前哨戦
土曜日ながら東西で重賞が3鞍行われる。いずれも年末の大一番を見据えた前哨戦。本番に繋がるヒントを見逃してはならない。
京都ジャンプ(JGⅡ)を勝ったのは2番人気ケンホファヴァルト。JGⅠを連続2着しているので、格上的存在なのかと思いきや、意外なことにこれが重賞初勝利であった。
ケンホファバルトは8歳馬。1番人気ながら3/4差及ばなかった2着のタガノエスプレッソは9歳馬。ついでに激しい叩き合いを制した熊沢騎手は再来月に54歳を迎える。いやはや皆さんお元気ですね。53歳の私は東京2往復の間に鳥取往復を挟む1週間を過ごしたせいで、競馬場内を歩くのもしんどい。「ヒントを見逃すな」とか言っておきながら、今日は一度もパドックに足を運ばなかった。馬券を買うために立ち上がるたびに「よっこらしょ」などと言ってしまう始末。つくづく熊沢騎手は凄い。
自席に座ったままモニターで武蔵野S(GⅢ)を観る。勝ったのは3番人気ソリストサンダー。こちらも6歳にして初重賞制覇であった。勝ち時計は1分35秒0.2着エアスピネルに1馬身1/4差なら完勝であろう。だが、ソリストサンダーは昨年の武蔵野Sにも出走してサンライズノヴァの2着だった。タイムは1分35秒1だから今年とほぼ変わらない。しかも3着はエアスピネルでソリストサンダーとの着差も1馬身1/4だったのである。つまり、今年の武蔵野Sの1・2着馬の走りは去年のほぼ再現で、サンライズノヴァがいなかっただけ、という見方もできなくない。
最後はデイリー杯2歳S。7頭という頭数の割には迫力のある好だった。今年が56回目という歴史と数少ない2歳GⅡの格式はダテではない。
1分35秒1の勝ち時計は平凡だが、これはペースの問題。そのせいで上がりが極端に早くなったが、それを差し切ったところに価値がある。これで3戦3勝。すべてマイル戦。そしてダイワメジャー産駒となれば、2018年のこのレースの覇者アドマイヤマーズを連想せずにはいられない。
思えばアドマイヤマーズの勝ったデイリー杯も時計は1分35秒4と平凡だった。それが原因で朝日杯では牝馬のグランアレグリアに1番人気を譲っている。しかしレースでは圧勝。2歳馬の評価を時計だけに頼ってはいけない。セリフォスについても同じ。前哨戦をしっかり見届け、その走りっぷりから溢れるスケール感、すなわちフィーリングを大事にした上で、我々も本番を迎えよう。
***** 2021/11/13 *****
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