藤井聡太四冠に思う
今日11月17日は「将棋の日」らしい。将棋界は竜王のタイトルを獲得した藤井聡太さんの話題でもちきり。将棋の八大タイトルのうち王位、叡王、棋聖、そして竜王のタイトルを獲得し、史上最年少での四冠を達成したという。すごい19歳ですね。私が19歳の時分を思うと恥ずかしくなる。
競馬ではナリタブライアンが1994年の皐月賞、日本ダービー、菊花賞、有馬記念を制して「四冠馬」と呼ばれた。また、2001年には南関東のクラシック三冠(羽田盃、東京王冠賞、東京ダービー)とジャパンダートダービーを制したトーシンブリザードが「四冠」の称号を得たこともある。
南関東はともかく、本来「冠馬」の称号はクラシックレースに対して与えられるべきもの。細かいことを言うようだが、国際的に通用する称号でもある以上、けじめはつけておきたい。
しかし日本ではシンザン以後、天皇賞、有馬記念を含めて「四冠馬」「五冠馬」と冠対象レースが拡大され、ついにシンボリルドルフやディープインパクトなどは「七冠馬」と呼ばれるようになってしまった。
一生に一度しか出られない3歳クラシックレースと、現役を続ける限り何度でも出走できる古馬GⅠレースとでは、たとえ格付けは同じGⅠであったとしても、その価値は明らかに異なるはず。しかも最近では男女平等の視点からか、牝馬限定のGⅠレースも均等視する風潮もあり、デアリングタクトを「三冠馬」と呼んだり、グランアレグリアに「五冠」を使うメディアも現れた。その一方で桜花賞、オークス、ダービーを勝ったクリフジが「三冠馬」の称号を得ぬのは明らかに矛盾であろう。そもそも秋華賞はクラシックレースではない。
かつてナリタブライアンの引退を報じる記事に「4冠馬 GⅠ5勝」と書かれたことがあった。それなら「三冠馬 GⅠ5勝」と書いた方が分かりやすいし、むしろ正しい。混乱の要因となり得るような称号の濫用は避けるべきだ。
障害やダートグレードを含めれば年間33ものGⅠレースが行われ、しかも競走馬の現役期間は伸びる傾向にある。今週のマイルチャンピオンシップでグランアレグリアが連覇を果たしたら、果たして「六冠馬」と呼ばれるのだろうか?
無用な混乱を避けるためにも「冠馬」の称号はあくまでもクラシック5レースのみと既定し、GⅠのタイトル数については別の名称を考える時期にきているような気がする。そういう意味では将棋の「冠」の方がすっきりして馴染みやすい。
***** 2021/11/17 *****
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