは少なくない。

かように今日は驚くことが多かった。年度代表馬にエフフォーリアが選出。それに異論はない。問題はコントレイルが受賞した最優先4歳以上古馬の投票結果。テーオーケインズの10票はまだしも、昨年(1,0,0,3)のカフェファラオが1票を得たことには驚きを禁じ得ない。「該当馬なし」という選択肢もあるというのに。

オメガパフュームの現役続行にも驚いた。果たして良いニュースなのか、悪いニュースなのか。正直そこまでは図りかねるが、東京大賞典5連覇の可能性が生まれたことは興味深い。

そのオメガパフュームの主戦であるミルコ・デムーロ騎手は今日が誕生日。それで彼が43歳になったと聞いてまた驚いた。私もトシを取るわけだ。

 

 

***** 2022/1/11 *****

 

 

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2022年1月10日 (月)

大人の線引き

今日は「成人の日」。JRAでも秋山稔樹、小林脩斗、泉谷楓真、角田大和の4騎手が成人を迎えた。

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祝日法には「成人の日」の日にちが定められているだけで「成人」の定義は明記されていない。1896年に制定された現行民法では「20歳をもって成年とする」と規定。これを以て20歳以上を大人とみなす意識が定着していたわけだが、民法のこの規定も4月から「18歳」へと引き下げられることが既に決まっている。となると来年の成人式はどうなるのか?  3世代合同実施なんてことになれば、混乱は避けられまい。

ちなみに未成年者飲酒禁止法と未成年者喫煙禁止法はともに禁止の対象を「20歳未満」と条文に明記しているので、成人年齢が変わったからといって、自動的に酒やタバコが許される年齢が下がるわけではない。これに対し、競馬法第28条は「未成年者は、勝馬投票券を購入し、又は譲り受けてはならない」としているだけだから、成人年齢が18歳に下がれば、それに合わせて18歳でも堂々と馬券を買えるようになる。それを楽しみにしている若いファンの方もいらっしゃるかもしれない。

しかし残念ながら、民法改正に合わせて、競馬法も改正される予定。具体的には「未成年者は」の部分が「20歳未満の者は」に書き換えられる。18歳になって堂々と馬券を買うことを楽しみにされていた方は、もう2年お待ちいただきたい。

パチンコは18歳でもOKなのに馬券はダメ———。こんな不可解な現状は、「大人の線引き」が様々な法律によってバラバラであることの裏返しでもある。今回はそれを解消する大きなチャンスに思えたが、政府内の問題意識は薄いのであろう。

2005年の競馬法改正で、馬券購入が制限される対象者から「学生・生徒」が除外された。その検討段階ではもう一歩踏み込んで「未成年」を「19歳未満」に緩和する案も浮上していたと聞く。しかし、そこで障壁となったのが、民法が定める「未成年者の法律行為」。法律上は親権者が馬券購入契約を取り消すことが可能となっていることから、「未成年」のままで落ち着いた。そういう意味では、民法改正に伴って馬券購入可能年齢を18歳としたところで問題はなさそうなものだが、今回そこが議論された形跡はない。

競馬法改正の表向きの理由は「社会的に未熟な若者をギャンブル依存症から守るため」だそうだ。

仮にも選挙権を与えられ、社会を支える一員として国の将来を真剣に考えている有権者ではないか。親元を離れて独立し、自活している人も大勢いるはず。そんな彼らを「未熟」呼ばわりするくらいなら、成年年齢の引き下げなど、ハナからやめた方が良い。こんなザマでは「大人の線引き」がきれいに揃うことは今後もなかろう。むしろ不揃い感を増しそうな気配さえ漂ってきた。

ギャンブルに関わる規制緩和は選挙での女性票を減らし、内閣支持率も下げる。昔から決まりきったこと。今年の夏には参院選もある。ギャンブルごときに足を引っ張られたくないというのが、きっと彼らの本音であろう。

 

 

*****2022/1/10 *****

 

 


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2022年1月 9日 (日)

