2021年の終わりに
大晦日は朝から都内の馬主宅を巡って挨拶回り。それが済めば大井競馬場へ行き、一年最後の馬券勝負に挑んでは毎年のようにその年最大の惨敗を喫して、泣きたくなるのを我慢しながら記者やカメラマンにも挨拶を済ませて、厩舎にも顔を出して年越しそばをご馳走になってから、麻布の和食店に足を運んでおせちを受け取りつつ店のスタッフとの忘年会に突入して、気がついたら年を越してて慌てて帰宅して、「おもしろ荘」を観ながら寝落ちするのがいつものパターンだった。
特に東京2歳優駿牝馬が大晦日に固定されてからは、このルーチンを欠かしたことがない。変えるのが怖かったというのが正直なところ。毎年、大井のカメラマンだまりでしゃがみながら東京2歳優駿牝馬のファンファーレを聞くと安堵した。今年も色々あったけど、大晦日に自分がここにいるということは大きな問題は起きていないという証拠。自己確認の儀式と言ってもいい。それが昨年から無くなった。大阪移住と新型コロナ。どちらも大きな問題と呼ぶに足る。
今年の大晦日は川崎の自宅で過ごしたが、外出したのは犬の散歩のみ。夜は紅白歌合戦を観ながら、自分で茹でたそばをすすった。薬師丸ひろ子さん、良かったですね。近所のお寺から除夜の鐘が聞こえてくる。
ここまで大晦日感が揃いながら、それでも年越しの実感が湧かないのはなぜだろうか。大井の12レースを終えて検量に引き揚げて騎手を迎えて、「よし! 今年も一年無事に終わった!」という声を聞いて、うまたせとグータッチして別れないと一年が終わるという気がしないのである。せめて「ガキ使」でもやってくれれば年越し感がありそうなものだが、今年はそれもない。
それでも新しい年はきっと明ける。馬たちはまもなく一律に1歳トシを重ねることになる。来るべき2022年が皆さんにとってより良い年となり、競馬場が今年よりも訪れやすくなるようお祈り申し上げます。
良いお年を。
***** 2021/12/31 *****
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