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2021年12月18日 (土)

実は大事なひいらぎ賞

ちょうど1週間前の当欄でエリカ賞を「もっとも有名な500万条件」と書いたところ、とある方から「ひいらぎ賞の方が有名では?」という声をいただいた。

なるほどそうかもしれない。ただ私の中では、朝日杯に抽選で漏れた馬たちの残念レースといった印象がぬぐえないのも事実。それが「もっとも有名な」のフレーズを遠ざけてしまった感がある。

実際、ひいらぎ賞の歴史は朝日杯を除外された馬たちが紡いできたと言っても過言ではない。時代の流れと共に消えてしまうことも珍しくない500万条件戦でありながら、そのレース名は半世紀前から続いている。80年代半ばの一時期を除けば、かつての朝日杯と同じ中山マイルという条件も変わることがない。

Houou

その歴史の長きにわたって、ひいらぎ賞を勝ってGⅠ級のタイトルを獲得した馬を列記してみる。コーネルランサー、カブラヤオー、プレストウコウ、ダイナガリバー、メジロライアン、サクラチトセオー、新堀インディ、アサクサデンエン、マイネルホウオウ、ミッキーアイル、ダノンキングリー、そして昨年のシュネルマイスター。すべてが朝日杯の除外馬というわけではないが、朝日杯のバックアップという役目は十分に果たしている一方で、抽選システムの鋼材にも思いは及ぶ。

Sinko

ひいらぎ賞優勝馬で注目すべきはGⅠホースだけではない。1997年の優勝馬シンコウエドワードは、NHKマイルカップではあのエルコンドルパサーの2着にも好走したスピード馬だが、種牡馬リアファン(Lear Fan)の産駒としては日本における最多獲得賞金を誇る。

Maruta

99年の優勝馬マルターズホークもサザンヘイロー(Southern Halo)の日本における賞金王。同じ日にスプリンターズSを勝ったブラックホークの甥でもある。

メジロライアンは種牡馬アンバーシャダイの賞金王で、シンボリインディは種牡馬エーピーインディ(A.P.Indy)の日本賞金王。マイネルホウオウもスズカフェニックス産駒の中ではいちばん稼いでいる。ひいらぎ賞は出世レースであり、ときに種牡馬の代表産駒を炙り出すレースでもある。昨年のシュネルマイスターもその一端であろう。今年の優勝馬ティーガーデンの今後に注目しよう。

  ~ひいらぎ賞歴代優勝馬~

  2021 ティーガーデン
  2020 シュネルマイスター
  2019 スマイルカナ
  2018 ダノンキングリー
  2017 マイネルキャドー
  2016 アウトライアーズ
  2015 ドーヴァー
  2014 キャットコイン
  2013 ミッキーアイル
  2012 マイネルホウオウ
  2011 チェリーメドゥーサ
  2010 フレンチカクタス
  2009 ギンザボナンザ
  2008 メジロチャンプ
  2007 レオマイスター
  2006 カタマチボタン
  2005 マッチレスバロー
  2004 マチカネオーラ
  2003 マイネルデュプレ
  2002 カフェベネチアン
  2001 アサクサデンエン
  2000 ミヤビリージェント
  1999 マルターズホーク
  1998 シンボリインディ
  1997 シンコウエドワード
  1996 スピードワールド
  1995 ゴールデンカラーズ
  1994 オートマチック
  1993 ヒゼンマサムネ
  1992 サクラチトセオー
  1991 オンエアー
  1990 シンボリダンサー
  1989 メジロライアン
  1988 アンシストリー
  1987 タイガーローザ
  1986 スズラバン
  1985 ダイナガリバー
  1984 ブラックスキー
  1983 ビゼンニシキ
  1982 ウメノシンオー
  1981 ニシノエトランゼ
  1980 トドロキヒホウ
  1979 キタノリキオー
  1978 ホクセーミドリ
  1977 シービークロス
  1976 プレストウコウ
  1975 ザグロス
  1974 カブラヤオー
  1973 コーネルランサー
  1972 (実施せず)
  1971 カネアキバ

 

***** 2021/12/18 *****

 

 

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