いざ、桶狭間

一向に快方の兆しを見せてくれないパソコンにひとまず見切りをつけて、再び名古屋へと向かった。新年最初の3歳重賞・シンザン記念である。

問題は行き方。もちろん新幹線がいちばん早いが、そのぶん高い。我が家の最寄り駅から中京競馬場前駅まで自由席利用で、1時間40分で6350円。これを在来線にすると約3時間半かかるが3770円で済む。

実際、大阪を7時に出る新快速に乗ると、競馬専門紙を広げている乗客を見かけることがある。京都を過ぎると車内は徐々に空いてくるが、競馬専門紙の乗客は全く降りる気配がない。そのまま終点の米原で一緒に乗り換え。結局、名古屋まで一緒に旅をすることになる。

ただ、今日は初めて近鉄を使ってみた。大阪上本町駅から特急「ひのとり」利用で競馬場まで2時間半。特急料金込みで4950円である。乗ったことのない路線なので、外の景色を見ているだけで退屈しない。新型車両のシートもすこぶる快適。今日の馬券で大儲けしたら、中京へは毎回このルートにしよう。

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シンザン記念は4番人気・マテンロウオリオンの快勝だった。新馬で2着に敗れながら、次走に1勝クラスの特別戦を選び、格上馬相手に快勝。返す刀で重賞勝ちを果たした。陣営が認める能力の高さに間違いはなかったということか。2歳1勝クラスの芝戦は少頭数になることが多く、未勝利馬の出走は珍しくない。今後は新馬戦の結果はさておき、馬の調子やローテーションを優先するケースが増える可能もある。

一方、新馬戦の圧勝ぶりが評価されて1番人気に押されたラスールには厳しい競馬になってしまった。出遅れは想定外だったかもしれないが、出遅れも競馬のひとつ。1戦だけで分かることには限界がある。

とはいえ気持ちはわからないでもない。グランアレグリア、コントレイル、ラブズオンリーユー、クロノジェネシスらが相次いで引退。世代交代の時期に次世代のスーパースターの誕生を願うのは自然な流れだ。ラスールはその有力候補かもしれない。いや、そうであって欲しい。引退間際の藤沢和雄調教師のコメントに引っ張られ過ぎた感はあるにせよ、オッズに現れたのはファンの正直な気持ちであろう。

例によって馬券は惨敗。もう近鉄は使うまい。復路は反省を期すため最安の在来線にすべきかもしれぬ。しかし今日から始まる大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を観たくて、あっさり新幹線に乗ってしまった。いやあ、速いこと。反省する暇もなく新大阪に着いてしまった。 

大河ドラマもきちんと視聴できて、今日のミッションは無事完了。2年ぶりに馬がたくさん登場する時代が舞台で嬉しい。ところで、主役の小栗旬さんの愛馬は、一昨年の「麒麟が来る」で長谷川博己さんが乗ってらした馬と同じように見えたのですが、どうなんでしょうね。

 

 

***** 2022/1/9 *****

 

 


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2022年1月 8日 (土)

パソコンに向き合う一日

年末から自宅パソコンの調子が悪くて使えなくなっていた。とはいえパソコンでできることはほとんどスマホでもできる時代。調べものも、買い物も、新幹線の予約も、馬券購入もむしろスマホの方が使い勝手が良かったりする。ならば慌てることもない。それでほったらかしてたら、慌てることになった。

まずはウマの写真。データそのものは外付けのHDDに保管してあるから消失のリスクは少ないが、パソコンが動かなければそれを見る術がない。ワグネリアンの急死に関連してその祖母ブロードアピールの写真の依頼があり、なにも考えずに「いいですよ」と答えてから、いざパソコンに向かって青ざめることになった。

スマホの小さな画面で画像をチェックするのも難しい。老眼が進んで通常の文字すら読めないのに、写真の良し悪しや、写真に写り込んだ内容を読み取ることなど不可能だ。

それで朝から重い腰を上げてパソコンに対峙することになった。しかし、そもそも「絶望的に動きが遅い」という症状のパソコンを操作するのだから、措置そのものが困難を極める。状況確認のためにコマンドを投入しても2~3時間応答がないなんてこともザラ。画面を見つめながら待っていてもイラつくだけなので、コマンドを投入したら外に昼メシを食べに出かけ、戻って状況を確認して、またコマンドを投入したのち今度は食後のコーヒーを飲みに喫茶店に出かける。そ?な作業を黙々と繰り返した。

