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2021年12月14日 (火)

朝日と読売の2歳GⅠ

今週末に行われる朝日杯フューチュリティステークスは、数えて第73回目。戦後に制定されたJRA重賞の中では3番目に古い。

第1回は1949年の暮れに行われた。今はなき中山芝1100m戦。レースは1番人気アヅマホマレが1分7秒3のタイムで優勝している。

ちなみにこのレースには翌年のダービーを勝つことになるクモノハナも出走していたが、あろうことかしんがり負けを喫してしまった。さすがに1100mという距離はダービーを占うには短かったのかもしれないが、翌年はトキノミノルが同じ距離の朝日杯を圧勝し、無敗のまま日本ダービーを制している。

朝日杯が始まった翌年には川崎競馬場が開設。さっそくその年の8月に「第1回全日本三才優駿」が実施された。したがってこちらは今年が第72回目。中央地方を問わず2歳重賞の歴史は案外深いのである。

初回のみ中央競馬所属馬を招待して行われたのは今と同じ。ただこちらも今はなき川崎ダート1200mである。勝ったのは、のちに中山の金杯などを勝つサチフサという馬で、8馬身差の圧勝であった。ちなみにこのレースからは、第8回の覇者ダイゴホマレが翌年の日本ダービーを制している。

World

全日本が中央地方全国指定交流競走に指定された1997年には、アグネスワールドが朝日杯と全日本の両方のレースに出走し、全日本を1番人気で制した。この年の全日本は12月29日の実施ということで、朝日杯からある程度の間隔(中21日)が取れたことが大きい。その後、全日本は日程が前倒しになる傾向にあり、逆に朝日杯の方は有馬記念の前週に日程変更されたことで、今では両レースへの参戦はほぼ不可能となっている。2005年にフィールドカイザーが中9日で連戦したのが最後だ。

第1回全日本三才優駿の賞金は中山の朝日杯3歳Sを超えていたというから、当時の盛況ぶりが見てとれる。全日本の方は読売新聞社の後援を受けていたから、読売としては負けられない思いもあったのかもしれない。ともあれ70余年後にこの2つのレースがともにGⅠ(JpnⅠ)の格付けを得ているのは、両者の深い歴史を思えば当然であろう。明日は川崎で全日本2歳優駿だ。

 

 

***** 2021/12/14 *****

 

 

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