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2021年11月14日 (日)

赤は赤でも

エリザベス女王杯の歴史は波乱の歴史。古馬2200mになった1996年以降でもメジロドーベルやアドマイヤグルーヴ、ダイワスカーレットといった名牝が結果を出す一方で、クィーンスプマンテやレインボーダリアといった伏兵の勝利に驚かされてきた。

3歳限定だった頃はもっと凄い。サクラキャンドル10番人気、タケノベルベット17番人気、1989年サンドピアリスに至っては空前絶後の20番人気での勝利である。

だから今日のエリザベス女王杯にしてもアカイイトが勝ったこと自体に驚くことはない。言っても10番人気である。ただ、その勝ちっぷりには正直驚かされた。3コーナーから自ら仕掛けて1番人気レイパパレを負かしに行っての勝利は中身が濃い。しかも、それを見ながら動いたライバルたちを寄せつけぬどころか、逆に2馬身も突き放してゴールした。GⅠでの2馬身差は紛れではない。こんなにも強い馬がなぜ最近まで条件戦をウロウロしていたのか、それに驚いたのである。

Akai1

気になるのはアカイイトの今後である。いきなりスターダムにのし上がったシンデレラはどこを目指すのだろうか。クロノジェネシスが有馬記念で引退を表明し、ラヴズオンリーユーも3月までの引退が濃厚。「強い牝馬」の時代にあっても世代交代は避けられない。まずは同期の3冠牝馬デアリングタクトとの初対戦が実現することを期待しよう。キズナとエピファネイアの娘同士の対決となれば血統的興味もいや増す。

それにしても、である。今日は大阪在住のベテラン馬券師と同行したのだが、その人物は「赤は赤でも…みたいなことになるんちゃうか?」とずっとアカイイトを気にしていた。それでも実際に買うとなると難しい。人気馬3頭に死角が多かった分、それに続く伏兵の層が厚くなったせい。レース後の反省会では「赤は赤でもなぁ……」とため息の連続。その瞬間強烈なデジャヴューに襲われた。

「ベガはベガでもホクトベガ」

そんなフレーズが話題になったのは28年前のエリザベス女王杯。歴史的名牝ホクトベガの伝説は、あそこから始まったと言っても良い。アカイイトにもそれに負けないくらいの活躍を期待しよう。

Akai2

 

 

***** 2021/11/14 *****

 

 

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