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パソコンやスマホといった新しいテクノロジーによって、我々の生活は間違いなく便利になっているはずなのに、一方で新しいテクノロジーは必ずと言っていいほど新たな懸案をもたらす。迷惑メールやコンピューターウィルスは言うに及ばず、ネット依存症や歩きスマホなどもその範疇であろう。かくしてパソコンとの格闘の一日が終わり、明けて1月9日の朝を迎えても激烈に重い状況に変化はない。まる一日が無駄になったが、幸いにも競馬が暇な時季でもある。じっくり向き合うことにしよう。

 

 

***** 2022/1/8 *****

 

 

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2022年1月 6日 (木)

【訃報】ワグネリアン

2018年日本ダービー馬ワグネリアンの急死のニュースには思わず声が出た。

「えっ……?」

「なんで……?」

亡くなったのは昨日の18時頃。胆石による多臓器不全と報じられているが、競走馬の死因としてはあまり聞いたことがない。まだ7歳。多くの同期が競馬場で活躍中だというのに。

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過去にはヒサトモ、トキノミノル、キーストンの3頭のダービー馬が現役中に亡くなっている。種牡馬や繁殖牝馬へのパスポートを得ながらの悲劇はとにかくやるせない。ここにワグネリアンの名前が加わってしまった。これで4頭目。ダービー馬が88頭しかいないことを思えば存外多い。

昨年のジャパンカップが結果的にワグネリアンのラストランである。18着のしんがり負けだった。実はダービー後も現役を続けた77頭のダービー馬のうち、17頭がしんがり負けの洗礼を受けている。ダービー馬だから無キズで引退できるとは限らない。

カブトヤマは63キロと65キロを背負ってしんがりに敗れた2戦が不良馬場で、69キロで最下位に負けたのもいわゆる「2日使い」だから仕方がない。逆にロジユニヴァースは2年ぶりの実戦でしんがり負けを喫した。ダービー馬のしんがり負けには同情の余地があることが多い。ジャパンカップに出走したワグネリアンも、既に身体のどこかに変調をきたしていたのであろう。そう思いたい。

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この一枚を見るたびあの日の興奮と感動を思い出す。ワグネリアンはその勝利によってダービーというレースの素晴らしさをあらためて教えてくれた。そういう意味では福永騎手のみならず私にとっても特別な一頭だったに違いない。今宵は静かに平成最後のダービー馬の冥福を祈ることにしよう。

 

 

***** 2022/1/6 *****

 

 

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荒れる金杯、荒れぬ金杯

今年も東西の金杯でJRA競馬が開幕。中山では4番人気レッドガランが勝って、幸先よく2022年のスタートを切った。

1番人気ヒートオンビートが3着に収まったから、3連複は7千円台の決着。ハンデ戦とすれば、まあ普通の配当。大波乱を期待した向きには、少々物足りなかったのではあるまいか。

かつては「荒れる金杯」の格言があった。1987年の優勝馬トチノニシキは14番人気。1988年アイアンシローは12番人気。1994年ヒダカハヤトは10番人気。二桁人気馬が勝ちまくれば、荒れるイメージが染み付いても仕方あるまい。オフシーズンのハンデ戦という根拠もある。

だがしかし、近年の中山金杯は比較的平穏な結末が続いている。2002年から昨年までの20年間の勝ち馬20頭のうち16頭は1~3番人気馬。あとは4番人気が2頭に、5番人気と7番人気が1頭ずつ。ハンデ戦にしてはおとなしい。「荒れる金杯」の格言は少しずつではあるが、重みを失いつつあるようにも感じる。

