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2021年12月 9日 (木)

【訃報】アグネスデジタル

ソダシの芝・ダートGⅠ制覇が幻に終わり、香港カップを週末に控えたこのタイミングで、元祖二刀流ホースで2001年香港カップの覇者でもあるアグネスデジタルの訃報が飛び込んできた。放牧中の事故で予後不良と診断されたとのこと。24歳だったという。平成の競馬史を彩った名馬がまた一頭この世を去った。

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我が国で芝とダート双方のGⅠレースを勝ったいわゆる「二刀流」のチャンピオンはアグネスデジタルのほかにホクトベガ、イーグルカフェ、クロフネアグネスデジタル、アドマイヤドン、モズアスコットの計6頭。しかし芝、ダートのそれぞれでGⅠを2勝以上しているのは過去にアグネスデジタルしかいない。そういう意味においては真の二刀流であろう。

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もう一つ、アグネスデジタルが他の二刀流チャンピオン5頭と異なのがその過程だ。ホクトベガも、アドマイヤドンも、クロフネも、イーグルカフェも、モズアスコットも芝からダートに矛先を変えて二刀流を為した。芝のGⅠを勝つ能力があれば、そのスピードを生かしてダートをこなすことは珍しくない。だがアグネスデジタルはその逆。先にダートでチャンピオンとなっていながら、13番人気で臨んだマイルチャンピオンシップをいきなり勝ってみせた。しかもレースレコード。地方からの移籍馬を除けば、珍しいケースであろう。

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特筆すべきは2001年秋シーズンからの5連勝。日本テレビ盃、南部杯マイルチャンピオンシップ、天皇賞(秋)、香港カップ、そしてフェブラリーS。こんなぶっ飛んだローテーションで、しかも全部勝ってしまう馬など、もう二度と現れまい。

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天皇賞出走に際してひと悶着あったことを思い出す。当時の天皇賞は外国産馬の出走は2頭までの制限があった。宝塚記念でついにテイエムオペラオーを破ったメイショウドトウは確定。もう一頭は春にNHKマイルカップを勝った3歳馬クロフネが有力視されてファンが盛り上がっていたところに、マイルチャンピオンシップに向かうと思われていたアグネスデジタルが一転参戦を表明する。これに一部のファンは反発。SNS全盛の今ならもっと大騒ぎになっていたかもしrない。

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テイエムオペラオーとクロフネの対決は幻に終わったが、そのアグネスデジタルがテイエムオペラオーを破り、クロフネは天皇賞の代わりに出走した武蔵野Sでダート適性を開花させることになる。結果的にこれがあのJCダートに繋がるのだから捨てたものではない。二刀流が二刀流を生んだのである。

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種牡馬としてはジャパンダートダービーを勝ったカゼノコが代表格であろうが、私の中の最高傑作は札幌記念とシリウスSを勝ったヤマニンキングリー。さすがは元祖二刀流ホース。アグネスデジタルは種牡馬としても二刀流だった。合掌。

 

 

***** 2021/12/9 *****

 

 

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