名残の紅葉
早朝の京都を歩いて名残の紅葉を目に焼き付けることにした。
ピークを過ぎたモミジは既に色褪せて、落葉している木もほとんど。しかし明け方にひと雨あって落ち葉も鮮やかさが増している。なにより日曜なのに観光客が少ないのが良い。早朝の京都で、モミジの絨毯と化した庭園をひとり眺めれば、誰でも心に平穏が訪れよう。寒さはそれほどでもない。山に響く鹿威しの音。いかん、生まれ変わってしまいそうだ。
京阪から阪急へと乗り継いで次の紅葉スポットへ向かう。電車に揺られること1時間。たどり着いた先はこちら。
おお、5Rの新馬戦に間に合ってしまった。勝ったのは牝馬のアル―リングウェイ。芝1200mで強さを発揮するアルーリングアクトの一族だが、父がジャスタウェイであってもその傾向は変わらないようだ。ばらけた展開の3番手を追走。直線でじわじわと逃げ馬に近づくと、ゴール寸前でビュッと伸びてきっちり交わした。着差よりも強さが際立つとはこういうレースを指すのだろう。最後の速い脚にスプリンターの素質の片りんを垣間見た気がする。この印象は忘れないでおきたい。
ところで、ここのどこが紅葉スポットか。いや、ちゃんと紅葉が美しいのである。スタンド2階西のフードコートの窓から六甲の山並みを眺めるとこんな感じ。案外きれいでしょ。
紅葉を眺めながら食べるホルモン丼がまた美味い。最近すっかりこのホルモン丼にハマっている。注文を受けてから鉄板で焼いたホルモンを白飯の上にザッと載せたあと、特性のタレをかけて青ネギを散らしてできあがり。いろんな部位のホルモンがあって味も歯応えもたまらない。ちょこっと添えてあるコチュジャンを付けるとなお美味い。気取って食べるものでもないので、軽く混ぜてから一気呵成に掻き込む。ああ美味い。
朝の京都の風情を忘れそうになったので、ここいらで山茶花(さざんか)でも眺めることとしよう。さざんかはツバキ科の常緑小高木。晩秋に白い花をつけ、散るときは花びらが一枚ずつ落ちる。花言葉は「ひたむきな愛」「謙遜」……とJRAの特別レース解説のサイトに書いてある。
ともあれ阪神9Rさざんか賞は芝1200mの2歳1勝クラスによる一戦。今年は5番人気アルトシュタットが3番手追走から直線での叩き合いを制して優勝した。ノーザンファーム産のロードカナロア牡馬。そう聞くと凄そうだが、印象は正直いまひとつだった。5Rの新馬戦に時計で劣っていたせいもある。どの馬ももう少し距離があった方が良さそうに思えた。芝1400mの頃のさざんか賞の歴代優勝馬にはダイタクヘリオスやファレノプシスといったビッグネームが並ぶが、芝1200になってからはこれといった活躍馬が出ていない。紅葉も気になるが、さざんかの咲き具合も気になるのである。
***** 2021/12/5 *****
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