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金杯が荒れる原因のひとつは、正月を挟む変則日程とされてきた。通常の開催では、土曜日に出走する可能性のある馬は、水曜日に追い切られる。俗に言う木曜追いは日曜に出走することが確定的な馬だけ。追い日から中1日でレースを迎えることは、なるべくなら避けたい。

5日の金杯に出走するとなれば、理想の追い日は2日。だが、前日が元日のためトレセンは全休となる。全休明けに速い時計を出す厩舎は少ない。とはいえ翌3日に追い切ればレースまで中1日となってしまう。30日や大晦日に時計を出して、3日に流す程度に乗ることもあるが、それにしたところで手探り感は免れない。かくして金杯は荒れるというわけである。

だが、近年では変則開催は金杯だけに限らない。3連休の月曜開催があれば全休日は火曜日。土曜日に使う馬は、たとえ全休明けでも追わざるを得なくなる。そんな事情も後押しして、全休明けでも追い切りをする厩舎は珍しくはなくなった。

それだけの理由で金杯が堅くなったと言うつもりはないし、それが全てのファンに福音をもたらすかどうかは分からぬが、競馬としてはこれがあるべき姿であろう。

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金杯の日程についてはいろいろな意見があるようだが、馬券を買う立場からすれば、私は5日がちょうどよいと感じる。売り上げアップを目論んで元日の全休日を取りやめてまで4日に実施したこともあったが、売り上げアップどころか前年比1割以上減という悲惨な結果に終わっている。早ければ良いというものでもない。我々にも心の準備というものがある。

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このブログで繰り返し訴えていることではあるが、長年馬券を買い続けたファンの体に染みついた暦感は、簡単に変えられるものではない。ついでに書けば、一年のスタートがハズレから始まるも毎年のこと。嗚呼。

 

 

***** 2022/1/5 *****

 

 

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2022年1月 4日 (火)

名古屋の名古屋記念

2022年の打ち初めは川崎でも中山でも中京でもなく、ここ名古屋と相成った。寒風吹きすさぶ名古屋競馬場だが、3コーナー上空から照り付ける冬の陽射しが暖かい。まもなく正月開催の名物レース・名古屋記念が行われる。

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カツゲキキトキトやトミケンシャイリのような大物は不在。頭数も9頭と寂しい。帰省ラッシュの荒波を泳いでまで観に来るようなレースではない気もするが、帰省先の神奈川から大阪へと移動する途中の名古屋でエイヤと途中下車した。この春、名古屋競馬場は弥富市に移転する。名古屋にある名古屋競馬場で行われる名古屋記念を観るチャンスは今日が最後なのである。

レースは2番人気エイシンエンジョイの逃げ。それを4~5番手で追走した1番人気ナムラマホーホが4コーナーで並びかけると、後続を大きく離して2頭によるマッチレースに。ゴールまで続いた競り合いは、最後はナムラマホーホがハナだけ前に出て勝負あった。

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鞍上の岡部誠騎手は名古屋記念3連覇。ここ一番になると、たとえ僅差でも競り勝つ技量はやはり卓越している。ナムラマホーホは東海菊花賞に続く連勝で、重賞4勝目。明けて5歳とまだ若いことから、今年は飛躍の年になりそうだ。期待しよう。

移転先となる弥富トレーニングセンターは最寄り駅から5キロ以上離れており、鉄道でのアクセスは決して良いとは言えない。新競馬場はスタンドの定員を現在の3分の1の2000人程度に留め、駐車場の台数は逆に増やすそうだから、鉄道での来場はあまり想定していないのだろう。私としても今日のように気軽に訪れることはできなくなる。現競馬場のラスト開催は3月11日。事前抽選による入場制限がかかるかもしれないが、それでも可能な限り大勢のお客さんが来場できるよう祈るばかりだ。

 

 

***** 2022/1/4 *****

 

 

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2022年1月 3日 (月)

箱根三昧

昨日今日は箱根駅伝に明け暮れた。もちろん沿道ではなくテレビ観戦。なので、特にブログに書くようなこともなかった。それにしても青山大学の強いこと。逃げ馬に最速の上がりを使われては後続は手も足も出ない。箱根路に強い青学が帰ってきた。

