師走の光景
JRAは開催替わり。今週から中山、中京、阪神の3場開催となる。とくに阪神は10月から続く3連続開催の終盤戦。馬場状態にも注意を払いたい。
JRAの開催日数が年間288日で固定化して久しい。来年も288日とする旨発表があったばかり。この数字は東京、中山、京都、阪神のいわゆる4大競馬場が各5開催、中京、新潟、福島、小倉が各3回、札幌、函館を各2回の開催としていた長年の慣習に基づいている。1開催は8開催が原則だったから36開催×8日=288日というわけ。ちなみにJRA(当時は中央競馬)が初めて通年開催を行った1955年の開催日数は197日だったというから隔世の感がある。
今では1開催8日間の原則は形骸化したが、競馬場ごとの開催回数はさほど変化はない。しかし、競馬場の改修工事が入ったりすれば、その分が他場に振り当てる必要が出てくる。今年は京都競馬が大規模改修工事のため1日も開催されなかった。今週から始まる開催が「6回阪神、6回中京」となっているのはそのせい。中京を2開催、小倉を2開催、阪神を1開催それぞれ増やすことで、京都の5開催分を割り振った結果だが、失礼ながら中京にローカル開催のイメージを抱く身としては「6回」のインパクトは大きい。今年ほど中京競馬を観た年は無かった。
それでなくても今年は地震被害を受けた春の福島が新潟に振り替えられたり、夏季五輪の都合で北海道シリーズの函館・札幌の開催準が入れ替わったり、暑熱対策で真夏の小倉開催にポッカリ穴が空いたりと、例年とは違う競馬カレンダーを余儀なくされた。新潟で福島牝馬Sが行われ、札幌で函館記念が行われ、小倉で中京記念が行われ、中京で鳴尾記念が行われ、そして阪神で京都大賞典が行われるといった状況に、データ派の面々は阿鼻叫喚の日々を過ごしたに違いない。
それでもようやく今週からは中山、中京、阪神といつもの師走の光景が戻ってくる。データ派に限らずとも、この開催に安堵を覚えるファンは多いのではないか。競馬に四季の移ろいを感じ、競馬に記憶を重ね合わせることが大好きな日本の競馬ファンは、ことのほか競馬カレンダーに敏感であるような気がしてならない。私もそんなファンの一人。歳の納めはいつもの競馬場でいつもの競馬を楽しみたい。
***** 2021/11/30 *****
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