個人的には地元の國學院大学を応援することにしている。今回は往路で4位と健闘も、復路で順位を落として総合8位。とはいえ4大会連続のシード権獲得は立派だ。9区で区間2位の快走を見せた平林清澄選手はまだ1年生。年が明けたばかりだというのに、早くも来年が楽しみで仕方ない。

引き続きTVKで報知オールスターカップを観戦。競馬場のすぐ隣を走った箱根駅伝に感化されたわけではあるまいが、こちらもノーヴァレンダの鮮やかな逃げ切り勝ちだった。

2018年の全日本2歳優駿以来の重賞勝ちだという。そのレースで下した相手の1頭があのミューチャリー。正月早々実力馬の復活は縁起が良い。南関東に強いノーヴァレンダが帰ってきた。

 

 

***** 2022/1/3 *****

 

 

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2022年1月 1日 (土)

歳を数えて

新年あけましておめでとうございます。

今日1日1日はすべての馬の誕生日。昨日まで2歳だった馬たちは、今朝にはすべて「3歳」になっている。もちろん一晩で突然成長するわけではなく、便宜的な理由によるもの。本当の生年月日はそれぞれ別にあるが、全ての馬が歳を重ねる日だと思えばともかくめでたい。新年の祝杯は馬たちにも捧げたい。

古来より我が国には、人間も正月が来るたびにひとつずつ歳を重ねる「数え年」の風習があった。年配の方の中には、今も年齢を尋ねられと満年齢ではなく数え年で答える人がいる。私の祖母は自身の生年月日を知らなかった。かつては誕生日を祝う風習などなかったから、覚える必要などなかったという。家族全員が歳を重ねるのは正月であり、だからこそめでたいのである。

数え年では産まれたその瞬間から1歳で、次の正月を迎えると2歳になった。だから大晦日に生まれた子は、生誕翌日には既に2歳である。馬も同じ。産まれたばかりの当歳馬は、翌年は2歳馬と呼ばれた。当時の人間の風習に倣えば自然の流れであろう。3歳になると競走デビューを果たし、ダービーは「4歳馬の祭典」にほかならなかった。

戦後になって人が欧米流の満年齢を使い出した後も、馬は頑なに伝統的な数え年を貫いてきたことはご承知の通り。生年後最初の正月で1歳とする欧米式に改められてしまったのは2001年のことだ。この年からダービーは「3歳馬の祭典」に生まれ変わった。

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制度変更の理由は、数え年の習慣が競馬の国際化に支障を与えるというもの。たしかに、ほとんどのオープンレースが外国馬に開放され、日本馬による外国への遠征も珍しくない昨今に、年齢の数え方が異なるというのは手間には違いない。だが、そもそも北半球と南半球とで異なる馬齢加算ルールの全世界統一など不可能。そんなことみんな分かっている。それなのに、日本がわざわざ数え年の習慣を捨てる必要などあったのだろうか。この変更がファンを含めた競馬界全体の多数意見であったとは、今も思えぬ。

シンザンは36歳で死んで当時の最高齢記録を樹立した。だが、「今の数え方では35歳だよ」などと指摘されれば興醒めも甚だしい。競馬のデータベースサイトで「阪神3歳S」の勝ち馬を検索すると、2歳馬がズラリと並んで表示される。制度切り替えの時期を跨いで活躍したテイエムオーシャンが2年連続で「最優秀3歳牝馬」のタイトルを獲ったことなど、もはや笑い話ではないか。外を見過ぎるあまり、内の競馬記録をないがしろにした責任は重い。

習慣も貫き通せば文化と呼ばれる。馬の年齢を数え年で表記し、ダービーを4歳馬の祭典としていた習慣は、間違いなく我が国固有の文化であった。これを「国際化」のひと言で消滅させたことは、文化的退行の誹りを免れまい。

正月から文句ばかり書き連ねてしまったが、今年もこんな感じで日々書いていくことになりそうです。なにとぞよろしくお願いいたします。

 

***** 2022/1/1 *****

 

 

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